「迷い子」を歌唱されると、きよしさんはサーッと舞台上手袖へ。
ステージの照明は落ちてはいませんでした。
2日神戸国際会館 こくさいホールでのコンサート・夜の部でのことでした。
あれ、夜の部は「櫻」を歌唱されないのかしら?
コンサートツアー初日から、その日の昼の部まで、昼は「貝がら子守唄」、夜は「迷い子」を歌い、そのあと「櫻」という流れだったので、そのことを知る人も多く、舞台も暗転してはいませんでしたから、
「迷い子」のきよしさんの素晴らしい歌唱に大きな拍手が起こったのですが、演奏のHKピュアリバーの皆さんも含めて、その後、”あれ?”という空気が漂ったのです。

きよしさんは、”あらららら~、すみませ~ん”という様子で、あわてて舞台に戻ってこられて、
「『櫻』を忘れてました~」
一言そうおっしゃって、ぺこりとお辞儀をされたのです。
「櫻」のイントロが奏でられ、きよしさんは、みごとな「櫻」を聴かせてくださいました。

ここで、わたしのこの日のコンサートで感じた個人的な思いを少し書きます。
そのあと(今日4日に岡山市民会館で開催されるコンサートのポスターの画像のあと)、コンサートでの楽しいトークについて書いてみますので、トークの内容を楽しまれたいかたは、画像を目印にそのあとからお読みいただければと思います。
そして、岡山市民会館でのコンサートに参加される皆様、きよしさんと素敵な時間をおすごしくださいね。


試行錯誤を重ねて練りに練ったセットリストに「櫻」を入れられたことに、きよしさんに深い思い入れがあることを感じていましたが、その「櫻」を忘れるほどに、「迷い子」に入魂し、それこそのめり込むような思いで歌唱されたことを感じたのです。
だって、きよしさんの「迷い子」はいつ聴いても素晴らしいですが、それにしてもこの日の歌唱は、きよしさんの心の叫びが聴こえてくるかのようで。
主人公の思いにきよしさんの思いが重なって、ぎゅうっと押し寄せてきて、包み込まれるような、”圧”を感じたのです。

明治座さんでの座長公演で初めて生の歌唱で聴かせていただいて以来、聴くたびに涙があふれてきます。
きよしさんが、
”もう一度 もう一度 会いたくて”
と歌ってくださると、映画や動画を見るように、今はもう会えない大切な人のいきいきとした姿がよみがえるのです。
そして、この日は、
”♪いつかまた いつかまた 会えますね”
と歌ってくださったとき、
”そう思いたいけど、わたしはまだそう思えない。でも、きよしさんの歌で会うことができたよ”
と、驚くことに、わたしの心が、わたしにものいったのです。

だから、「櫻」を歌うことを忘れるほどに、万感の思いを込めて「迷い子」を歌唱された、きよしさんに、”ありがとう”と心のなかで手を合わせたのです。

わたしはこの日の夜の部ではPA席のすぐ前にすわっていたのです。
ああ、この席からだときよしさんと、きよしさんと一体化しているような客席の様子がよくわかるなあと思った瞬間、
以前、きよしさんが事務所の長良じゅん会長が、よくPA席にすわってコンサートをご覧になられていたと、おっしゃっていたことが思い出されたのです。
ステージに向かっているきよしさんと合わせ鏡のように相対して、ステージはもちろん客席の様子を、きよしさんと反対側から見ることができる席であることを体感して...。
ああ、長良会長はきよしさんのファンであるわたしたちのことも、こんなふうにご覧になってよくご存知だったに違いないと、なぜだかはっきりと思い、そして2012年のその日に旅立たれた長良会長を偲ばせていただいていました。

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2日の神戸でのコンサートでツアー3日め。
この日、昼夜ともきよしさんの歌唱は絶好調でした。
久々に聴かせていただいた「夏子の海峡」のラストの、フェイドアウトするような声の抜き方に、込められた切なさと余韻を感じて、たまらなくうっとりさせられたのです。

先月30日に北海道・北見市でおこなわれた「新・BS日本のうた」(放送は5月17日)の公開収録でのエピソードはこの前の記事に書かせていただいていますが、吉幾三さんとのスペシャルステージでの歌唱が楽しみなことはいうまでもありませんが、並々ならぬ決意(?)で臨まれたトークも楽しみでなりません。

この日はトークも、司会の西寄ひがしさんに、”ときどき宇宙と交信している”といわれるほどに、ある意味絶好調&自然体のきよしさん。
”ふれあいコーナー”は昼夜とも大いにもりあがったのです。

【昼の部でのこと】
昼の部のおひとりめは3階席のかたで一番うしろのお席にすわっておられたそうです。
そのかたが開口一番、”○○でございます~」とていねいにご挨拶されると、
きよしさんも思わず「山田でございます~」と返されて...。
ご自身で”あっ!”とリアクションされ、
「氷川でございます~」
と言い直されたのです(笑)。
そのかたは、ふたりの娘さんが、”母の日”のプレゼントということで、この日のチケットを用意してくださり、そのおひとりが付き添ってきてくださったということでしたが、オープニングで「一陣の風」を聴いたとたん、涙が出るほどに感動されたことをお話ししてくださいました。

質問の内容は、”母の日には何をプレゼントされますか?”というものだったのですが、
「なーにが...、いいんでしょうね~」
きよしさんはその問にそう一言おっしゃって、しばし考えをめぐらせている様子でした(笑)。
「いつもは電話して...。
”僕を産んでくれてありがとう”っていうのは、電話では(恥ずかしくて)いえないから、メールで伝えて。
そうしたら、僕を産み落とすのに10時間くらいかかって大変だったんだよって(返事がかえってきて)。
両親が出会って1カ月くらいで僕ができたそうなんです。
父はタクシーの運転手をしていて。たまたま乗ったのが母で(笑)。
ねえ、そんなふたりだったのに、今は、”好か~ん!”ってふたりして言って。
僕、挟み撃ちですよ(苦笑)。
交換台? ええと、なんていうんだろ。
(西寄さんのフォローを受けて)そう、僕がふたりの中継役なんですよ~」
と飾らない本音トークが続きました。
そして、カーネーションをあえてシンプルに1本贈りたいというようなことをおっしゃってから、
「以前は(カーネーションの)生花を贈っていたんですよ。皆さんのおかげで。
でも枯れちゃうのがさびしいなって思って。
だから今年は、造花を5本くらい贈ろうかな?」
きよしさんはそうおっしゃって、皆がどっと笑う様子に満足気に微笑まれてから、
「やっぱり気持ちが大事ですよね~。
(今年は)お花を贈ります」
と、言い添えられたのでした。

当選されたおふたりめは1階席からで10歳の男の子でした。
そのやりとりのなかで、下手前方席にすわっていらした子どもさんにも話しかけられて、
「さっき歌っていて、じっと見てごめんね。びっくりしたでしょう?」
なんてお声をかけていました。
もう、なんでそんなに優しいんでしょ。
きよしさんにしたら当たり前のことなのでしょうけど、そんなごく自然にかけられた言葉にきよしさんのあふれる優しさを感じて、じんときてしまったわたしだったのです。

質問が当たった男の子は、きよしさんに将来の夢を聞かれて、
「消防士さんになりたいです」
と返答されたので、ええーっと、きよしさんも客席も一気にハイテンションに(笑)。
社会科の授業で消防士さんの仕事ぶりを紹介する映像を見て、カッコいいと思ったことがきっかけだそうですが、きよしさんは明治座さんでの座長公演の折、一日消防署長さんになったことを嬉しそうにお話しされたのです。
”子どもの頃よく遊んだ遊びはなんですか?”
というその男の子からの質問に、
「八女に住んでいるおじいちゃんの家の前はイチゴ畑で、川もたくさんあったんです。
川でフナを捕まえたり、タニシを捕まえて。
ひとりで6時くらいに起きて、近くの雑木林に行ってクワガタとか蝉とか採って。
おじいちゃんの家にいくのが楽しみでした。
毛虫にさわってかぶれたりして」
そんなきよしさんのお答えに、
「クワガタですか? 
わたしの実家のまわりはカブトムシがいました。
木を蹴るとたくさん落ちてきて...。
大人になったら自分がカブトムシになりましたけど(笑)」
とおっしゃった西寄さんに、きよしさんが西寄さんの子どもの頃の夢をおたずねになりました。
「バスの運転手さんでしたね」
西寄さんのお答えに、きよしさんはじめ皆が、なるほどとうなずくと、
「そのあとがモデル!」
と一言(笑)。
大爆笑の客席に向かって、
「夢をもつのは自由です」
と西寄さんが”セルフフォロー”されると、
「西寄さん、スタイルいいから」
ときよしさんが心を込めて(?)フォローされたのでした(笑)。

質問してくださった男の子に、
「今日はありがとう。(夢に向かって)がんばってね。
おいちゃんもがんばるから!」
と、きよしさんはお礼をおっしゃったのです。
10年後、夢を叶えて、あのときコンサートに来て、今は消防士さんになったんだよという報告を聞かせてもらえたら嬉しいなあというようなことをきよしさんが言葉にされると、
”絶対、来ます!”
と男の子は答えてくれて。
きよしさんは、ほんとうに嬉しそうで、”手帳に書いておくからね”とおっしゃっていたのです。

昼の部のラストトークでは、
「僕、よく、何も考えてないみたいに言われるんですけど、意外と真剣にいろいろなことを考えているんです」
と、きよしさんが
おっしゃると、
”そんなこと、みんな知ってるよ、わかっているよ”
という大きな拍手と歓声が起こりました。
そうなの。
だけど、そう見せないところが、きよしさんの素敵なところなの。
ほんと、きよしさんて自分の魅力がわからなすぎなんだから!
と、これはわたしの心の声(思わず失礼しました)。
でも、皆の気持ちは同じ。
大きな大きな”きよしコール”が起こったのです。


【夜の部でのこと】
さて、夜の部の話題を引き続き書いていきます。
西寄さんとご一緒でのトークで、
「氷川きよしちゃんです」
ときよしさんがおっしゃると、
すかさず西寄さんも、
「西寄ひがしちゃんです」
とおっしゃって、一足飛びという感じで、うちとけたムードになったのです。
「昨日、久しぶりに自分で、メシ作ったんです。
冷たい冷麺を作って」
と、客席&西寄さんから、”冷麺は冷たいから冷麺でしょ”とツッコミが入ると、きよしさんは、”あらら”と苦笑されて、
「100円ショップのキャン○○○で乾麺を買ったら、おいしかったんですよ。
あれね、150円くらいの価値があると思います」
きよしさんの言葉に以前、そのお店の茶そばを薦められ、おいしかったことを西寄さんがおっしゃると、
「僕、いろいろ探すのが好きなんですよ。
でも人生もそうですよね。
そうやっていいものを探すというか、ね」
とここで”女性シリーズ”の話題になって、その流れで「純子の港町」を3フレーズほど歌ってくださったのですが、その直後、きよしさんは西寄さんのお顔をチラリとご覧になって。
「あれ、鼻○○?」
と西寄さんのお鼻を凝視されてから、
「あっ、ステージだった!」
と一言。
きよしさんはステージ上だということを忘れ去るほどにリラックスされていたのですね(笑)。
嬉しくなる瞬間でした。
もちろん鼻○○などではなかったのですが、西寄さんは乾燥するとお鼻まわりがささくれたようになることがあるのだそうです。
きよしさんのトークはますます自然体になって、明治座での1カ月座長公演のお礼おっしゃったあと、
新曲「さすらい慕情」のPRを一生懸命されていることをお話しされたのですが、
”新曲「さすらい慕情」の売り出し活動”
ときよしさんがおっしゃると、
西寄さんが、”PR”。
ふたたびきよしさんが、
”「さすらい慕情」をぶらさげて”
とおっしゃると、
”引っ提げて”
とまたまた西寄さんが”同時通訳”されたのでした(笑)。

”ふれあいコーナー”のおひとりめは2階席。島根県からお越しの82歳のかたでした。
”きよしくんのおかげでいつも元気でいられます”とメッセージを書いてくださって、
”島根には今年は行きますか?”ときよしさんが客席におたずねに(笑)。
「えっ? いつ? 11月ですか」
と、客席の声に耳を傾け合点されたきよしさんでした。
質問されたかたも、”11月に島根県民会館です。松江です。宍道湖のあるところです”
とおっしゃってくださったのですが、
「じゃあ琵琶湖とつながっている?」
と、きよしさんがお答えになったので、場内大爆笑でした。
その日は神戸に泊まられることをお聞きになると、
「夜は何を召しあがるんですか?
(うどんという答えに)
ああ、僕も今日、うどん食べたんです。きつねうどん。関西風でおいしかったです」
とおっしゃっていました。

おふたりめは1階席からで、和歌山県からいらした83歳のかたでした。
楽しくお話しされるそのかたに、きよしさんの会話も迷走(笑)。
”大丈夫です。横に通訳がおりますから”
との西寄さんの頼もしいお言葉がありました。
そのかたが健康のために毎日1時間歩いていらっしゃることを知ると、
「僕の母も1時間歩いているんです。
あの、歩いているときはどんなことを考えているんですか?」
きよしさんがそうおたずねになると、
”きよしくんのことばかり思っています。今晩、(きよし君の)夢見ます”
とのお答え。
「(僕の)どんな夢を見るんですか?」
さらなるきよしさんの問いかけに、そのかたが少し考えていると、
「そりゃあ、ファンの皆さんですから、あんなことや、こんなことを」
と西寄さんが盛り上げられると、
”手、つないで歩いています”
とかわいらしいお答えが(笑)。
「それはどんな道なんですか? えっ? 普通の道? 県道ですか? 国道ですか?」
そのかたのかわいらしく独特の間合いで話される会話にすっかり惹き込まれてしまった西寄さんが、代わってそんな質問されました。
“散歩道(とわたしには聞こえたのですが、その後の会話からするともしかしたら田んぼ道?)です”
とはっきりとおっしゃって、大うけになると、
”今度、(夢できよし君に)抱きつきます”
と間髪入れずにおっしゃったので、またまた場内大爆笑。
”うんうん”とうなづいて聞いていらしたきよしさんは、
「どうぞ、どうぞ。ともに歌でも歌いましょう」
と愉快そうにおっしゃられたのです。
途中のやりとりで思わず
「私の負けです!」とまでおっしゃった西寄さんが、ここでいよいよ、
「○○さん、私を弟子にしてください」
と(笑)。
そのかたは最後まで素敵なマイペースで、
”100まで生きます”
とおっしゃって、楽しいコーナーは終了したのでした。

このあと、この記事の冒頭に書かせていただきましたが、「迷い子」を歌唱され、一度舞台袖に戻られてから、「櫻」を熱唱してくださったのです。
感動の歌声、楽しく、驚くほどの自然体トーク。
ほんとうに氷川きよしの魅力には果てがありませんね~。

※お時間いただきましたが、記憶の限り”生トーク”をまとめさせていただきました。
駆け足での更新ですので変換ミスなど、お許しください。
今日から仕事スタートです。

昨日神戸を出る際、雨が降り出してきました。
もう電車に乗っていたので、わたしには傘をさす必要はありませんでしたが、次第に車窓をうつ雨が強まってきて・・・。
初めて参加させていただいた神戸でのコンサートの夢のような感動と、2日間をすごさせていただいた楽しい神戸の思い出がよみがえってきたのでした。


※文末にこっそり書きますが、
昼の部のアンコールでのこと。
きよしさんは、「一緒節」を宝船に乗ってワンコーラス歌唱されたあと、階段を降りてこられますが、一瞬足元のバランスが危うくなったのです。
その瞬間はヒヤッとしましたが、きよしさんはスッと鮮やかにバランスを取り態勢をたてなおし、なにごともなかったように笑顔で階段を降りてこられました。
すごい運動神経!

重量があり、裾の長い衣裳で、あの幅狭い階段を軽やかに降りるのは荒業といえるかもしれませんね。
華やかで楽しい仕掛けや演出でいっぱいのステージは、常に危険と背中合わせでもあることを、でもそんなことを微塵もきよしさんは感じさせないことを、あらためて思ったのです。