”あっ、いよいよじゃない?”
「NHK歌謡コンサート」の終演後、きよしさんをお見送りするためにNHKのスタジオパーク横の通路から、NHKの構内の玄関口まで(通称・プリンスロード)数百メートル延々と続くファンの列のどこかから、そんな声が聞こえました。
見ると、わたしたちが列を作っているプリンスロードと駐車場との中間地点に立っておられた警備員の方が、右手に持った赤い誘導灯をグルグルと回していました。
それは、NHKのスタッフの方にきよしさんを乗せた車が間もなくやって来ることを知らせるものだったようです。
駐車場からこちらに向かって、車が走り出すと、一気に歓声があがり、そしてどこからともなく、”きよしコール”が起こったのでした。

”きよし! きよし! きよし!” 次第に大きな大きな声になっていきました。
”わたしたち、あなたが大好きなんだよ! どんなときも一緒なんだよ!”
そんなきよしさんへの思いを、そしてきよしさんとの絆をファンどうし、たがいに手をとって確かめ合うような、”きよしコール”にわたしは感じたのです。 いつも以上に多くのかたが出待ちの列に並び始めたので、スタッフのかたもご配慮くださり、いつもは警備の方が立たれるところが列の始まりになるのですが、その手前のスペースも急きょ開放してくださって。
そのため、わたしはほぼ列の起点になるスペースに立たせていただくことになったのです。
その位置は、車が直進してきたとき、ちょうど車の真正面になります。 車はそこまで直進したら、そこで左にカーブして、皆が並んでいる通路に沿って走り、NHK構内のゲートを抜けることになるのです。
わたし、そんな位置できよしさんを待つなんて初めての体験でした。
 
”きよし! きよし! きよし!”
”きよしコール”はいっそう大きなものになり、たくさんのペンライトがまたたいていて、そこにゆっくりと車が近づいてきたのです。
予想していたとおり、わたしは真正面から車を見ることになったのですが、向かって左が運転席、隣の助手席にはスタッフらしきかたがすわっておられ、その2つのシートの間に、揺らめく人影がありました。 あれ、後部シートにきよしさん以外の方も乗っておられるのかしら?
それも真ん中にすわっているなんて、後部シートが満席なんてことあるかしら?
ぼやっとながめていたのですが、後部シートの人影が運転席と助手席の間から乗り出すようにされた瞬間、それがようやくきよしさんその人だということに気づいたのです。
 
きよしさんは、駐車場を出る際は後部シートの右側にすわっておられたのだと思うのですが、皆の”きよしコール”が届いたこともあったのでしょうか。 こちらに近づいてくる途中、車をカーブさせるまで待ちきれないというように、運転席と助手席のシートにつかまってその間から伸びあがるようにしてこちらをうかがっておられたのでした。 わたしは最初、きよしさんだとは思わずに自然と目に入っていたそのシルエットを漠然と見ていたので、記憶がおぼろな面もあるのですが、 思い返してみると、そのシルエットの動きは、 ”うわあ、何、どうしたの? えっ、みんなが僕のために”きよしコール”してくれてるの? うれしい、うれしいよ” と、そんなト書きをつけられそうな様子だったのです。 車中は照明を落としているので、わたしには至近距離に来てくださるまで、きよしさんの表情は見えませんでしたが、そのシルエットのなんともうれしそうな様子が心に残ったのでした。
 
そして、ギリギリまでこちら側に直進されると、ドライバーさんはグッとハンドルを左に切って車の右側面を、ファンの列にこれ以上できないと思うほど至近距離まで近づけて、ゆっくりゆっくり進んだのです。 きよしさんはカーブする際、急いで車の後方右ドアに寄り、全開にした窓からペンライトを振り、会釈されていました。 車は、手を伸ばせばきよしさんに届くほどの至近距離をファンの列と保ちながら、スロースピードで進んでいきました。 直進してきたときに見えたのですが、この職人技ともいえるハンドル捌きはマネージャーの上東さん。 カーブして目の前を通りすぎるときには、運転に集中されながらも微笑んでおられる横顔が見え、その様子にわたしはさらにうれしくなったのです。
 
ファンはもちろんのこと、警備のかたも、NHKのスタッフのかたも、皆、笑顔、笑顔、笑顔。 そしてそこには誰よりも何よりも、輝く、”氷川きよし”の笑顔があったのです。 氷川きよしは、多くの人に、なんて、なんて愛されているのでしょう。 この世の中にこんなにもあたたかで、きらめく瞬間があるなんて...。 忘れられない光景でした。
 
きよしさんを乗せた車は次第に遠ざかり、いよいよ列の終点になるゲート付近からひときわ大きな歓声が聞こえてきました。 そしてそのまま車が渋谷税務署側を通られるかもしれないと、この日は多くのかたが通路と反対のフェンス側に寄ってきよしさんの車の進路をうかがっていると、車はゲートを右折して、ファンの期待どおりそちら側を走り抜けていったのです。 そのとき、後部シートの窓から、きよしさんがペンライトを左右に大きく振ってくださっているのが見えました。 きっと、きよしさんにもこちら側のたくさんのペンライト見えていたのでしょうね。
 
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皆さま、お時間いただきました。
通称”プリンスロード”での出待ちに、わたし、時間が経つほどに感動がこみあげてきたのです。
あのとき、わたしが心の底から感じた一体感。
そこにいるどなたとでも目を合わせただけで、すべてが了解できてしまうようなあの感覚は何だったのでしょう? そして、きよしさんの深くあたたかなまなざしと笑顔が心に染み入って...。 NHKホールから原宿駅まで歩く道々、いつか書いてみたいと思っている「HK伝説」は、もしかしたらこの光景からスタートすることになるかもしれないと、ぼうっとした頭の奥で思ったりもしたのでした。
 
昨夜放送された「NHK歌謡コンサート」、皆さま、ご覧になりましたか?
トップバッターの島津亜矢さんが「海鳴りの詩」を唄われ、きよしさんは続いての登場でした。
きよしさんの唄ってくださった「ふるさとのはなしをしよう」、あたたかな優しさにあふれ、さわやかな風が吹いてくるようでしたね。
そしてなんといっても、きよしさんのあのこぼれるような笑顔がまぶしくて、まぶしくて。
きよしさんのうれしさがわたしの胸にも伝わってきて、じんときたのです。 会場の声援も前説のときからふだんの5割増しくらいの勢いでしたが、本番ではさらに高まって、きよしさんが登場されたその一瞬に爆発したかのようでした。 テレビからも伝わったかと思いますが、NHKさんも客席の様子を映し出してくださって、揺れるペンライトの向こうにファンひとりひとりがいることをあらためて感じさせてくださいました。
 
「NHK歌謡コンサート」はこの回で884回。
放送開始前の前説で高山哲哉アナウンサーが、
”あと2年半ほどで1000回を迎えることになります。そのときも、元気で(NHKホールに)お越しくださいね” とおっしゃると、大きな拍手がわきました。 高山アナウンサーのお人柄そのもののようなあたたかな言葉に感じられましたが、わたしには、その1000回記念にも唄ってくださるきよしさんの雄姿が、スッとうかんだのでした。
 
今回は浜圭介さんの特集ということで、きよしさんがステージに立たれたのは歌唱をされたあとのトークコーナーとエンディングでしたが、エンディングでも大きく大きく手を振られていましたね。
放送が終了になったあとも、拍手は鳴りやまず、出演者の方たちも手を振ったり、お辞儀をされたりしているのですが、きよしさんはその際、右耳に手をあてて、”何、何?”という仕草をしてくださったので、いっそう客席はがわきました。
 
終演後は高山アナウンサーと三原綱木さんのトーク。 「NHK歌謡コンサート」は約1カ月お休みでしたが、8月9日に放送された「思い出のメロディー」で指揮をしたときは、長丁場の生放送なので、とてもお疲れになったそうです。 でもそのあと、夏休みをとることができ、お孫さんをつれて新潟県の綱木村(三原さんのご実家なのでしょうか?)で過ごされたということでした。
 
楽団の皆さんを大きな拍手で送らせていただくと、 「今日、お越しの皆さまのためだけの、スペシャルコンサートを開催致します」 と高山アナウンサーがおっしゃいました。
この言い方、趣があって素敵ですね。
 
トップバッターは八代亜紀さん。水色のドレスにお着替えされての登場でした。 放送では「舟唄」を唄ってくださいましたが、その話題になると、 ”「舟唄」は35年前の歌ですが、わたしは45歳、計算が合わないわ(笑)”と。
楽しいトークのあと、「雨の慕情」を唄ってくださいました。 今日8日、NHKBSプレミアムで放送される、「人生指南紀行 女の横町」で語りをされていらっしゃるそうで、今回は93歳で現役のママさんが登場とのこと。とても面白いのとおススメされていました。放送時間は午後11時15分 ~ 午後11時45分。 わたしも見てみたいなと思いました。
 
続いては、島津亜矢さんが登場。「かあちゃん」を歌唱されました。 年齢を重ねてわかる思い、親への思いがあるけれども、 「母と一緒に暮らしているんですけど、母になかなか”ありがとう”って言えない、バカ娘なんですよ~」 とおっしゃり、 なかなか楽屋でうかがう機会がないからと、
”唄っているときに頭の中でどんなことを考えているのか”を高山アナウンサーがおたずねになると、 しばし考えておられ、 その様子に、突然、そのような質問をして申し訳なかったかなと思われた様子の高山アナウンサーを見てとって、 「考えてませんね~(笑)」 と、明るくお答えになって、場を場を和ませてくださいました。 そんな島津さんの「かあちゃん」。胸に迫るものがありました。
そしてお待ちかね(ですよね!)。
このスペシャルコンサートのトリは、われらが氷川きよしでした。
先日24日放送された「NHKのど自慢」でもお召しになっていたブルー系の着流し姿での登場でした。
拍手と声援はマックス状態。 うれしそうなきよしさんの笑顔、そして仕草に、こちらも一瞬にして幸せを感じたのです。
「皆さんの声援に元気をいただきました」
きよしさんは頭をさげながらそうおっしゃっると、さらに、
”イェイ!”
”イェイ、イェイ!”
”ヨーッ!”
”ポンッ!”
と、コンサート会場さながらに、声をかけてくださり、その一言一言に、客席から大きな声が返ってきたので、えっ、これは何?
という様子の高山アナウンサーでした(笑)。
 
「『のど自慢』でも応援していただいて真心をいただきました。ありがとうございました」
きよしさんがあらためてこの日とそして先の「NHKのど自慢」への応援にも、あらためてお礼をおっしゃると、高山アナウンサーが、9月17日にリリースされる「ちょいときまぐれ渡り鳥」の紹介をしてくださいました。
「新曲でいい結果を出せるようにがんばります。
今年、後半は『ちょいときまぐれ渡り鳥』でがんばって、年末に、皆さんに、”氷川きよしを応援していてよかった”と思っていただけるように。
そんな締めくくりに絶対できるように、がんばります!」
きよしさんはその熱い胸のうちをそのように言葉にしてくださって。
わたしは力強く頼もしいきよしさんの言葉に、心の底から、”はい”と、うなづいたのでした。
 
唄ってくださったのは「大利根ながれ月」。
颯爽と唄ってくださり、最近ちょっと小粋なムードも醸し出されているように感じますが、その歌声の心地よさに何度聴いても、聴き惚れるばかり。ワンコーラス唄い終え、間奏になると、きよしさんは右のこぶしを掲げて、「がんばるぞ!」と一言、きっぱりと大きな声でおっしゃって。そして酔っぱらって千鳥足になる仕草も、流れるように美しく感じられたのでした。
 
「皆さん、お元気でいてください!」きよしさんは、何度もお辞儀をしながら手を振り、広いホールの客席の隅々に視線を送ってくださっていました。と、きよしさんの左側に並んで立っておられた高山アナウンサーが何かおっしゃったことに、きよしさんは答えていて、自然と右横を向いてお話しされる形になったら、そこでスルスルと緞帳が降り始めたのです(汗!)もう、きよしさんて、お話しするとき、絶対にその人のほうを向かれるんですよね(笑)。
またそこがいいとこだと思ってはいますけれども(笑)。でも、ああっ、緞帳が!
3分の1ほど緞帳が降りてきたところで、舞台のライトがパッと消えたので、きよしさんもその状況に気づかれて、暗くなった舞台でしたが、あわてて客席に向き直って手を振ってくださって、緞帳が降りているその隙間からもまだ覗き込むようにして手を振ってくださったのでした(笑)。
 
終演後、きよしさんの歌唱とトークに心躍らせながら、スタジオパーク横の”プリンスロード”に行き、出待ちをする列に並んだのでした。
 
※お誕生日企画はもう1日お時間くださいね。
明日27日のお昼くらいまでにはアップしたいと思っています。