「僕のこと、愛してくださっていますか?」
アンコールであと2曲を残すのみになった時、きよしさんはそう客席に問いかけたのです。
髪をオールバックにされて、赤いスパンコールのミリタリー調ジャケット姿の凛々しいきよしさんでした。 
アンコールで再び、「きよしのMerry X'mas」を歌ってくださったのですが、ひとことひとことに真心を込めて私たちに届けようとしてくださるのを感じて胸熱くなりました。
歌っていて、途中から次第に涙声になられ、声が詰まりそうになりながらも笑顔で懸命に歌ってくださったのです。
きよしさんと一緒に涙しながら「きよしのMerry X'mas」を歌うだなんて思ってもみないことでした。
きよしさんのあふれ出した感動が広がり、私たちを包み込んでくださって、そのあたたかさに涙がこぼれました。
それは笑顔に満ちた、なんてうれしくて、幸せな涙だったことでしょう。
”ありがとう”と言って、きよしさんをギュッと抱きしめたい気持ちになりました。
そのくらい、その存在を、そしてその心を身近に感じさせていただいたのでした。
 
きよしさんは「きよしのMerry X'mas」を歌い終えると、
「2012年も終わろうとしています。
今年1年いろんなことがありましたが、こうやって生きさせていただいていることに感謝しています。
コンサートの主役は皆さんですから、僕は主役である皆さんにお喜びいただくために舞台に立たせていただいているんです」
そのようにきよしさんがおっしゃると、大きな拍手がおこりました。
きよしさんは客席をひとしきり見渡すと、
「1年、いろんなことがありましたねー」
と、しみじみおっしゃったのです。
そして、 
「前向きに明るく、楽しく、朗らかに真っ直ぐに歌ってていきたいです。
皆さま、今後とも氷川きよしをよろしくお願い申し上げます」
そう続けておっしゃってから、2日間、4公演の最後ということで、 
生声で、
”ありがとうございました”
と言ってくださったのでした。
 
それから、 コンサートを一緒に支えてくださったダンサーの方たち、楽団の方たち、コンダクターの方、音響さん、照明さん、すべてのスタッフの方にお礼をおっしゃり、さらに寒い中会場の外で警備をしてくださっている方、お掃除をしてくださっている方への感謝の気持ちを言葉にされて、
「外まで聞こえているかな? 届いているかな?」
とおっしゃったのです。
 
その後で、 
「皆さん、もうあと2曲。恥じらいを捨てて、一緒に歌ってください」
そうおっしゃたかと思ったら、
「僕に声、聴かせてください」
とにこやかに客席に呼びかけたのです。
きよしさんのその言葉にどなたもうれしくなって、お顔が輝いていたのでしょうね。
きよしさんは私たちのそんなうれしそうな様子を見てとってくださって、さらに
「皆さんの、大きな声を聴かせてください」
ともう一度おっしゃたのでした。
もう、そんなふうに言われたら、困っちゃう! どうしたらいいの? なんて思っていたら(笑)、
きよしさんは居住まいを正されて、
とてもゆっくりとした口調で、 
「僕、皆さんのことを愛しています」
とおっしゃったのです。
会場には大きな反響が起こったのですが、きよしさんはさらに、
「皆さんは僕のこと、愛してくださっていますか?
僕のこと、愛しているって言ってください」
すると、
「愛しているー!」
5000人のラブコールが響き渡ったのでした。
きよしさんは、
「すみません、調子にノリやすくて。
皆さんの愛に応えられるようにがんばっていきます」
とそんなふうにおっしゃったでしょうか。どうも急に照れてしまった様子に見えたのでした(笑)。
きよしさんて、なんてチャーミングな方なんでしょうね。
「きよしのソーラン節」
「きよしのズンドコ節」
で幕を閉じたのでした。
 
さて、アンコールから先に書かせていただきましたが、
オープニングから熱唱と熱いトークで盛り上がったのです。
オープニングでは、
「この夜の部は、僕の2012年コンサートツアーの集大成と言っても過言ではありません。
思い切り楽しませていただきたいと思います」
とおっしゃり、2階席の方たちに向かって最後列の方から順番にお声をかけ、
「2階席の皆さん、僕と心をひとつにしてください」
とおっしゃったのです。2階席後方から順番に、きよしさんの熱烈歓迎が続きました。
 
昨日のご報告には言葉の細部がうろ覚えだったので書けなかったのですが、
きよしさんは"心”の大切さについて、お話ししてくださったのです。
「今年1年、いろいろなことがありましたが、あらためて心の大切さを思いました。
心は目に見えませんし、さわることもできませんが、でも何があっても心だけは誰にも壊せませんね。
僕は誠実に心をこめて歌いたいですなあー」
きよしさん、最近はまっているおじいちゃんキャラ炸裂でした(笑)。
司会の西寄ひがしさんが、きよしさんの今年の活躍を紹介されていくと、
賞をいただくことも記録を作ることも、すべてが新たな出発でありスタートであるのだとおっしゃって、
そして、「日本作詩大賞」で、号泣されたことについて、
「なかにし先生が賞を受賞されたことがうれしかったんです。がんを克服されてあの場所にいらっしゃるということがうれしかったんです。
世界中のどんな財宝よりも大切なのは人の命だと感じた瞬間でした」
と胸中を話してくださったのでした。
 
素晴らしいパフォーマンス、コラボレーションを披露してくだった「FNS歌謡祭」の話題になると、
「めちゃくちゃプレッシャーと緊張がありましたが、歌わせていただいて幸せでした」
とおっしゃったのです。
きよしさん、そんなふうには少しも見えませんでしたが、”めちゃくちゃプレッシャーと緊張”があったのですね。
あの時の素晴らしい歌唱と、惚れ惚れする雄姿を思い出すと、じんときてしまいます。
 
「僕は皆さんにいただいたものを、歌でしか返せないですから」
途中でおっしゃったきよしさんの言葉が心にしみ、胸がいっぱいになりました。
「哀傷歌」、「残雪の町」、「あなたのブルース」と続く、魂の叫びのような歌声に、きよしさんの魂が歌の魂に共鳴して慟哭しているのを感じたのです。 
 
KIYOSHIのクリスマスナンバーである「きよしこの夜」と 「キヨシこの夜 ~Angel of mine~」の熱唱に聴き入り、われを忘れてしまったほどでした。
きよしさんのが表出させてくださったロマンティックでドラマティックな世界に身も心もひたらせていただきました。 
「キヨシこの夜 ~Angel of mine~」を歌い終えて、階段上の煙突の中に入っていくのですが、一度からだを沈めて、もう一度お顔を出された時、泣いていらしたので、ここでもきよしさんの感動があふれ出しているのを感じたのです。
 
西寄さんいわく”氷川節の真髄”を披露する和の世界のコーナーは圧巻の一言。
陣幕が張られ、篝火が炊かれている映像が流れる中、「一剣」からスタートして、「浪曲一代」では浪曲を、「白雲の城」では詩吟を披露してくださって、その素晴らしい響きに、陰でどれほど練習を積まれたことだろうと思ったのです。このコーナーでのラスト「白雲の城」の歌唱はあまりにも見事。圧巻でした。
 
まさに”2012年。氷川きよし、ここにあり” という圧倒的な歌唱で、私たちを魅せてくださったのです。
その熱唱に聴き惚れ、その麗しい雄姿に見惚れ、幾度となくわれを忘れた私でした。
”夢みたい”、
”夢のよう”
という言葉を使うことがありますが、
こんなに素敵な夢、私、見ることができるかしら?
今回、はたとそう思ったのです。
私、こんなに壮大で壮麗で幸せな夢、とても見られそうもありません(笑)。
そう考えたら、夢を遥かに超える素敵な時間、言ってみれば”夢よりも素敵な現実”を、きよしさんのおかげで過ごさせていただいたのだなあと、感動でぼうっとした頭の奥で考えていたのでした。
 
開演5分ほど前に来賓の方がたが入場され席に着かれたのですが、来賓席の近くに座っていたものですから、水森先生や水木先生、酒井プロデューサーがすぐ横を通られたのです。
そのため、水森先生には会釈させていただくことができ、また水木先生をこれまででもっとも至近距離で拝顔させていただいたのですが、ほんとうに素敵で、うれしくなってしまいました。
そのうれしさのおかげで来年は素敵なことがありそうな予感がしてきた私です。
 
最後に余談ですが、11日はKさんとイトシアで待ち合わせたのですが、有楽町駅近くのチャンスセンターでは、「きよしのズンドコ節」がずっと流れていました。
私がイトシアの屋外にあるエスカレーターを降りていたら、後ろに乗っていた人が、きよしさんの歌声に合わせて、
「♪ズン ズン ズン ズンドコ」の後に、私たちが、”きよし!”とかけ声を入れるところで、紙筒のようなものをリズムに合わせて、
”パパパン”とそのたび叩いていたので、エスカレーターを降りた時にチラリと見たら身なりのよいビジネスマンの男性で、お持ちになっていたのは図面を丸めたもののようでした。
見ず知らずの人でしたが、きよしさんの歌でつながっているような気がして。
なんだかとても幸せな気持ちになったのでした。