「今回は『寒立馬』を書いてみたの」
その方は、恋をしているようなまなざしで私にそう言ったのです。
その美しいまなざしに、私はその方の作品(書)を見てみたいと即座に思ったのでした。
私が尊敬し、大好きなその方は、きよしさんの熱烈ファンで、今回の「櫻」メッセージにもご参加くださり、筆書きで素敵なメッセージをカードに書いてくださいました。
 
書展の会場は神奈川県民会館(きよしさんが毎年コンサートを開催するホールですね!)のギャラリーだったのですが、会期中にちょうど私が横浜に行く用事があったので見ることがかなったのでした。
 
あっ! 
作品に対峙した瞬間、私は息を呑みました。
何てダイナミックで勇壮なのでしょう。
馬の文字が生きているかのように躍って見えたのです。
きよしさんの「寒立馬」の歌詩に
「♪たてがみからも氷柱(つらら)が下がり、草をさがして雪を蹴る」
と描かれている寒立馬が、まさに目の前にいるのを感じたのでした。
そして作品に込められた強大なエネルギーが一気に放出されて、自分自身がシュワーッと湯気が立つような思いになったのです。
 
作品はとても大きなもので向かい合った時に、ほぼ私の身長くらいの高さがあったかと思います。 
 
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書に向き合って、下方に書かれている”生き抜く力”という文字を眺めていたら、「寒立馬」を歌うきよしさんの歌声が私の中で再生され、そして、あのLEDの電飾の付いた黒のフロックコート姿のきよしさんのシルエットがくっきりと浮かんできたのです。
きよしさんの歌声にインスピレーションを受け、インスパイアされて生み出されたこの素晴らしい作品を見させていただいたことで、あらためてきよしさんが「寒立馬」で表現しようとされたこと、伝えたいと思われたことがクリアに見えてきて、書の前で感じ入ってしまいました。
 
作者のOさんは書家で、この時の書展では審査員をされていて審査員としての出展でした。
Oさんは きよしさんのデビュー以来のファンで、「BS歌謡塾 あなたが一番!」にきよしさんが出演された回を、たまたまご主人と一緒にテレビで見ていらして、デビュー以前にきよしさんと”運命の出会い”をされていた方です。
 
今回、この感動を皆さまにお伝えしたくて、
”ブログに画像付きで書かせていただきたいのですが、いいでしょうか?”
とお聞きしたところ、
Oさんは”嬉しいわあ!”と快諾してくださり(ほんとうに優しくて気さくな方なのです)、さらに今日になって作品と創作についてメールをくださったのです。
 
”寒立馬”は、書の作品の語句として元々魅力的な言葉だと思っていたところ、きよしさんの歌を聴いて、ぜひとも書いてみたいと思われたのだそうです。
この作品では、”寒”と”馬”の字は古い書体で金文体と言われるものを使い、青墨(薄い墨の色)にして、寒風吹きすさぶ中、たてがみをなびかせて吹雪に立ち向かい寒さにじっと耐え、春がくることを信じて頑張っていることを。そして”立”と”生き抜く力”という言葉の部分は濃墨にして、小さな馬なのに、きよしさんの歌のように力強さを秘めていることを伝えたいという思いで書かれたということでした。
 
Oさんは、 「私は、やっぱり、きよし君が大好きですから、きよし君の歌を想うと制作意欲が湧いてくるんですよ」とおっしゃっていましたが、こんなに素晴らしい作品を生み出す源である”氷川きよしの歌”の魅力、奥深さを作品に対峙しながら思ったのでした。
これまでに、Oさんは「行雲流水」「筑波颪」「白雲」という作品を書かれています。
いつか、一同に展示していただく機会があってほしいですね。