※先の府中の森芸術劇場でのコンサートのご報告の記事が、文字数が多くなってしまい、ひとつの記事に収まらなかったので、こちらが続きになります。
昼の部を中心に書きながら、夜の部を付記するようにしてみましたが、トークは昼・夜、混ざってのご報告になります(昼・夜のトークの記憶が混ざってしまったのです・ごめんなさい)。
【以下、続きです!】
そんな和気藹々としたトークの後で、きよしさんは2月8日リリースされる「櫻」についてお話しされたのです。
先に披露されたAタイプのカップリング曲「出発」と、この「櫻」とは対を成しているように思えますが、また昨年後半、太陽のような愛を込めて大切に歌われてきた「情熱のマリアッチ」と見事に呼応しているようにも感じられたのです。
きよしさんは「櫻」を紹介される時に、「”憧れの平尾先生”に曲を書いていただきました」とおっしゃいますね。
以前、中学生の時に平尾先生のミュージックスクールの試験を受けて、合格したけれども通うことがかなわなかったことをお話ししてくださっていましたが、今回、もう少し詳しくお話ししてくださいました。
当時、13歳、中学1年生の丸刈りのきよしさんが平尾先生のミュージックスクールの試験を受け、平尾先生の前でチャゲ&飛鳥さんの「SAY YES」と、同郷の森口博子さんの曲(曲名は聞き取れず、あるいはおっしゃらなかったかもしれません)を歌ったそうです。
そして、”僕、歌手になりたいんです”と、きよし少年が言うと、
平尾先生が、優しく
「そうなんだー、がんばってねー」と言ってくださって、きよしさんはずっとその時のことが心に残っていたということでした。
「まだ演歌と出会っていない時のことでした。その時から20年なんですよ。ほんとうに縁を感じます」
きよしさんは、平尾先生にお目にかかると13歳の時のご自身の歌手になりたいというお気持ちを思い出されるのでしょうね。
その時は合格したのですが、月謝のことなど諸事情があって通うことはかなわず、引き続き押入れの中でのレッスンを続けていたのだそうです。
平尾先生にその時のことをお話しされると
”そうなんだー”と言ってくださったそうです。
西寄さんが”覚えてくださっていたんですかね”とお聞きになると、きよしさん、少し笑って、
「そう、思いたいですね」
とおっしゃったのです。
私は、きよしさんのその言葉を聞いて、ああ、素敵な言い方だなあと感じました。
そういえば、きよしさんはトークの時に、
「前向きな言葉を使っていきたいと思います。たとえば、”残念だったね”というのではなく、”よくがんばったね”というふうに言いたいですね」
とおっしゃっていましたが、そんなふうに自然に、はっとするような、心がほっこりするような言葉を発せられるなんて、素晴らしいですね。
「NHK紅白歌合戦」のリハーサルの時、平尾先生は「蛍の光」の指揮をされておられますので、きよしさん、平尾先生にご挨拶をしに行って、先生に抱きついてしまったそうです。
すると先生は
「来年もがんばろうね。行こうね!」
とおっしゃって、きよしさんをハグしてくださったのだそうです。
夜の部でも、その時のことを話されて、
「平尾先生に、”行こうね!”と、言っていただいたんです」
と、ほんとうに嬉しそうに、おっしゃっていたのです。
きよしさん、すっかり平尾先生の口真似もマスターされたようで、場内大うけでした(笑)。
平尾先生は
「桜の歌はたくさんあるけれども、氷川くんに日本人として本物の桜の歌を歌ってほしいんだ」
とおっしゃられたのだそうです。
レコーディングの時に、OKになった録音をお聴きになって、平尾先生はお泣きになったそうです。
「『桜』は震災で亡くなられた方への追悼(哀悼)の思いもこめて作られた曲です。詩を書いてくださったなかにし先生、曲を書いてくださった平尾先生の真心を、僕が歌で伝えさせていただければと思って、歌っています」
きよしさんは、そうお話してくださったのでした。
この日、きよしさんは「情熱のマリアッチ」のイントロで、最初は屈んでいて、それから立ち上がるというあの振りは、”震災から復興する”という思い、祈りを込めて考えたものだったことをお話ししてくださいました。
昨年大晦日の「NHK紅白歌合戦」で着用された、平和の象徴であるグリーンのベルベットの衣装に身を包んで、きよしさんが歌われた「情熱のマリアッチ」を聴いていて、「情熱のマリアッチ」がどれほど自分が”好きな曲”であるのかを感じたのです。
「櫻」を聴くと、「情熱のマリアッチ」できよしさんが表現したい、伝えたいと思っていたことをあらためて考えさせられ、感じ入ってしまうのでした。
2月8日に発売される「櫻」に間もなく勝負曲の役目をバトンタッチすることになりますが、そのことでさらに氷川きよしがなぜ、3月11日の震災後に「情熱のマリアッチ」が生まれたのか、そしてどんな思いを込めて歌っておられたのか、その意味がいっそうわかってくるように思うのです。
この日、フルコーラスを聴かせていただいたきよしさんの歌われた「櫻」の歌唱は、私の想像を遥かに超える素晴らしさで、私はふだん心にまとっているものをすべて剥ぎ取られてしまうかのようでした。
きよしさんが、なかにし先生がか書かれた詩を読んで、なぜ涙されたかはフルコーラスを聴いた今、よくわかります。
私は、3コーラスめの”愛する心は永遠だから 春が来るたび あなたは帰る”での、
きよしさんの、”愛する心は永遠だから”のそのフレーズが、耳の奥、そして心の奥でリフレインしています。
そして、そのリフレインも、私の涙も、どうにも止まらなくなってしまうのでした。
このブログにも書きましたが、きよしさんの歌う「櫻」が「氷川きよし節」(文化放送)でワンコーラス流れた時に、きよしさんの、踏み入ることも、触れることもはばかるほどに美しい心が、まるで鏡に映し込んだかのように歌とともに立ち上ってくるのを感じたのです。
きよしさんの歌う「櫻」を聴いていて、私は心の奥底にしまってあった”涙の箱”のふたが突然開いてしまったのでした。
何と説明してよいのかわからない感動が私を包みました。
その感動については先の記事で、とりとめないままに書かせていただきましたが、大切な人、大切なものを失った方の悲しみに寄り添いながら、命の重み、輝きを感じて一緒に生きていこうという強くあたたかなメッセージを感じて、深く深く感動したのでした。
きよしさんが歌い終え、舞台袖に戻られると、西寄さんが、感動した気持ちを抑えながらも抑えきれないという様子で、お話をされたのです。
”氷川さんの熱唱で、皆さまにとって大切な方を思われたのではないでしょうか”
そんなふうにおっしゃったでしょうか?
ごめんなさい。西寄さんのおっしゃった言葉の詳細は思い出せないのです。でも言葉は思い出せなくても、その時の西寄さんのお声、お顔、そしてそのお心は今でも感じることができ、思い浮かべると、じんときてしまうのです。司会者ともこんなに心が通じ合える(と思ってもよいですよね?)なんて、ほんとうになんて幸せなことでしょう。
さて、この後で、事前にお知らせのあった紋付袴姿でのご挨拶となりました。
舞台上の壁面は三面の扇の絵に代わりました。鶴の絵が描かれていたかと思います。
昼の部は白紋付、夜の部では黒紋付で、どちらも惚れ惚れする素敵さでした(どちらが素敵かはもう好みの問題でしょうね・喜!)。
私には歌舞伎の口上を思わせるもので、昨年中のお引き立てへの御礼をおっしゃり、
”氷川きよしに、本年も格別のご贔屓を賜りますよう、隅から隅までずずずいーっと(拍子木の音!)御願い申し上げ奉りまする”
と、結びはこんな感じでしたでしょうか。
真心のこもったご挨拶をいただいて、ありがたさと幸せでいっぱいになったのでした。
きよしさんはそのままの出で立ちで
「浪曲一代」、「「玄海船歌」、「大井追っかけ音次郎」、「箱根八里の半次郎」を歌ってくださいました。
そして、きよしコールに包まれながらラストトークをされました。
そのひとことひとことから、”初心に戻ってがんばりたい”という思いが熱く伝わってきました。
「僕が皆さんのおうちにうかがうところを、わざわざ足を運んでいただいて申し訳ありません。会場を使用するのでお金もいただいて...。できれば外にござでも敷いてそこで歌いたいんですけれども」
ポツリポツリとそうおっしゃってもいました。
きよしさんはこの日の1週間前からとても緊張されていて、3日前からワンちゃんたちを預けていたのだそうです。
「今、自分の持っている力の120%を表現するのが、僕の使命だと思っています。応援していただいた皆さんに、何百倍、何千倍にしてお返しできるよう、がんばります」
とおっしゃると、さーっと潮が満ちてくるかのように拍手が起こったのでした。
ラストは「一剣」でした。
幕が降りると、そこここできよしコールが起こりました。
幕が開くまで少し長く感じましたが、いざ幕が開くと、舞台の真ん中に「きよしこの夜Vol.11」でも登場した大きなプレゼントボックスが舞台中央に現れたのです。
きよしさんの記事と画像が載った新聞がプリントされた包装紙に包まれ、大きな赤いリボンが結ばれたプレゼントボックスです。そのプレゼントボックスの前面がサッと両開きになると、中から、きよしさんが登場されたのです。きよしさんは、ご自身の”記事でできた生地”で作られたシックなジャケットとパンツ姿でした。カーフベルトもとも布で作られているという凝り様で、「きよしこの夜Vol.11」での”きよしドール”の時のカジュアルなシャツとショート丈のパンツとはまったく違う趣きで、とても素敵だったのです。
「寒紅梅」、「きよしのソーラン節」と明るくエネルギッシュに歌ってくださり、
「きよしのズンドコ節」でエンディングとなりました。
そしてご挨拶をされた後、再びプレゼントボックスの扉が開き、きよしさんが中に入るとあっという間に扉が閉まったのです。
ああ、もうお別れ? と思っていたら、プレゼントボックスのふたの上にきよしさんの姿が!
ふたの上に腰をおろした状態で
”皆さん、どうかお元気で。またお会いしましょう!”
と大きく手を振られる、いよいよ幕が降りたのでした。
西寄さんの楽しく、そして時には心熱くなってしまうような司会、HKピュアリバーの皆さんの演奏も聴かせどころが多々あって見事な構成と演奏と感激しました。
新しいセットも素晴らく、照明が夢のような美しさでした。皆さんが、きよしさんを守り立てて行こうという気概が随所に感じられたのでした。
さあ、私の2012年、きよしさんと一緒にスタートです。
※ご報告を書くのが遅くなってしまってごめんなさい。きよしさんに贈るメッセージの詳細は今晩中にアップできればと思っています。