「情熱の拍手を、ありがとうございます。皆さん、ありがとうございます。ありがとうございます...。」
鳴り止むどころか、きよしさんが深々と会釈され、お礼をおっしゃるたびに、尚いっそう大きくなる拍手に、きよしさんの頬は紅潮し、瞳がうるんでいるようでした。
「黒百合の歌」を歌い終えた時のことでした。
きよしさんのあまりの熱唱に、私たちは拍手をせずにはいられず、とめどもない感動に、どうしても手を止めることができなかったのです。
そして、場内の息を合わせたかのような拍手に、ああ、他の方も同じ思いなのだと、また感じられて、
”きよしさん、ありがとう、素晴らしかったです”
という思いに加えて、観客どうし、ファンどうし、
”よかったね、素晴らしかったね、きよしさん、最高!”
と互いの思いを
”ねっ、ねっ、ねっ!” あるいは ”うん、うん、うん”
と手を取り合って確かめ合うかのような瞬間だったのでした。
きよしさんの素晴らしい歌唱に、きよしさんと一体感を感じるだけでなく、客席にいた観客どうし、ファンどうしの心がひとつになっているのを感じたのです。
ただただ感動していました。
この日のコンサートで、きよしさんが”愛は奇跡を起こしますね”とおっしゃっていたかと思いますが、そうおっしゃったきよしさんが、その愛にあふれた歌声で、そんな奇跡のような感動を作り出してくださったのでした。
 
さて、皆さま、昨夜「白鶴まる」のポスターの記事を書いた後、渋谷公会堂6日・夜の部のコンサートのご報告がすぐにできなくてごめんなさい。
以下、心のままに昨夜のコンサートのこと、書かせていただきますね。
 
きよしさんは、オープニングの「虹色のバイヨン」から、力みなぎっていて、その笑顔はまぶしいほどでした。
歌えることの幸せをかみ締めながら歌っているように感じられたのです。
きよしさんはいつだってステキなことは言うまでもありませんが、それにしても歌っているきよしさんのあのまぶしさは一体どう表現したらよいのでしょう。
まばたきもせずきよしさんを見つめていたいという思いを抱きながらも、時々まぶしすぎて思わず目を細めてしまうことがある私です。
「虹色のバイヨン」、「ときめきのルンバ」、「上海帰りのリル」、そして「コーヒー・ルンバ」とオープニングはリズム歌謡が続きますが、歌うほどに、きよしさんご自身が身も心も音楽に浸っている様子が伝わってくるのでした。
そして私たちのときめきや感動といった思いのすべてを掬い取り、それらを身にまとうかのように受け止め、その歌声に乗せ、この世ならぬ美しいものへと昇華してくださる...。そんなイメージが私の中にわいたのです。
 
5日の夜の部でも、驚くほどの大きな声で歌いきられた、きよしさんは、おそらく両日昼の部でも同様に思い切り歌われたことでしょうから、お疲れがないはずはないかと思っていたのです。
でもそんなことを思わせたり、心配させるような隙はまったくなく、それどころか聴いているこちらが、圧倒されそうになるほどエネルギッシュに歌ってくださったのでした。  
衣装チェンジをされ、「東京五輪音頭」を歌われると、きよしさんの晴れやかな歌声に場内がぱあっと明るさをましたかのように感じられたのですが、一転して「黒百合の歌」。
きよしさんが闇の中にいても、尚燃え盛る恋の炎に包まれながら歌っていて、動くたびに漆黒の影が付きまとう...。そんな映像が浮かんできました。
聴いていてゾクゾクして気が遠くなりそうなほどの絶唱だったのです。 
刹那をそこまで見事に歌い上げた、きよしさんにも、それを聴いていた私たちにも、そこにあったのは”今”という瞬間だったのだと思います。
この日のコンサートのトークで、
”今のこの瞬間も1秒、2秒、3秒...と、またたく間に過去になっていきます。一刻、一刻、一瞬、一瞬を大切に生きていきたいです”
とお話しされていましたが、きよしさんはまさにそのことを歌で私たちに教えてくださったのでしょう。
 
きよしさん、しきりに
”ありがとうございます。すみません。気をつかわないでください”
とおっしゃり、ぺこりと頭を下げられていましたが、気をつかってなんかいないのです。
そういう意味ではいつもリラックスさせていただいていますものね。
そうではなく、この日はどうしてよいのかわからないほどの感動が胸にわいてきて、拍手をしていなければどうにかなってしまいそうだったのです。
そして、その鳴り止まないどころかどんどん大きくなる拍手に、ああ、皆、同じ思いを抱いているんだなと嬉しくなって、またまた大きな拍手になってしまったのではないかと思います。
その証拠に、西寄さんが、
”皆さんのあまりにも情熱的な声援に、どこでわって入っていいのか躊躇してしまいました(笑)”
とおっしゃっていました。
 
きよしさん、”僕、皆さんの愛を感じて歌っています。心は伝わりますね。僕が皆さんを守りますから”
大きな歓声と拍手に、何ともいえない幸せそうなお顔をされた、きよしさん、力を込めて、その瞬間は真剣な面持ちで、ようやく静まった客席に向かって、そうおっしゃってくださったのでした。
そして「今夜も片想い」です。サッとその世界の主人公に早変わりされて、歌ってくださったのですが、下手で1番を歌って、上手に移動される時のスキップが何と軽やかだったことでしょう!
抑えても抑えきれない、きよしさんの嬉しさを感じて、嬉しくそして愛しく感じたのです。
 
そして、「情熱のマリアッチ」のオリコンシングルチャート・初登場第2位と、演歌 ・歌謡ソロ歌手によるシングル総合TOP10獲得作品数で歴代1位 になられたことを祝して、この日は西寄さんの音頭で皆で”万歳!”をしたのです。
きよしさんは、舞台前方ギリギリまで前に出られて、客席のあちこちに向かって、拍手をされて
「皆さん、おめでとうございます」
とおっしゃり、わきあがった”きよしコール”に合わせて、きよしさんは
”皆さん、皆さん”とコールしてくださったのでした。
さらに
「皆さんに声援や拍手をいただくと元気が出てきます。がんばれるんですよ」
と何度もおっしゃっていました。
   
「情熱のマリアッチ」に込められた思いを、ご自身の言葉でお話ししてくださいました。
1ヶ月前の9月6日に34歳になって、34年間生きてこられたこと、今生きていることのありがたさ感じ、ご両親にもあらためて深く感謝されたのだそうです。
そして、
”僕は両親に愛されて育ちましたが、この世の中には、両親のいない方、いらしても愛されずに育った方もいらっしゃると思います。僕は、その方たちの思いも受けとめられる存在、できることなら親代わりのような存在になれたらという思いも抱いて歌っているんです。
そういうつもりというか。そういう思いがあるんですよ”
そんなふうに話してくださったかと思います。
”あなたのすべて、包んであげる”という「情熱のマリアッチ」の主人公と重なる、きよしさんの熱い思いに、じんときてしまいました。
 
歌うほどに聴くほどにヒートアップさせられる「情熱のマリアッチ」、最高ですね。アンコールで歌う時には、時にポップス調になることもあって、そんなきよしさんの歌唱も魅力的だなあと思うのです。
今、こうしてこの記事を書いていても、この日に聴いたきよしさんの1曲、1曲は、まるで映画のように一瞬一瞬がひとコマひとコマになって思い出されて、手が止まってしまいます(笑)。
忘れ難い素晴らしいコンサートでした。カップリング曲の「浮雲道中」と「冬の月」の魅力もあらためて記事に書きたいと思います。
 
きよしさん、最後にマイクを使わずに
”ありがとうございました!” と、言ってくださいました。
その声、そしてお心がどーんと私の心にも届いたのでした。
 
「教えてきよし君」でお話しされたご両親のことなど、まだまだお伝えしたいことがありますので、また今夜記事を書く予定です。
あわただしくてごめんなさい。
またお会いしましょう。