昼の部が5時5分頃に終わったので、夜の部の開場時間(5時30分)まで、30分を切っていました。
それで私はすぐ近くの街のケーキ屋さんでお茶をしながら、ひと休みして開演時間の10分前に会場前に行ってみたのですが、思ったより順調に入場の列が流れていました。
昼の部のご報告に書き忘れたのですが、立ち見が出ていました。夜の部も立見席に多くの方がいらっしゃいました。きよしさんは、立見席の方へも感謝の気持ちを込めて視線を送られていました。
 
 
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              【会場への階段です】
 
さていよいよ夜の部のスタートです。
きよしさんは、ほとんど休む間もなく、再びステージに立たれたわけですが、オープニングの「虹色のバイヨン」から、どこにあれほどのパワーがあるのだろう? と思うほどに熱烈な歌声だったのです。
そして、夜の部でもあらためて被災された方たちへのお見舞いの言葉をおっしゃいました。
すると、私と同じ列に座っておられる方がサッと立たれて、
きよしさんに向かって”ありがとうございます”と深々とお辞儀をされたのでした。
客席が真っ暗な時のことでしたので、きよしさんにはその方の姿は見えていらっしゃらなかったと思いますが、私はその姿に胸が熱くなりました。
その方は津波で家が流されてしまったのだそうです。
でもきよしさんの歌を支えにご家族とこの日までがんばってこられたとお隣の方にお話しされているのが聞こえてきました。
つながっているんだ。きよしさんとこの方のお心は、どんなことがあっても変わらずつながっているんだ。
そう思うと、私が今度はその方に頭を下げたい気持ちになったのです。昨日の会場にはそのような思いの方が多々おられたのだろうと想像します。
 
きよしさんはお見舞いの言葉をおっしゃられた後、
それでは言い足りない思いがあふれてしまったのでしょうか。
「あなたがいるから歌います。
あなたがいたから歌ってきたんです。
あなたのために歌います」
ひと言ひと言力をこめてゆっくりと、おっしゃったのです。
 
きよしさんが、悩みに悩み、水木先生、水森先生、スタッフの皆さんと相談されて、”氷川きよしに何ができるのだろう?” そんな歌手としての原点、人としての原点に立ち返るような思いの中から生まれたのが、「情熱のマリアッチ」だったのだそうです。
「どうしてもそんな自分の思いを込めていただきたいと、先生方に伝えさせていただきました。すべてを包み込むということは、喜びだけではなく、苦しみや悲しみをも包み込むということですが、それができるには、自分自身も苦しんだり悲しんだりしていなければできないと思います。
僕はこの主人公のように大きな器の人間になりたいです」
そうおっしゃられたかと思います。
「情熱のマリアッチ」は、今現在の”氷川きよしの魂の叫び”でもあるのですね。
私の人生においても忘れられない一曲「情熱のマリアッチ」に、きよしさんのおかげで出会えた幸せ、そしてありがたさを感じたのでした。
 
「あの娘と野菊と渡し舟」を歌い終えたところでだったでしょうか。
「年相応の自分にしか歌えない歌を歌っていきたいですね」
そんなふうにおっしゃってから
「僕も皆さんと同じです。苦しいことも悲しいこともあります。でも苦しみや悲しみばかりが続くわけではありません。必ず嬉しいことや楽しいこともまたあります。
皆さん自身が、それぞれの人生の素晴らしい主人公だと思うんです。僕は歌でそんな皆さんの応援をさせていただいているのだと思っています。
そう思ってもいいですか? 思わせていただくのは勝手ですもんね」
きよしさん、何だか遠慮がちにそうおっしゃられたのです。
そして、
「今のこの思いを表す歌があったらいいですね。うん!」
とおっしゃり、即興でオリジナル曲(笑)を披露してくださったのでした(喜!)
「♪明日に向かって生きていく 明日に向かって生きていく...」(作詩&作曲氷川きよし)
と、このような歌だったでしょうか? 西寄さんが
「すごいですね。今、お作りになったんですか?」
とお聞きになると、
「はい、でも一回歌ったら忘れますけどね(笑)」
とお茶目なきよしさんでした。
そして客席のあちこちの方と言葉を交わされていた時に、キャンペーンの時から応援してくださっていた当時中学生だった方を客席に見つけられ、お声をかけられたのでした。今は幼稚園の先生になっていらっしゃり、立派な社会人です。でも変わらずこうしてコンサートにいらしてくださるのです。
きよしさん、”12年の歳月を感じますね”とおっしゃっていました。
そして、
「僕、ファンの方のお顔を覚えるのだけは得意なんですよ」
嬉しそうにおっしゃっていました。
 
「教えてきよし君」のコーナーでは、宮古市からいらした方のメッセージが読まれました。
そうです。昼の部もそうだったのですが、質問だったのかメッセージだったのか、その後のやりとりが心に残って、記憶があいまいでごめんなさい。あとで思い出すことがありましたら加筆・修正しますね。
そういえば昼の部では気仙沼からいらした方がおられると気仙沼ちゃんの話題をされ、”気仙沼ちゃん”と呼ばれる萩本欽一さんの真似をしてくださっていました(笑)。
「氷川が皆さんによろしくと言っていたとくれぐれもよろしくお伝えください。東京でテレビに出る時にも、必ず皆さんのこと思いますからって。お願いします」
宮古市からいらした方にそうおっしゃって頭を下げられていました。
 
ラストトークの時でした。
「申し訳ありません。風邪をひいてしまって。お聞き苦しかったのではありませんか」
会場から、”良かったー”という大きな声援が起こっていました。きよしさん、少し照れくさそうに
「えっ、かえって聞きやすかったですか?」
なんてわざとおっしゃられたので、ラスト一曲とアンコールを残すここまで、みごとに歌い切れたという余裕が感じられたのです。
途中何度か、「最後まできっちり歌い切りますよ!」というようなことをおっしゃっていたので、そうやって言葉に出して言うことで、ご自身を鼓舞されているんだろうなあと感じてはいたのです。
 
「氷川きよしががんばっているんだから、私もがんばろうと思っていただけたらと思って歌っています。氷川でもできるんだから、できないはずはないと思っていただいても。僕なんか、どう思われたっていいんですよ。とにかく皆さんが元気を出してくだされば、僕はそれでいいんです。
皆さんが元気になってくださることの方が僕なんかのことよりも大事なんですよ」
さらに
「僕は大丈夫です。無敵ですから」
そうおっしゃいました。
かつて体調を崩され、回復された時の会見でもおっしゃったことがあったかと思います。
私はこれまで、きよしさんが”無敵”とおっしゃるのが好きではありませんでした。
そんなふうに言ってほしくない。思ってほしくない。
ずっとそう思ってきたのです。
でもこの日、きよしさんが実際におっしゃるのを聞いて、これまでの気持ちをあらためたいと思ったのです。
本当はもっともっと早くきよしさんのお心に気付くべきだったのです。
”僕は無敵ではないですが、氷川きよしは無敵です。なぜなら氷川きよしは皆さんのためならどんなことでもできるんです。無敵にさえなれるんです”
そういう意味だったのですね。
涙がこぼれました。きよしさんの深い思いをわからない、浅はかな私でした。
夜の部の最初で、”あなたのために歌いたい”とおっしゃったきよしさんの言葉が思い出されました。
 
きよしさん、ラストトークで、堰を切ったかのようにお話しされたのです。思いに言葉が追いつかないようでした。
ううっと言葉につまられて、一言二言、言葉をおっしゃられて、でも
「ええと、ええと、うーん。何て言ったらいいんだろう、わからない、本当に何て言ったら!」
そして
「ここ(胸を押さえて)を伝えたい!」
叫ぶように、そうおっしゃったのでした。
きよしさんの心の奥からぽろんと飛び出してきたその言葉は、どんな言葉にも勝る混ざり気のない、きよしさんの心のかけらそのもののように感じられたのです。
そんな大切なものをファンのためにくださったことに、皆、感動して、いっそう大きな拍手が巻き起こったのでした。
アンコールでは「情熱のマリアッチ」を再び歌ってくださり、「きよしのズンドコ節」まで、みごとに歌い切られたのです。
 
すぐには被災地を訪れることがかないませんでしたが、半年を経て「情熱のマリアッチ」という、氷川きよしならではの宝物を携えて、この日、震災後、初めて東北の地を訪れ、被災された皆さんにお会いすることができたのです。万感の思いを抱かれていたのだと思います。昼の部のアンコールでの「情熱のマリアッチ」の歌唱を忘れることはできません。
私も人生の岐路に立った時、そして一人ぼっちになってしまったと孤独に苛まれた時、あのきよしさんの姿を、そして歌唱を思い出したいと心に深く刻みました。
 
そしてきよしさんは、
”やっとお会いできた”という嬉しさと同時に、皆さんから被災地の様子をうかがって、尚ご自身の使命を再確認されたかのようでした。
 
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              【併設されているホテル棟です。夕闇迫るロマンチックな時間です】
 
さて、皆さま、ここでご報告のすべてが終わったとしたら、それにしてもきよしさん、大丈夫とはおっしゃっても...。 心配に思われる方もおられたのではないかなと思います。
 
でも、先に書かせていただいたように、新幹線に乗っておられたきよしさんは、さわやかに晴れやかに微笑んでいらっしゃいました。
 
きよしさんは今日27日にラジオ出演。明日28日は秋田でのコンサート、30日はキャラバン隊として被災地にいらっしゃるのですね。日本を世界をこの地球を太陽以上にまぶしく燃えて、照らしてくださることでしょう。
(実はコンサートの昼の部で、どこにいらっしゃるのかおっしゃっていたのですが、多分シークレットなことを正直なきよしさんがうっかり言ってしまわれたのではと思われましたので、ここに書くのは控えます。ごめんなさい)
 
私も元気で今日、このブログを書き終えた後は、仕事がんばっています。
とはいえもちろん今日のラジオも聞きますし、「情熱のマリアッチ」ひたすら聴いています。
「情熱のマリアッチ」、尚いっそう心をこめて応援しましょう!
そしてまた元気でお会いしましょう。