ファンクラブ限定コンサート、28日・夜の部に参加してきました。
雨が激しく降っていて、冬のような寒さで、手袋をされている方もちらほら見かけるほどでしたが、コンサート会場は熱気のせいか暖かく真夏のようでした(笑)。
きよしさんはパワー全開です。自分の持てるものをすべてすべて今この一瞬に出し尽くす! という気迫さえ感じられました。
”僕の歌の一節一節が僕、氷川きよしであり、そしてその氷川きよしはファンの皆さんと一緒に作り上げてきたもの。だから、今日、感謝の気持ちをこめて今現在の氷川きよしのすべてを皆さんに精一杯届けます”
きよしさんが実際にそうおっしゃったわけではないのですが、私はきよしさんの歌声にそんなメッセージを感じ取ったのでした。
曲目、構成は1日目夜と変わることはありませんでしたが、3公演を終え、多くのファンの方に会い、そして何よりご自身でも快心の歌唱を届けることができてほっとされたのでしょうか、いろいろなことをお話ししてくださいました。
今回は西寄さんとのトークの時に、きよしさんが客席に向かって「皆さん、僕の胸に飛び込んできてください!」とおっしゃたものですから、大歓声となりました。そしてその反応を見てとって「俺の胸に飛び込んでこい!」と力強く男気たっぷりにおっしゃってくださると、お隣にいらした西寄さんが「ではまず私が」と、きよしさんの胸に飛び込む仕草をされたので、またまた笑いも混じった歓声がわきおこりました(笑)。
質問コーナーではご飯はかためとやわらかめのどちらが好みかと聞かれて、やわらかめと答えられていました。圧力釜で炊くそうで、先日もスタッフの皆さんに炊き込みご飯をふるまわれたそうです。
それから、きよしさんにはお気に入り文房具はありますか? という質問もありました。
きよしさんは筆ペンを愛用されているそうで、今年のファンクラブの暑中見舞いハガキも筆ペンで書かれたそうです。
先日もガトーフェスタハラダのラスクをくださった方に、筆ペンでお礼状を書かれたそうです。メッセージを書き、最後に本名の清志の刻印を押されるそうです。
先日もガトーフェスタハラダのラスクをくださった方に、筆ペンでお礼状を書かれたそうです。メッセージを書き、最後に本名の清志の刻印を押されるそうです。
ガトーフェスタハラダHP
そして初月給で買ったものは?という問いに
「はっきり覚えています」
とおっしゃり、東京に上京された時のエピソードを話してくださいました。
私はそのエピソードを聞いて、きよしさんがなぜこれほど皆に愛され、そしてスターになられたのかわかったように思いました。
電子レンジが欲しいなあと思った時、きよしさんのお財布には5万円が入っていましたが、その5万円は1ヶ月間の生活費。でも男性の一人暮らしですし、どうしても電子レンジが欲しいと思われたのだそうです。それで幡ヶ谷にある電気屋さんで、いくらくらいするものなのかなあと電子レンジを見たのですが高くてとても買えるものではなかったそうです。それで、きよしさんは思い切って、その電気屋さんのおかみさんに「福岡から上京してきたばかりで電子レンジが欲しいのですけど、今は買えるお金がなくて。こういう場合はやっぱりカードとか作ったらいいんですかね」
と聞いてみたそうです。
すると、おかみさんが実際にきよしさんの実家に電話をしてくれて、きよしさんのおっしゃっていることが本当のことだと確かめることができると、カードなどは作らずに月賦払いにしてくださったそうです。
「なんか、生々しい話になっちゃって」
と、きよしさんは恐縮されていましたが、幡ヶ谷の商店街はたしかに古きよき時代の雰囲気も残してはいますが、きよしさんが上京された14年ほど前に、そのように親身になってくださった電気屋さんがあったなんて、東京で生まれて育った私でさえ、本当に驚きました。
きよしさんの、決して背伸びをせずに、相手に思いをきちん伝えるという姿勢は、歌手・氷川きよしになってからもまったく変わることはないと感じて、とてもとても感動したのです。
曲目詳細は昨日の記事に書いてあるのでここではふれませんが、前半で新曲3曲と、ニューアルバムに収録されているオリジナル曲2曲を披露され、質問コーナーで和気藹々とした時間を過ごした後、「氷川きよし 股旅演歌・時代物演歌十一番勝負」と題して、間に衣装変えを一度はさんだだけで一気に11曲を歌い上げるという構成は、きよしさん自身の”歌ひとすじ”という思い、こだわりを反映させたものではないかと感じました。
何より股旅姿で「箱根八里の半次郎」をフルコーラス歌われて、その変わらない爽やかさ、清新さ、そして深まる味わいに深い感動を覚えました。
私は何て素晴らしい方のファンになり、そして一緒にこうして付いてこさせていただけて、どれほど幸せなのでしょう。きよしさんはどこまでも高みを目指して終わりのない歌の道を進んでいらっしゃいますが、そんなきよしさんにファンとして付いていかせていただくことができるなんて、本当に伝説になるであろう氷川きよしの人生に居合わさせていただき、共にその伝説を生きるということなんだなあと胸がいっぱいになったのです。
きよしさんは、そんなファンの気持ちに気付いてくださったのでしょうか、きよしさんの方から
「僕はファンの皆さんがいらっしゃらなければ生きていけません」
これまでの応援へのお礼をおっしゃった後でしょうか、そんなふうにおっしゃったのです。何だかじんときてしまいました。会場も一瞬しんとしたのではないかと思います。何だか言葉が出てこなかったのです。
すると西寄さんが、
「ファンの皆さまも、きよし君(たしかきよし君と言っておられたと思います)がいなければ生きていけないと思っていらっしゃいますよ」
とファンの気持ちを代弁してくださいました。嬉しかったです。拍手がおこったかたと思います。
「昭和の名曲は日本の国宝だと思います。」そんなふうに両日ともおっしゃっていました。そしてだからこそ自分が誠実に真剣に歌って、その素晴らしさを伝えていきたいというような思いを語られました。
その時、西寄さんがとても美しい言葉をおっしゃったのです。
「そんな素晴らしい歌に命を吹き込むのはわれらが氷川きよしです。そしてその日本の宝を氷川きよしが後世に歌い継いで伝えていくのです」
歌に命を吹き込む――。本当に素晴らしいことですね。
以前、藤田まことさんがフランク永井さんを偲ぶ番組で、”これまでフランクさんの歌を大事に歌ってきたけれども、自分がいなくなっても心配いらない。また誰かが必ず歌い継いでいってくれるよ”とおっしゃっていたことが思い出されたのでした。
そして「月太郎笠」のあまりに魅惑的な歌唱に惹き込まれ我を忘れてぼうっとしてしまいました。素晴らしい歌声です。個人的に大好きな「花の渡り鳥」も冴え渡っていました。きよしさんの前には遠いけれども美しい山の頂がはっきりと見えていたのでしょうか。きよしさんの魂もそしてその歌声も澄み渡っているように感じられたのです。
「浪曲一代」まで11曲。
デビュー11年にかけて11曲、11番勝負ということでしたが、今回のコンサートできよしさんご自身がおっしゃった「歌ひとすじ」という言葉そのもののような、直球ど真ん中勝負の11番勝負だったと思います。
私がとても印象に残っているのは「番場の忠太郎」を歌う時のことです。イントロが流れて拍子木が打ち鳴らされたような音が入る箇所で毎回「氷川!」とかけ声が入りますが、昨夜、その箇所で
「氷川!」
とかけ声がかかりましたが、そのかけ声は一瞬のうちにひとつになってまるで礫のようにきよしさんの胸にぶつかったように思えたのです。というのもきよしさんが、その瞬間、かけ声にハッとされ、まるで雷に打たれたかのようにほんの一瞬居住まいを正されたように見えたからです。
その辺りからでしょうか、きよしさんが、時折、まぶしそうに客席を見つめられているように感じたのです。
もちろんとても満足そうな様子ではあるのですが、いつもとは少し違う表情に感じたので気になっていました。
もしかしたら照明がそんなにまぶしいのかしら? とも思っていたのですが、何度かそんなきよしさんの様子を見つめていたら、きよしさんがとても満足され、満席の客席の笑顔や拍手、かけ声に胸がいっぱいになって、ただただありがたいという思いでそんなふうにまぶしそうに客席を見つめておられるのではないかと感じたのです。
もちろん本当の気持ちはきよしさんにしかわからないことです。でも私たちもあまりに嬉しくなったり、うっとりすると、まぶしそうにきよしさんを見つめてしまうことありますよね。そんな気持ちをきよしさんがファンに抱いてくださっていたのではないかしら? 思い込みかもしれませんが私はそんなふうに感じて嬉しさが増したのでした。
きよしさんは、もし東京に上京せずに福岡にいたら今頃自分はどうしていただろう?と考えることがあるそうです。
カラオケ教室の先生になっていただろうか? もう結婚していただろうか?
カラオケ教室の先生になっていただろうか? もう結婚していただろうか?
「あれこれ考えてはみますが想像もつきません」
そうおっしゃって微笑まれました。あまりにも劇的な人生を歩むことになった、きよしさんの一人の人間としての素顔を垣間見たようで感動しました。
そうおっしゃって微笑まれました。あまりにも劇的な人生を歩むことになった、きよしさんの一人の人間としての素顔を垣間見たようで感動しました。
”2日間、4公演の最後ということで、生声で挨拶をします”
と、お礼の言葉をあらためておっしゃっているうちに、どんどん涙声になって、話そうとすればするほど、声が出なくなってしまったのでした。どんな言葉をおっしゃったのかはっきり思い出せないのですが、泣き出しそうになるのをこらえて、一生懸命、感謝の気持ちをおっしゃってくださったのでした。
そして
「ありがとうございました!」
きよしさんの生声が、会場いっぱいに響き渡ったのです。
そして深々とお辞儀をされました。
後で舞台下手に移動される時に手の平で涙をふかれていました。
昨年の武道館での「氷川きよし10周年記念コンサート 歌・命」から、1年。より成長した若武者の姿をそこに見ました。
どこまでも澄み切って澱みなく冴え渡る圧倒的な歌声に酔いしれ、これほどの素晴らしい歌手・氷川きよしに出会えた幸福を噛み締めたのです。
27日の記事に書き忘れてのですが、「きよしのズンドコ節」は4番まであり、曲調も現代風なものだったそうです。コンビニに通って、歯ブラシがたまりたまって50本という歌詞は以前、お話ししてくださったことがありましたが、松井先生がせっかく書いてくださった詩なので、いつか世に出したいという思いがあるそうです。
そんな思いを口にされて、拍手が起こると、
「僕がそう思っているだけですよ。また勝手なことを言って怒られちゃいます(笑)」
とおっしゃっていました。いつか聴いてみたいですね。