「NHK歌謡コンサート」、ご覧になりましたか? 私は友人のTさんにお誘いいただいてNHKホールに観覧に行ってきました。
自分では予定がはっきりしなかったので観覧の申込みもしていなかったのに、本当にありがたいことでした。そしてさらに、きよしさんがフランク永井さんの『霧子のタンゴ』を歌って下さると知り、さっそく父からフランクさんのCDを借りて聴き、こんなに難しい曲を、きよしさんはどんなふうに歌われるのかしら?とドキドキしていました。

さてトップバッターはきよしさんで『ときめきのルンバ』でしたね。
事前に、きよしさんがトップバッターと教えていただいていたものですから、会場では本番直前までディレクターさんが宮路オサムさんが歌う『恋は紅いバラ』のかけ声について説明して、皆で練習をし、そのやりとりが愉快なムードでしたので、この幕の向こうでスタンバイしているきよしさんが、そんな楽しい会場の様子に、少しでもリラックスされたらいいなあなんて思っていました。
スルスルと幕が上がると、素敵なきよしさんのブルーのワイドパンツの裾が目に入ってきました。
きよしさん登場です。この瞬間、私は32歳になったきよしさんに初お目見えでしたので、
「きよしさん、32歳、おめでとうございます!」
心の中でまずそうつぶやきました。

そんな気持ちで聴いていたからなのでしょうか? この日『ときめきのルンバ』を歌うきよしさんから、私は心地よい余裕を感じていたのです。それを包容力といったらよいのでしょうか。
『ときめきのルンバ』を「氷川きよし節」での初オンエアの時から、ドキドキ、うっとり、そんな気持ちになって聴いていた私ですが、この日は初めて、そういう気持ちよりも、とても安心できるというか、温かなものが感じられて仕方なかったのです。
もちろん番組をご覧になった皆さんにはおわかりのように、きよしさんの歌声も振り付けも姿もセクシー以外の何者でもなく、胸元などは汗なのかグロスなのか、何だかとても艶めいて、それだけでももうドッキリだったのです。
ところが、そんなセクシーさにうっとり、そしてドキドキしながらも、なぜだか、”よしよし”と頭を撫でられているかのような深い安心感を強く強く感じてしまったのでした。
それは決して私の思い込みではなく、『ときめきのルンバ』をリリースして以来、セールスの輝かしい成績だけではなく、行く先々で出逢った方々からきよしさんが、何かはっきりした手応えを得て、ヒットの予感というか実感というか。それはきよしさんでなければわからない、あるいはきよしさんだからこそ感じる手応えなのだと思うのですけれども、そういうものを感じてその嬉しさと自信、そして32歳になったのだという自覚。きっとそんな今のきよしさんの心が生み出した包容力なのではないかと、一夜明けて考えている私です。

私はそんなきよしさんのおかげで、オープニングからとても幸せな気持ちになっていました。
さて、そして、『霧子のタンゴ』はいかがでしたか? 見事なほどにきよしさんらしく熱唱されましたね。
1番の「♪好きだから とても とても とても」
3番の「♪愛してる いまも いまも いまも」
歌い出しのこのフレーズ、言葉を3回重ねて、これもまさにタンゴなのですが、きよしさんの歌い方、素敵でしたね。言葉を重ねるというより、まったくそれぞれが異なった響きになっていて、陰影に富んだ音色を聴かせて下さって、私は本当にうっとり聴き入りました。  
もちろん、情熱的に歌い上げるサビの部分も素敵でしたけど、私は、この歌い出しのワンフレーズに、先日の「きよしとこの夜」での『風になりたい』のきよしさんの歌唱にも通じるものを感じていました。きよしさんの深まる歌唱力には本当に果てがありませんね。
そして3番の歌詞の「♪愛してる 死ぬほど愛してる」そして「♪幸福(しあわせ)に霧子」のリフレイン。きよしさんらしい情熱と誠実さがにじみ出ていて、ああ、今、この曲をこんなに魅力的に歌える歌手は、氷川きよしをおいて他にいないなあと感動に胸がジワッと熱くなるのを感じていました。

歌う直前はきよしさん、ボックスシートに美川憲一さんと並んで座られていましたが、とても緊張していらっしゃる様子が見て取れました。テレビからも緊張の面持ちのきよしさんの様子が伝わったのではないかと思いますが、千昌夫さんが『星影のワルツ』を歌い終わる頃にはかなり緊張している様子でした。
私は『霧子のタンゴ』は難曲だと思っていました。フランク永井さんの歌、それもとりわけ吉田正さんの作られた曲は歌いやすいメロディーラインのものが多いと思うのですが、そういう曲こそ、自分なりのオリジナリティーを盛り込んで、自分のものとして表現することは至難の技なのではないでしょうか。 ましてやフランク永井さんのヒット曲なのですから。
でも『霧子のタンゴ』を歌い出す瞬間、きよしさんはいつになく大きく息を吸い込んだように見えたのですが、そんなきよしさんの姿に『霧子のタンゴ』という曲、そしてフランク永井さんに対する敬意を感じて、その瞬間、私も心を真っ白にして、きよしさんの歌声に聴き入りました。
そして『霧子のタンゴ』を見事に歌いあげて、微笑んだきよしさんの様子に、またいっそう幸せな気持ちになったのでした。
終演後には場内に大きく投げキッスをして下さいました。『ときめきのルンバ』の場内のかけ声も素晴らしかったので、それはきよしさんからファンへの最高の返礼だと感じました。

そして番組終了後には3名の出演者の方からの歌のプレゼントがありました。
美川憲一さん、伍代夏子さん、そしてきよしさんでした。きよしさんは和服姿で登場されましたので、『浪曲一代』を歌って下さるのだとすぐわかりましたが、小田切アナウンサーが、「32歳になられたんですね。皆さんでお祝いしましょう」と言って下さったので、『HAPPY BAIRTHDAY』の大合唱となりました。こんなふうにお祝いさせていただけると思っていなかったので、小田切アナウンサーのお心遣いにありがたさでいっぱいになりました。
そして『ときめきのルンバ』の快挙を讃えて下さる小田切さんに、きよしさん、とても恐縮されて、
”ファンの皆さんが起こして下さった奇跡です”と嬉しそうにおっしゃって下さいましたが、今回の『ときめきのルンバ』を例に、新曲を世に送り出すためのご苦労をお話しして下さいました。半年前にはもう新曲の準備をしていて、練りに練って、そして
「闘って、闘って、ようやく生み出すことができたんです」と昨夜は”闘って”という言葉を使っていらっしゃったのが印象的でした。
そんなきよしさんが歌って下さった『浪曲一代』からは、きよしさんの真心が感じられました。ラストはそのまま幕を降ろすので、きよしさんと小田切アナウンサーが一緒に舞台中央後方に下がって、「皆さん、明日もお元気で、お気をつけてお帰り下さい」と手を振って下さっているのですが、昨日は照明を落とすのが15秒ほど早すぎました。まだきよしさんが手を振っていらっしゃって、お顔が見えているうちに舞台が真っ暗になってしまったので、シルエットだけになって、そして幕が降りました。まさに台本のないアトラクションならではですが、愉快な気持ちになって思わず笑ってしまいました。

テレビに映らなかったきよしさんの様子で印象的だったのは、兵庫ケンイチさんが『わすれない~約束』を歌う前に、トラックに乗ってキャンペーンをした思い出話をされている時に、そのお話を聞いているきよしさの様子です。まるでその情景を思い浮かべて聞き入っている様子で、そんなきよしさんに感心してしまいました。
よく優れた俳優さんというのは、受けの演技も素晴らしく、相手役の方が語っているその時に、画像は語っている方でなく、聞いている方の俳優さんを映しても画になるものなのですが、昨夜のきよしさんを見ていて、そんなことをふと連想していました。ここで私がいうまでもないことではありますが、きよしさんの感受性の素晴らしさは並外れているのですね。

そして、皆さんが舞台下手袖に戻られる時のこと、ボックスシートに座っている順番では中村美律子さんが一番上手側でしたが、少し高さがあるので、順番に段を降りながら、下手袖に戻っていらっしゃったのですが、きよしさんの番になったら、きよしさんくるりと脇にそれて、中村さんの少し後ろにまわって、中村さんの手を取られて、エスコートするように一緒に階段を降りる姿が見えました。
皆さんもそんなきよしさんの様子を目にされたことがあると思うのですが、
相変わらず、何だか「僕なんかがエスコートしていいですかね? 余計ですかね? お節介ですかね?」
とそんな様子に見えました。
歌手として名実ともにトップスターとなっても、台本がなければそんなふうに遠慮がちで控え目な一青年に戻ってしまう、そんなきよしさんの様子に、やっぱり感動してしまったのでした。

最近の私は仕事でも新しい本の企画を練っていて、仕上がらず少し思考が煮詰まり気味ということと、もしかしたら、そのせいなのかもしれませんがぜひ書きたいと思っている記事について、書き方を迷っていることがあって、そのため記事の更新自体が滞りがちになってしまっています。申し訳ありません。
でも今回は、きよしさんの熱唱と、そして観覧をお誘い下さったTさんに深く深く感謝しつつ、久々に少し長い記事を書いてみました。

ところで昨夜は私も用事があり、お誘い下さったTさんもお仕事が終わってからNHKホールにいらっしゃるので、6時にNHKホール近くで待ち合わせをしていましたので、開場を待つ長い列の最後尾にようやく並んだのは6時20分頃でしたでしょうか。
「マルルさん、3階席になったらごめんなさい」
「いいえ、私も早めに来ることは無理だったので、もし早めに並ばれるなら、ご一緒させていただくことができなかったんです。大丈夫ですよ。ちゃんと双眼鏡を持ってきましたから」
入場間際にそんなやりとりをしました。
そしてTさんが座席指定券を引き換えて、
「やったわ! 1階席よ」と私に座席指定券を見せて下さいました。
その座席券を見て、今度は私が
「えっ!C4列じゃないですか」と声をあげてしまいました。
最近、早く並んでも2階席、3階席になることもあり、以前よりいっそう並ぶ順番は関係なくなっているらしいと聞いてはいましたが、びっくりしました。サプライズな嬉しさでした。

きよしさんの人気が高まるにつれてコンサートや番組観覧、イベント等の競争率はアップしてしまいますが、すべてはきよしさんゆえの一喜一憂と思えばみな素敵な思い出なのだと思えます。

さて、明日は静岡の昼の部に行ってきます。
そして本の仕事もようやく良いアイディアが浮かんできましたのでがんばりますし、武道館コンサートのの曲目アンケートも準備しています。その際はぜひご参加よろしくお願いします。
そしてこのブログの本来の目的も1年経ってしまいましたが、形にできそうです。
待っていて下さる皆様、ありがとうございます。もう少しだと思います。どうかよろしくお願いします。