「いつか きよしさんに」 
と、皆さん、いろいろな夢をきよしさんに抱いていらっしゃると思いますが、私はずっときよしさんには、いつか「アコースティックの夕べ」を実現させてほしいなあと勝手ながら夢見ています。

そんなことをなぜあらためて考えたかといいますと、24日の日に島唄を聴く夕べに参加したからなのです。新宿の伊勢丹百貨店で27日まで「めんそーれー 大沖縄店展」を開催していて、屋上では”オリオンビアフェスト”が企画され、沖縄のミュージシャンの方たちが多数出演されます。この企画は知る人ぞ知る夏の人気イベントで、一昨年は夏川りみさんも出演されていました。
私が参加したのは、そのイベント関連で、伊勢丹内にある中国料理の南国酒家で、沖縄食材を使ったお料理と泡盛を楽しみながら、島唄を聴くという50人ほどの会でした。神谷千尋さん、よなは徹さんのお二方による二部構成でしたが、私は島唄の響きに癒され、タイプの違う二人の歌声のエネルギーを体感していました。

会場には”泡盛の女王”もいらしていて、沖縄の話題など気さくにお話しされて泡盛を薦めてくださいました。国仲涼子さんに似ている美しい方ですが、お話しすると素朴で、沖縄の空気が感じられました。
おいしい泡盛にすっかり酔いつつ、帰りの車の中で、今日のようなクローズされた会場できよしさんの歌を聴くことは、かなわないかもしれないけれども、きよしさんがア・カペラとギターやピアノ、バイオリンや三味線など、単体の楽器の伴奏だけで、全曲を歌うという「アコースティックの夕べ」を、いつか聴きたいなあ。そんな以前から抱いていた思いがむくむくわいてきました。

きよしさんの声は本当に魅力的なので、HKピュアリバーの皆さんの演奏は素晴らしいのですが、あえて時にはア・カペラ、あるいは単独楽器による伴奏できよしさんの歌を聴いてみたいと望んでしまうのです。
コンサートでは、一部分ですがきよしさん、よくア・カペラで歌って下さいますね。私はそんな時、最高に幸せな気持ちになるのです。

最近のきよしさんのア・カペラといえば8周年記念コンサートのオープニングの「あばよ」、そしてギター伴奏といえば今年2月に放送された「きよしとこの夜」で、石川鷹彦さんのギター伴奏できよしさんが歌った「時の流れに身をまかせ」が心に残りますが、私が”きよしさんのア・カペラ”といって思い出すのは、2007年に新宿コマ劇場で開催された「きよしの一心太助」の公演でのことです。

きよしさんがデビュー時のキャンペーンの思い出を語って下さり(先日、記事に書いた”こぶしの質問”をさせていただいた時とまた別の日のことです)、その後、最近はよく話して下さる”金沢でのキャンペーンの話題”もされました。10人くらいいたお客さんが一人去り、二人去り、.....そして一人になり。誰もいなくなってしまったという、今では多くの方が知るエピソードです。
この時の、当時の様子を思い出しながら言葉を探し探し、お話しされたきよしさんの様子から、”金沢でのキャンペーン”の具体的なお話しや思いを語られたのは、この日が初めてなのではないかと私は感じていたのですが(実際どうなのかは確かめるすべはありませんが)、今日こうやってお話しできる気持ちになるまで、ずっと心のどこかにその時の寂しさ、痛みが残っていたのかなあ。そんな印象を受けました。
その日はキャンペーンの時に歌った曲について話して下さいました。何しろまだ「箱根八里の半次郎」とカップリング曲の「浅草人情」の2曲しか持ち歌がなかったわけですから、最初に「箱根八里の半次郎」、次に「浅草人情」、そしてラストにまた「箱根八里の半次郎」を歌うのですが、それ以外に時間に余裕がある時はもう2曲歌っていらっしゃったのです。
それが鳥羽一郎さんの「兄弟船」と瀬川瑛子さんの「命くれない」で、とりわけ「命くれない」と聞いて会場から「ええーっ!」とどよめきが起こりました。
そうしたら、きよしさん、突然、「命くれない」をア・カペラで歌って下さったのです。
♪生まれる前から結ばれていた そんな気がする紅の糸

きよしさんの歌うその一節で、私の心はふるふるとふるえ出しました。
ひたすら拍手です。
すると、きよしさん、じゃあもうちょっと歌っていい? という感じでさらに
♪だから死ぬまでふたりは一緒 「あなた」「おまえ」夫婦道
と力をこめて歌います。
会場は大喝采です。きよしさん、嬉しそうに

♪命くれない 命くれない
と歌ったところでさすがに
「すみません、このへんでもうやめますね」
そんなふうにおっしゃって、「命くれない」のア・カペラは終了となりましたが、私にとってはこの時初めて聞いた金沢でのキャンペーンでのエピソードと、きよしさんの「命くれない」の迫力に感動して、涙こぼれてしまいました。
この日はきよしさんもエンディングで「箱根八里の半次郎」を歌っていて、泣き出して、しばらく歌えなくなってしまいました。いろいろな思いが過り、ご自身が心の底から感動しての涙だったのだと感じ、また一緒にもらい泣きしました。忘れられない瞬間でした。

またギター伴奏できよしさんが歌って下さったものについては、今ここに1本のカセットテープがあります。2002年8月21日に録音したものです。
この日は先の記事でも話題にさせていただいた「星空の秋子」の発売日でした。
新曲のプロモーションのため、きよしさんが各ラジオ局(4つのラジオ局でした)の番組をジャックするという企画でした。私はその日はちょうど自宅で終日PCに向かって仕事をしている日でしたので、きよしさんが次から次へと放送局を移動しての生放送をワクワクしながら聞いていました。結局、このジャック企画はこの時限りとなってしまいましたが、何だか1日中、きよしさんと一緒にいるようでとても楽しかったのです。

さてそのテープは、あわてて録音して、あとでメモをと思ってそのままになってしまったため今となっては番組名も放送局も不明なのですが、きよしさんが番組の中でHKピュアリバーの山本サトシさんに来ていただいて、ギター伴奏のみでナマ歌を披露して下さっているのです。
当時の放送をお聴きになられた方にはご存知のことになりますが
1曲は「箱根八里の半次郎」なのですが、もう1曲は何だと思われます?
ヒントはポップスできよしさんの好きな曲です。

そうです。ご正解!
チャゲ&飛鳥さんの「SAY YES」(セイ・イエス)でした。

どちらもスローテンポで切々と声高らかに歌う、きよしさんの歌声には魂が揺さぶられました。その声の美しさ、豊かさ、奥深さに、なんと素晴らしい歌手がこの世に現れてくれたのだろう! そんなふうにあらためて氷川きよしさんとの出会いに感謝したのでした。
ちなみに、歌い終わった後、きよしさんは生放送での歌唱披露だったので、緊張でふるえながら歌っていのだとおっしゃっていました。
このラジオ放送を聴いて以来、いつかきよしさんに「氷川きよし アコースティックの夕べ」というようなコンサートを開催していただきたいなあと思い続けています。そして「命くれない」もフルコーラス、いつか歌っていただきたいものです。
一ファンの夢ですが、いつか叶いますように。そしてその際はたとえ末席でも自分もその場にいられますように。素敵な島唄とおいしい泡盛が運んできてくれた沖縄の風を感じながら、あらためてそんなエピソードが思い出され、いつかきよしさんと”アコースティックな夕べ”を。そんな”夢の企画”(あくまで私の中での夢でごめんなさい)への夢もふくらんだのでした。