17日の中野サンプラザでのコンサートの夜の部でのことです。
「番場の忠太郎」を歌った後、きよしさんが、10周年の思い出やこれからの決意を語って下さいますが、この日は股旅モノの勧善懲悪の世界の魅力を語り、それから
「親や故郷への思いを歌っていきたい」と話された後、
「ただそんなふうに素直に思える僕は幸せなんですね。世の中にはいろいろな事情があって、故郷は辛い思い出ばかりだったり、親を好きになれないという方もいらっしゃると思います。でもどんな人もすべて母親から生まれてきているんです。それは一緒なんですよね」
だいたいそのようなことをおっしゃったかと思います。
性善説派の私としては、きよしさんのおっしゃりたいことがわかるように思いました。最近、とても悲しい事件がたくさん起こっていますが、どんな人も生まれた時は何にも染まらず、無垢な状態だったのだと思うのです。きよしさん、ご自身の歌でそのことを思い出してほしいと考えていらっしゃるのではないでしょうか。

そしてその後、きよしさん自身が博多から東京に上京されて、デビューを夢見て過ごした日々。時には深い孤独感にさいなまれたこともあったのだそうです。

「人は一人では本当に生きていけないんですね。僕は多くの方に支えられて生きているのだと皆さんに感謝しています。
僕が東京に出てきた時は、自分がひとりぼっちだと思っていました。
でも僕は、もうひとりぼっちではないんですね。」

きよしさん、そうおっしゃった後、少し逡巡して、
「皆さんだって、そうです。もうひとりぼっちじゃないんですよ」
そして、静かにはっきりと
「僕がいますから」
そう、おっしゃたのです。

私は、きよしさんのその言葉を聞いた瞬間、ぽろぽろ涙がこぼれてしまいました。
きよしさんの表情からは気負いも照れも感じられず、何だか拍子抜けするくらいに淡々とそんな言葉を口にされたのです。だからこそ、その気持ちが私の心にも真っ直ぐに飛び込んできたのでしょうか。
その後きよしさんが「一剣」を歌っている間もまだ涙がとまりませんでした。もうどうしちゃったの私?という感じで、あまりに涙がとまらなくて何だか恥ずかしくなってしまうほどでした。
でもこれは嬉し泣きですから、いいですよね。私にとって忘れられない嬉しい出来事になりました。

そしていまさら言わずとも、そうなのです。これまでもずっとずっときよしさんがいつもいて下さったのですよね。いつも笑顔で出迎えて下さって、真心のこもった歌を歌って下さって。励まして下さって。

”氷川きよしはなぜ愛されるのか”
その答えを見つけられたように思います。


皆さんのおかげで、記事を書き終わってみるとご来訪6万人を超えていました。ありがとうございます。記念に、きよしさんが出演された「レ・ミエンひばり」のことを近々書いてみたいと思います。
不定期更新で好き勝手なことばかり書いているブログですが、どうかこれからも、よろしくお願いいたします。