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映画は週に何本も観ているのですがなかなか記事に書く機会がなく、今日は久々に映画のことを書きたいと思います。

先日、紀里谷和明監督の新作「GOEMON」(公開は2009年5月1日です)を観てきました。
タイトルの”GOEMON”とは石川五右衛門のことで江口洋介さんが演じます。そして共に忍びの修行をした霧隠才蔵を大沢たかおさんが演じるのですが、二人は袂を分かちながら再び相見え、またそれぞれの人生を選択していきます。
前作の「CASSHERN」から5年ぶりの新作なのですが、私は「CASSHERN」同様、この映像世界が気に入りました。戦国時代を舞台にしながら、私たちの抱いているその時代の概念を打ち砕き、建造物、衣裳ひとつをとってみても、時代考証からまったく解き放たれた世界を構築しています(とはいえ安土桃山時代に存在しない素材は用いないというルールはあったそうです)。この映画に登場する大坂城を見たら、それだけで圧倒されてしまうのではないかと思います。この世ならぬ世界、そしてそこで天下統一を目指して争う人々。監督は「一人の男が自由を求めた末、どうしても逃れられない運命と対峙し、自己の本分を全うしようとする物語」と語っています。
ストーリーについて書くのは控えますが、数々の戦闘シーンはあるのですが、そのあまりのスピードに両眼を見開いて観ているというのにそれでもその動きに追いついていけないほどでした。CGカット数2000と後でうかがい納得です。ですが感心するのは江口さん、大沢さんをはじめとする出演者の体温を感じさせる存在感・演技が決してCGに負けていないことだと思いました。

とはいえ、「CASSHERN」を観た方ならおわかりいただけると思うのですが、登場人物は生身の人間でありながらこの世の人ではないような、流れている血の色が異なるかのようなそんな描かれ方をしています。反面ストーリーや台詞はシンプルで、映像に多くを語らせようとしているようにも思います。それはある意味、リアリティとは離れてしまいもするので、その点で非難する人も「CASSHERN」の時は多かったのです。今回もそうかもしれません。でもそれが全体として乱れなく美しいのなら私はいいと思います。
今回は茶々を演じた広末涼子さんの美しさと言ったら。今までで最高なのではないでしょうか。また中村橋之助さんが演じた織田信長も素晴らしかったです。主役の石川五右衛門を演じた江口洋介さんは野生を感じさせる俳優さんだと監督に見込まれたそうですが、テレビでは今度”木枯らし紋次郎”を演じることになったそうですし、江口さん、新境地を開拓されたのではないでしょうか。

さて紀里谷監督といえば前作の「CASSHERN」の時には、できたてほやほや奔放初公開のマスコミ試写を見せていただきました。五反田のイマジカの試写室で上映を待っていると、配給会社の方が「監督が急遽、ご挨拶したいということですので、今しばらくお待ち下さい」と言い、しばらくして、紀里谷監督が、息せき切って試写室にいらっしゃいました。これから上映する「CASSHERN」の編集が午前中に終わって、そのままスタッフと打ち上げをしていたのだそうです。この時はなかなか編集が終わらず、公開まで時間がわずかしかなかったと記憶しています。監督の挨拶の予定はなかったのですが、たまたまスタッフからこれから同じ建物内で第一回のマスコミ試写があると聞いて、どうしても挨拶したいと思い、あわてていらしたということでした。イマジカは大きな建物ですし、試写室からかなり離れた部屋にいらしたようで、必死に走っていらしたのでしょう。肩で息をしながら、「スタッフと大喧嘩にもなり、この映画はもう完成しないのではないかと思ったこともありました。でもようやく完成しました。僕はまた次の映画を必ず作ります。皆さまお力添えをお願いいたします」というようなことを話されました。誠実な映画青年がそのまま大人になったという印象で、”映画が真底好きな方なのだなあ”ととても好感を抱きました。そして「CASSHERN」はいざ公開したら、とりわけ若い人たちに支持されて大ヒットしたのでした。

今回「GOEMON」のマスコミ試写は大盛況で、私が行った回も満席で入れなかった人がたくさんいました。マスコミ試写があれだけ大盛況ということは、すでにかなり話題になっていますし、「GOEMON」、ヒットすることと思います。
紀里谷監督にはますます独自の世界観を追求し、観る者をその揺ぎない世界へ誘ってほしいと願ってやみません。