昨日3月11日、さいたま市文化センターでの氷川きよしさんのコンサート、夜の部に行ってきました。南浦和駅西口を出て徒歩7分。きよしさん、この会場でのコンサートは初めてですが図書館が併設されていて、周辺にはマンションや住宅があり、文教地区といった雰囲気でした。
オープニングは「哀愁の湖」。何だかいつになく心に迫るものを感じ、胸がジーンとしたのですが、次の「きよしのソーラン節」では、きよしさんのあまりのエネルギッシュさに驚嘆しました。もちろん場内はきよしさんの情熱あふれるアクションに歓声がわきあがりました。
さすがに歌い終わった直後にお話を始めたら息があがってしまったのですが、またご自身がそのことに照れながらも息を整えながらさわやかな笑顔でお話され、私はその姿にすっかり魅了されてしまいました。
この日はきよしさんご自身が12日に「きよしとこの夜」が最終回を迎えることについて語られました。ご自身がホストなので、グッチさんとベッキーさんに最後にインタビューしなければならないのに、グッチさんにうかがおうとして、途中で涙声になって泣いてしまったそうです。番組ではいろいろなことにチャレンジさせていただきましたが、うまくできないと悩んだことも当初はあったそうです。スタッフの皆さんやグッチさん、ベッキーさんとお別れの挨拶をしていたら、またさみしくなってしまったというようなことをいろいろなことを思い出されたのでしょう。思いをポツポツと語られ、そしてこんな言葉で思いを語られました。
「皆さんとは他のお仕事でまたお会いできるんですけれども、それでもさみしくなってしまいました。番組が終わるのはさみしいですけれども、卒業ということなんですね。そう思いました」(記憶を頼りに書いているのできよしさんの言葉どおりではないのですが、おおむねこのようなことをおっしゃったかと思います)と。

そうですね。「きよしとこの夜」も「たけしの誰でもピカソ」も、きよしさん卒業なのですね。そして昨日もその後、事務所の長良会長が「これで大学を卒業して社会人だな」と言って下さったことに感激されたエピソードを語られました。
その後、あれこれ思い出されたのでしょう。ファミリーレストラン(名称を公には言わないようにしているのにこの日はよほど思いがこもってしまようで、思わず「デ」と言いかけて言い直しました。ファンの方なら知っているのでコンサート会場ではそんなに気にされなくてもよいと思うのですが)でのことを話され、一番大きなおかまでご飯を炊いて、それをジャーに移すために運ぶそうなのですが、ものすごい重さで両手で抱えると一歩踏み出すのも一苦労の様子を実際にふうふう言い、足元をふらふらさせながらジェスチャーで演じて下さいました。必至で運んでいると「早く早く! ライス出すの間に合わない」と急かされたりしたそうで、その後「この間、突然そのことを思い出して、それで腰を痛めたのかなあと思いまして」ときよしさん、ポツリ。西寄さん、笑いながら受け流しましたが、きっとそうなのでしょうね。今はだいぶよくなられているのだとお見受けしますが、きよしさん、腰痛は持病のようですものね。若くてもスポーツ選手の方のように人並み以上の激しい運動や労作業をされた方は腰痛になる方が多いと聞きます。週6日間、働いていたと昨日おっしゃっていましたし、きよしさんのことだから皆の苦手な仕事やそういう大変な仕事を笑顔で率先してしていたのだと思いませんか? コンサート会場ではそうなんだと感心しつつ、きよしさんのユーモラスなジェスチャーの笑いながら聞いていましたが、今になってこんなこと書いていたらジーンときてしまいました。
話が少しそれますが、皆さんのこれまで出会った方の中にそういう方っていらっしゃいませんでしたか? 私にはそんな人がいました。困った時に、何も言わず笑顔で手伝ってくれたり、めんどくさいけどやらなくちゃと思っていたら、「ついでだからやっておいたよ」と私の分まですませてくれたり。今ではその方たちの名前や顔もよく思い出せないのですが、その時の優しさ、温かさ、そして自分がとてもとても嬉しかったことは、今でもはっきりと覚えています。そんな出会った優しき人たちの思い出ときよしさんが私の中で重なってしまいました。重い物を運ぶなんて誰だって大変なのに、きよしさん、きっと「僕力持ちなんで、へっちゃらなんですよ」なんて言って笑顔で運んでいたんじゃないかなって、今この原稿を書いていてそんなきよしさんの姿が浮かんでしまいました。きよしさん、だからこそ愛されるんでしょうね。
ファミレスの話題は、そのファミレスの時給850円のアルバイト募集の広告を見かけて、「アルバイトしたいなあ」と言ったら、それを聞いたマネージャーさんに冷たく「やれば」と言われたという笑い話でしめくくりました。

話がすっかりコンサートからそれてしまってすみません。
そして昨日は松井先生のこともご自身から語り始めました。”僕が歌うことになった歌はたまたまや偶然じゃないんだなって、あらためて思っています”、”その時々、僕が歌うことになった歌には、自分が歌う意味、そして氷川きよしの使命があるのだと思います”と。そして松井先生との思い出、紅白歌合戦の大トリの大役を果たした後に、お電話で話された会話の様子などを話して下さいました。
また「一剣」について、”松井先生の世界観がよく出ているように思っています。普段はあまり使われない四文字熟語が多用されていますし”と語られました。きよしさん、今またさらに歌詞の意味を追求されようとしているのではないでしょうか。そんなふうに感じました。
1曲、1曲、ご自身の持ち歌であっても追究する気持ちを忘れない。そんな”氷川きよし”のこれからの歩み、いっそう楽しみで、ファンとしてずっとついていきたいとあらためて思いました。

アンコールのエンディングは「きよしのズンドコ節」。ひたすら熱唱のコンサートでした。ラスト「皆さん、お元気でーーー」という時に、腰を落とし片手を前に出し左側にくるっと1/3回転したのにはびっくり、そして感激でした。
さて今夜は「きよしとこの夜」最終回ですね。素晴らしい番組を作って下さり、宝物のような思い出を下さってことに心から感謝したいと思います。