昨日17日の日刊スポーツに、きよしさんが16日に「きよしとこの夜」(NHK)の最終収録を終え、NHK内で共演のグッチ裕三さんとベッキーさんと3人で会見をしたという記事が載っていました。少し前に番組終了についてはこのブログにも書きましたが、今日、記事で会見のきよしさんの写真を見たら、ようやく実感がわいてきました。皆さんもそうでしょうけれども、いろいろな思いがあり、それらを集約すると、一言”寂しい”ですね。きよしさんも会見で”寂しい”とおっしゃっていたそうですね。番組を毎週観ることが当たり前になっていましたので、何だか昨日の記事を目にするまでは番組が終わるという実感がわいていなかったようです。
振り返ると番組の思い出はたくさんあって、スタート当初は1回、1回がひとつのショーになっているかのようなエンターテインメントのショーとしてとても完成度の高いものだったと思います。ただもしあの調子でずっと行っていたら、準備が大変過ぎて1年も続けられなかったのではないかと想像します。その後、徳田アナウンサーがレギュラー司会をされた時期もありましたし、だんだんにきよしさんの負担を軽くする(決してクオリティを落とすということではありません)番組構成になって行ったのではないでしょうか。
いつ頃まであったか確認してはいないのですが、私はきよしさんがおたよりを読むコーナーがとても好きでした。というのもよく楽屋などで収録していたようで、見覚えのある衣裳が移動式ラックにかかっているのが見えたりして、今回はどこで収録したのかなあなんて思って、とても楽しかったのです。
3月12日がいよいよ最終回、総集編ということですね。こんなにひとつの番組を見続けてきて、そして終わることを寂しく思うなんて子供の時以来に思います。それは子供の時のように、それだけ純粋な気持ちで番組を楽しませていただいた証拠なのではないかと思います。きよしさん、お疲れ様でした。温かくて楽しくて、そして素晴らしい歌いっぱいの放送を本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げます。

さて以下は個人的な思い出ですが、「きよしとこの夜」がスタートした2005年は、大河ドラマ「義経」が放映されていました。
私はこの年、恩ある方が編集長をされている雑誌の編集を1年間の期間限定で引き受けることになり、定期的に大河ドラマを紹介するページを担当することになったので、2004年後半からNHKにはよく行っていたのです。
この雑誌の仕事は週刊誌だったこともあり、私にとってはかつてないほどにハードで、一度倒れてしまったほどでしたが、今思えば、あの時あれだけがんばれたのだからと思える良い思い出です。

そうです、良い思い出といえば、「義経」の1年間の放送中には何回か番組の試写会と出演者の会見があるのですが、それにも毎回行き(きっと今回のきよしさんが会見したのも同じ場所だと思います)、番組が進むにつれて、出演俳優さんのインタビューもさせていただきました(このページは編集長インタビューなので、私の仕事はセッティングとお付き、そして下原稿作りでしたが)。
また雑誌に掲載するいわゆる場面写真といわれる番組のシーンの画像が必要になるのですが、大量にあるため広報の担当の方に選んでいただくのも申し訳ないということで、自分で行って、パソコンの画像を見せていただき、必要なものをピックアップしてディスクに落とすという作業をしに2週間に一度くらいNHKに出向いていました。取材で使わせていただくことの多かった代々木公園を見下ろす高層階にある応接室には「きよしとこの夜」の全紙のポスターが貼られていました。西玄関を入って受付を済ませた後、担当者に会って用事を済ませたら、担当者印を入館証に押していただき、その後は別に中で何をしていてもかまわないのですが、この時は忙しくて忙しくてすぐにでも会社に戻らなくてはいけないようなことが多かったです。もちろん余裕がある時は1階と5階にある社員食堂で食事をしたり、お茶をしたりすることはありましたが、ちょっぴり期待していた「きよしとこの夜」の収録の日には、遂にぶつかることはありませんでした(そんなものですね)。

話は再び「義経」に戻ります。クランクインの時はNHKさんがバスを用意して下さって、鞍馬山での修業シーン(実際は今の鞍馬山がイメージにあわないので、関東のとあるお寺のある山で撮影していました)の取材に出かけました。途中渋滞があり、予定より少し遅れて現場に到着すると、主演の滝沢秀明さんが、境内横に立って出迎えて下さっていました。
滝沢さんが剣術の練習をしている写真をまず撮影しようということで、絵になる林を目指して山道をしばらく歩くことになりました。セッティングがあるのでプロデューサーの方とカメラマンさん達が先に歩き出し、滝沢さんと記者は自然とひとかたまりになって、滝沢さんを囲んでしばらく談笑しながら歩きましたが、初めてお目にかかる滝沢さん、瞳がキラキラ輝いて、和服が似合い、テレビや写真で見ているより、ずっと男っぽい方で、とにかく気持ちに良いほどにさっぱりした方だなあという印象でした。
その後、お寺に戻り境内で滝沢さんを囲んで合同取材をしましたが、滝沢さんは折り目正しく、朗らかで、そしてどんな時もまっすぐ相手の目を見て話をする方でした。
その3ヵ月後くらいには、雑誌での編集長のインタビューに滝沢さんにご登場いただくことになり、私はセッティング&お付きを担当していたので、応接室での取材と撮影にも立ち合わせていただきましたが、まったく構えるところがなく、相手の話をしっかり聞き、熟考してから答えて下さいます。
頷く様子や、その言葉の端々から誠実さが感じられました。
滝沢さんは多忙なスケジュールの中、ご自身に必要なことは地道に準備をする大変な努力家だとこの時のスタッフの方々からうかがいました。
「義経」の時もいち早く乗馬をマスターし、また様々なアクションに耐え得る肉体づくりにも余念がなく、その成果はすでに放映された「義経」やその後のドラマでご覧になられていらっしゃるかと思います。
このように才能や資質に恵まれている上にたゆまぬ努力を続けていらっしゃる、ほんの一握りの方たちが、きよしさんがよくおっしゃる”浮き沈みの激しい芸能界”のトップを走ることができるのでしょうね。歌も演技も、果て無き厳しい芸の道なのですね。

でも私は、このような素敵な滝沢さんの取材の立会いの時でも、やっぱり、せっかくNHKにいるのだから、一目きよしさんにお会いできないかしら? と思っていたことをここで告白いたします。