ご報告が遅くなりましたが、「ヤッターマン」を観てきました。とにかく楽しめました。
俳優さんたちがとても魅力的に人気キャラクターになり切っています。まずは主役の高田ガン(ヤッターマン1号)役の櫻井翔さん、期待以上の好演です。ワイヤーアクションも難なくこなし、素晴らしいアクションを披露。また深田恭子さん演じるドロンジョとのロマンチックシーンもありと、様々な表情を見せてくれました。人気アニメのキャラクターを演じて違和感なく感じさせたのは、やはり櫻井さんの天性の資質と演技力なのだと思いました。ヤッターマンへの変身シーンは胸がすくような気持ちよさです。CGやロボットたち、そして細部にまでこだわった見事なセット、それらに決して負けていません。「自分が自分が!」というタイプの方ではないように日頃感じていますが、主役になると、キラリと光りますね。さすがです。

また、この映画のみどころのひとつはCGと美術だと思います。何しろ総カット数のうち約9割の1200カットでCGを使用しているそうですし、美術は林田裕至さん。細部にまでこだわってとことんかっこよく、随所には遊び心が満載されているのです。そして共演者たちもいい味わいでした。特にボヤッキー役の生瀬勝久さん、難しいキャラクターをユーモラスに軽妙に演じ、時に哀愁さえにじませ、印象的でした。
個人的には前回も少し書きましたが、深田恭子さんに大満足です。すべて本皮で作られたドロンジョスーツに網タイツ、18cmの超ハイヒールといういでたちなのですが、さすがは深田さん、ドキッとするほどセクシーではありますが、とても健康的でかわいくて、いわゆるコスプレとは一線を画しています。またあの鼻にかかったような声で「やっておしまい!」とドロンジョ様お決まりの台詞をいうのがとってもいいですね。ちょっぴりセクシーな振り付けのダンスのシーンや入浴シーンなどなど、深田さんの魅力いっぱいですが、健康的なお色気は深田さんならではだと思います。余談ですが、ドロンジョ様のピンクと黒と白で描かれたドクロ柄のネイル、真似してみたくなりました。

ストーリーはあくまで「ヤッターマン」らしく、お決まりの見せ所は外すことなく、しかし今回は舞台を外国に移して、ナルウェー(ノルウェーの間違いではありません)までヤッターワン(犬型巨大ロボット)でひとっ飛び、お約束の笑いがきちんと盛り込まれながら、ストーリーは展開していきます。アニメを見たことのない人も、楽しめること請け合いですが、アニメを見ている方なら何倍も楽しめることでしょう。アニメのファンの方のイメージをこわすどころか、満足できるようにと徹底的にこだわっていて、その凝り様といったら半端ではないのです。そしてそんな様々なパーツをひとつにまとめあげて、スピード感とユーモアあふれる作品に仕上げた三池崇史さんの手腕は素晴らしいと感じました。そういえば三池監督はかつて「カタクリ家の幸福」でクレイアニメを実写に当たり前のように挿入していて、それを観た私は当時、かなり驚いた記憶が蘇りました。
ところで私はこれまで「ヤッターマン」についてただアニメを見ていただけでしたが、今回、資料を見ていたら、オリジナルキャラクターをデザインしたのは天野喜孝さんだったのですね。どの時代にも常に素晴らしいお仕事をされているのだなあとあらためて天野さんには尊敬の念をいだきました。

3月7日(土) ビックリドッキリ大公開です。 www.yatterman-movie.com