


オープニングは「哀愁の湖」。このコンサートのオープニングであり、この歌の今年1年の歌い納めでもあるのでしょう、愛惜しむように朗々と歌い上げ、最初から一気に「きよしこの夜」の世界にいざなわれました。昼の部は大変な緊張をしている様子でしたが、「今日の日をとても楽しみにしていました。皆さんがいらっしゃるのをお待ちしていたんです。今日はよくいらっしゃいました。僕は今日はすべてを捨てます。自分を出し切ります」と挨拶がありました。
そしてすぐに衣装をチェンジ。舞台は提灯や梯子で、すっかりお祭りモード。パーカッションの大宮さんの和太鼓の音色が響き渡ります。曲は「きよしのソーラン節」。最初、きよしさんによる「ソーラン節」の一節が流れます。きよしさんも祭の衣装で登場。鯉口風のシャツに短パン。その上に半纏風(ハッピ風といってもよいでしょうか?)の上着を羽織り、帯を締め、足元は脚絆風の黒のブーツカバーというかゲートル。胸元全開で、鍛え上げた胸板を披露しています。そして「きよしのドドンパ」「星空の秋子」を歌った後、舞台上で半纏を脱ぎ捨てます。これって下着に近い状態なのでは。ちょっとドキドキしました。
そしてアルバム「演歌名曲コレクション9~哀愁の湖~」からカバー曲の「涙の酒」、「月がとっても青いから」、「夕焼けとんび」、「おさらば故郷さん」。オリジナル曲から「上海エトランゼ」「風来抄」を歌い、その圧倒的な歌唱力がホール中に響きます。なんて美しく、心地よい歌声なのでしょう。聴いていて胸がいっぱいでした。
今回、思わず「嬉しい!」と言ってしまったのは「浅草人情」です。「箱根八里の半次郎」のカップリング曲で、デビュー時のキャンペーンで歌う歌がまだなくて、「半次郎~」とそれこそとっかえひっかえ歌ったきよしさんにとって、大切な曲。さり気なく「大井追っかけ音次郎」の後に歌われました。
個人的には「白雲の城」、昼の部の時、聴いていて、感動のあまり自分でも驚くくらい大粒の涙がぼろっぼろっとこぼれてしまいました。
そして「一剣」まで見事に歌い上げ、アンコールでクリスマスソングメドレー。圧巻は「きよしこの夜」
と「陽春」だったのではないでしょうか。私にはそう思えました。
「風来抄」をきよしさんが歌うのを聴いていた時、きよしさん「陽春」を好んで歌われていましたが、これからの応援ソングは「風来抄」になっていくのかな、なんて考えていたのですが、このコンサートのフィナーレにもってこられたのですね。何を歌うのかわからない状態で聴いていた昼の部では、その構成にまずは嬉しくなり、そしてその歌唱には、心が洗われるような気持ちになりました。きよしさんは涙をこらえていましたが、もう、聴いている側は、涙、涙でした。
夜の部では途中で「来年は10周年、来年はよい涙をたくさん流したいですね」とおっしゃっていましたが、この「陽春」できよしさん、いよいよ涙があふれてとめることができなくなってしまいました。
昼の部、夜の部、言葉を少し変えて、ご自身の10周年の思いを語られました。その時、「この9年、つらいこともありました。つらくて胸がはりさけそうになったこともありました。でも僕の仕事だけが特別なわけではなくて。皆さんと同じなんですよね。皆さんも仕事をされていて、毎日生きていて、辛いこと、大変なことがやっぱりたくさんあると思うんです。でもそれをひとつひとつ乗り越えて、今、ここにこうしていらっしゃるんですよね」というようなお話をされて、「これからも一緒にがんばりましょう」と言われたら、私は不覚にもまた泣いてしまいました。だって、本当にそのとおりですものね。このきよしさんの言葉、皆さんに何をおいてもお伝えしたいなと思いました。
ちなみに夜の部では、ナマ声で「ありがとうございました」とお礼を言って下さいました。
さて、これまでに何度か、きよしさんの歌う姿を見ていて、今、ここで私が聴いているこの声は本当にこの肉体から発せられているのだろうか? これは人間が出せる声なのだろうか? と思った瞬間があるのです。この世ならぬ歌声、あるいは天上の歌声と言ったらよいでしょうか。もうその瞬間、ただただ感動するばかりなのですが、今日のコンサートで、再びその瞬間がありました。それは夜の部のアンコールで歌った「きよしこの夜」でした。もちろん昼の部でも歌われて素晴らしかったのですが、夜の部の歌唱は「今、この歌声があれば何もいらない」という気持ちにさせられるのです。自分自身が美しい光に照らされ、美しい何かで満たされているようなそんな感じでしょうか。何という素晴らしい声なんでしょう。もう堰を切ったように涙が流れました。きよしさんの最近いっそう美しく艶めいてきた低音と、随所に盛り込まれているファルセット(裏声)の高音ののびやかさが絶妙のコントラストなのです。
司会の西寄ひがしさんが、歌の力は命の響きとおっしゃっていましたが、氷川きよしという歌手の魂、命が聴いている私たちの魂、命に共鳴を呼び起こしてくれたのだと感じました。
そしてラストの大エンディング。舞台の後方上部に巨大な翼が現れました。階段を昇りきったきよしさん、最後にその翼の前で片足を上げ、バランスのポーズ。白鳥をイメージしたのでしょうか。クリスマスメドレーの時にはきよしさんはくるみ割り人形を演じていた様子。人形の動きがユーモラスでかわいらしかったですが、そういえば舞台の上方に白い羽が散りばめられていました。クリスマスですし、バレエの要素を取り入れた演出で、きっと氷川きよしが永遠に羽ばたき続けるように。そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。
【歌った曲目】 ※☆の度に衣装を変えています(記憶をたよりに書いたため相違お許し下さい)
☆オープニング(純白の衣装。ネック部分に何連かのパールが縫いこんであり、ロングベールをまとう)
「哀愁の湖」
☆ヒット・オリジナル曲
「きよしのソーラン節」
「きよしのドドンパ」
「星空の秋子」
「きよしのズンドコ節」
☆アルバム演歌名曲コレクション9~哀愁の湖~」からカバー曲
「涙の酒」
「月がとっても青いから」
「夕焼けとんび」
「おさらば故郷さん」
☆同アルバムからオリジナル曲(ピンクのスパンコールのジャケットとピンクのパンツ
「上海エトランゼ」
「風来抄」
☆今年のヒット曲(地模様付きのフロックコート)
「玄海船歌」
☆和の心を歌う(着物と袴)
「白雲の城」
「大井追っかけ音次郎」
「浅草人情」
「番場の忠太郎」
☆着物だけ白に早変わり
「一剣」
☆アンコール(雪模様のシャツにアイスブルーのパンツ)
クリスマスメドレー(ダンサーの他、サンタクロースとトナカイの着グルミ登場して思わずカワイイ!)。きよしさんは「ジングルベル」を歌いました。
「きよしこの夜」
「陽春」
☆フィナーレ(先の衣装の上にブルー(氷の川をイメージしたフロックコートを舞台上で羽織る)
「箱根八里の半次郎」(フルコーラス)
クリスマスメドレーは皆さんと一緒に「ジングルベル」を歌ったので、それを含めると21曲。1曲にカウントしないと全20曲ということになるかと思います。そして衣装は9着。これは帰宅して記事で見たのですがデビュー9周年にちなみ、“9変化”ということだったそうです。
きよしさん、夜の部では、どんどんリラックスしていき、良い表情になっていくのがわかりました。昼の部はそうしてみると、かなり緊張していたんだなとあらためて感じましたが、昼の部も夜の部も、きよしさん、幸せで嬉しくて、ありがたくて、愛一色に染まっている様子で光り輝いていました。
【そして日本有線大賞の発表会場 中野サンプラザへ】
さて、私はその感動を胸に友人のKさんと中野サンプラザへ向かいました。日本有線大賞の発表です。外は雨でしたし、道路は渋滞するといけないので、会場最寄の有楽町からJRで。通勤の方の帰宅時間にぶつかり、ものすごいラッシュでしたが、中野サンプラザには7時20分頃に無事到着。きよしさんより早く到着できたようでした。生放送をご覧になられた方はおわかりだと思いますが、有線大賞でのきよしさん、輝くばかりでしたね。あれは「きよしこの夜」での輝きをそのまま、中野サンプラザへ持っていたのだと思います。
この時の衣装もステキでしたね。きよしさん、パープルがお似合いなんですね。何人かフォーラム終了後、駆けつけた人が私たち以外にもいて、近くにたくさんのきよしさんファンが応援のためいらっしゃいました。いよいよ「玄海船歌」をきよしさんが歌いました。きよしさん昼夜40曲を歌われた直後なんだと思ったら、周りにファンの方もたくさんいらっしゃったので、私、今までこんなに大きな声で応援したことなかったというくらい、一生懸命応援しました。
そしてCMの間、大賞発表前に候補者がすべて会場の客席にすわったので、もう会場は大騒ぎ。側に行こうとしたり、誰がどこにいるのか見ようと騒然。その時、司会のベッキーちゃんが「皆さん、席を立たないで下さいね。皆さんのお気持ちはようくようくわかります」というようなことを言ったら、「まあ、ベッキーちゃんたら」と、とてもなごんで、一気に場内が落ち着きました。私、この時、ベッキーちゃんて素晴らしいなあってあらためて思いました。
さて第41回日本有線大賞(全国有線音楽放送協会主催)はEXILEに決まりましたが、EXILEは最多リクエスト歌手賞も受賞。最優秀新人賞はジェロさん、最多リクエスト曲賞はきよしさんの「玄海船歌」でした。
きよしさんは前から4列目に座って大賞の発表を聞いていましたが、EXILEの名前が司会の草野さんから読まれると、よく”惜しみない拍手を贈る”という言葉が使われますが、本当にそんな様子で、放送でも映ったと思いますが、拍手を一生懸命されていました。
番組終了後、受賞者一同が舞台に上って、挨拶されました。その時、司会の草野さんが「今日はありがとうございました」というようなことをおっしゃったら、全受賞者の中で、きよしさんだけが、一人思わず頭をさげたのです。そんなきよしさんを見ていて、心がほっこりしました。
今年も大賞をとりたいという気持ちは強くあったはずだと思います。でもここにノミネートされること自体、大変なことであり、歌手にとって名誉なことですよね。今年は残念でしたけど、きよしさんには来年また大賞を受賞できる可能性があるわけですから。また応援していきたいですね。
今回、年に一度のスペシャルコンサートである「きよしこの夜」と「日本有線大賞の授賞式」がバッティングして、きよしさんはもちろん、事務所も相当に苦慮されたことと思います。きよしさんも夜の部で、コンサート終了後、「有線大賞」の会場へ行くことになっているので、ゆっくりできずに申し訳ありません」とおっしゃっていました。終演後、フィナーレの衣装のままで車に乗り込まれたと他のファンの方から聞きました。
2008年12月17日。きよしさんの長い1日も、私の長い1日もこうして無事に終わりました。かなり長い記事になりましたが、お読み下さり、ありがとうございました。
きよしさん、コンサートのラストで「明日もがんばってくださーい!」と大きく手を振りながら言っていました。私も年末に向けて、今日も仕事、がんばります。皆さんもがんばりましょう!