昨年の今頃の時期。仕事関係の人たちと忘年会をした時のことです。東京駅近くにあるTOKIAの中のベルギービールのお店で、15名ほどの集まりでした。まだ会社に戻って仕事をしなければならない編集者の方もいて、21時過ぎに数名が帰りました。個室というほどではないのですが、少し、奥まったところに仕切きられたコーナーがあり、そこの大テーブルを2つ使っていたのですが、約半分の人が帰ったので、ひとつのテーブルのほうに移動して、談笑していたのです。そこに、急遽、「今満席なのですが、これから入店されたいお客様がおりまして、お客様の半分空いたスペースをそのお客様に使っていただいてもかまわないでしょうか」とお店の人に聞かれ、「どうぞどうぞ」と了解したところ、10名前後の男女が入ってきました。私はその人たちから見て、後ろ向きにすわっていたので何も気付かなかったのですが、、向かい側の友人たちが、急にヒソヒソ話。そして私に「マルルさん、今入ってきたグループの中ヒガシがいますよ!」というのです。そう聞いてとっさに私が思い描いた方は、西寄ひがしさん。”えっ! 西寄さんが何でここに? じゃあもしやきよしさんも?」 なんて一人あわてて(笑)。西寄ひがしさんというのは、きよしさんのコンサートの司会を務められている方なのです。
でも、その時そこにいた仲間たちが西寄ひがしさんを知っていたとしても、きよしさんのコンサートに行ったというような話も聞いていませんでしたから、”ヒガシ”と呼ぶほど西寄さんに親しみがあるはずないなあ、なんて随分遠回りに考えてから、やっと、あっ、そうか、このシチュエーションで、皆が”ヒガシ”といえば、それは少年隊の東山紀之さん?とようやく思い当たり、さり気なく振り返ってみたら、やっぱり東山さんでした。
その日の東山さんはシックでナチュラルな装い。そして静かに微笑んでいて控えめな方という印象を受けました。私たちの向かい側の友人たちが、東山さんだと気付いたら、東山さん、すぐにその気配に気付きさっとサングラスをかけたということでしたが、私たちのグループが東山さんだと気付いても騒いだりしないとわかり、安心された様子で、その後、またサングラスをはずして、仲間の方たちとシャンパンをあけ、話していました。
東山さんてステキな方だなあと思いながら、”ヒガシ”と聞いて、西寄ひがしさんが、まず浮かんでしまった私。普段のきよしさんもこんなふうにラフで控えめな感じなのかもしれないなあなんてちょっと想像をめぐらせました。
きよしさんのファンの皆さんは、この時の私の気持ち、おわかりいただけますでしょうか。ほっとしたようながっかりしたような、でも少し嬉しいような、そんな気持ちでした。そしてあとで思い出して愉快な気持ちになったのです。