12月4日、「エリザベート」夜の部、朝海ひかるさん(エリザベート)×武田真治さん(トート)を観てきました。一路真輝さんは歴代の宝塚のトップの中でも有数の歌の名手。その一路さんが初演以来、演じてきたエリザベートを涼風真世さんと朝海ひかるさんがダブルキャストで演じることになり、今回はどんなものになるのか、その点も気になっていました。
歌唱という点ではそんなずば抜けた歌唱力を持つ一路さんを超えることを期待してはいませんでしたが、朝海さんのエリザベートは、生命力にあふれていて、ちょっと腰がすわっているというか肝がすわっているというか、一路さんとはまた異なった迫力があり、好感をいだきました。歌は声質の問題もあるでしょうけれども、ファルセットを多用していて、それが気になるという人もいるかもしれませんが、「トライ・アンフ・オブ・ラブ」での朝海さんの歌唱を思えば、格段のグレードアップだと思いました。なにしろまだ初演ですから、これからさらに朝海さんらしいエリザベートが作り上げられていくのではないかと思いました。こうなるとぜひ涼風さんのエリザベートも観たくなってきます。
そして、武田真治さんのトートを観るのは初演に続き、今日は二度目でしたが、今回はエリザベート役も交代し、武田さんがどんなふうにトート役を演じるのか見逃せないと思っていた舞台でした。そんな思いで観にいった「エリザベート」ですが、武田さん、とてつもない表現力を会得されたのではないでしょうか。私は観ていて何度か鳥肌がたってしまいました。
私がこだわる歌唱という点では初演からトート役を演じ、今回もダブルキャストといいながら3分の2近くの公演数を演じる山口祐一郎さんの圧倒的な歌唱力(今やミュージカル界一の歌唱力といってもよいのでは)を凌ぐものではないかもしれませんが、武田さんの歌唱からは闇の帝王・トートの邪悪さ、孤独、愛情がビリビリと私には伝わってきたのです。私、どうしちゃったの?と思いながら鳥肌がたっていました。
私はこれまでに「エリザベート」はもう何度か観てきていますし、仕事で何度も原稿も書かせていただいてきましたが、今さらながらその作品の奥深さ、魅力、面白さを実感することができました。
こうなると、またまた山口祐一郎さんのトートも観たくなってきました。