10月23日のNHK「きよしとこの夜」の中で、ゲストの俳優・塚本高史さんがギターを弾かれて、きよしさんが福山雅治さんの『桜坂』を歌いましたね。塚本さんのギターの響きも語りかけるようで素晴らしくて、きよしさんもそれを受けて、幸福そうに歌っていましたね。『桜坂』とても良かったです。福山雅治さんのファンの方も合格点下さるのではないでしょうか? 
さて福山雅治さんといえば長崎のご出身ですね。「Switch」という雑誌の福山さんのロングインタビューは、一インタビュアーとしてバイブルのようなものと愛読してきましたし、周りに熱心なファンの方が数名いますので、いかに自分のルーツや人と人とのつながりを大切にしているのかなど聞いてはいましたが、昨年、思いがけず、福山さんの故郷を訪れました。
昨年の11月に、きよしさんの長崎でのコンサートがありました。私は関東圏以外のきよしさんのコンサートには、行ってみたい場所で、日程も問題ない時期でしたら年に1,2回、旅行をかねて出かけることにしているのですが、昨年は『長崎の鐘』をアルバムに収録したこともあり、コンサートで歌っていらっしゃったので、ぜひ長崎の地できよしさんの歌う『長崎の鐘』を聴いてみたいと思い、この時期を逃したらチャンスはないかもと、出かけたのです。長崎のコンサートの後、長崎に1泊し、翌日から3日間、五島列島に出かけるという旅でした。昼間、大浦天主堂や原爆資料館を見学して、夜の部で聞いた『長崎の鐘』は心にしみこんでいきました。きよしさん自身は観光をする時間的な余裕などもちろんない忙しさですが、たとえ、その会場と東京との行って帰るだけの往復であっても、その土地やその場所に漂う空気を感じ取り、表現することができる方だと思うのです。

私は長崎は初めてでしたが、夜の部のコンサートに行くことにしたので、夜景を見るにしても終演後では展望台も終わってしまう。それならと夜景の名所、展望台のある稲佐山の中腹のホテルに宿泊したのです(おかげで夜景は十分すぎるほど堪能できました)。
翌朝は大波止という港から五島列島行きのジェットホイルに乗るためにホテルからタクシーに乗りました。運転手さんは感じのよさそうな方です。「お客さん、ご旅行ですか?」「はい」「どちらからですか?」「東京からです。長崎、初めてですが、本当にいいところですね。今日は五島列島に行くのですが、長崎にももっとゆっくりしたかったです」なんていう会話をしていたら、運転手さん、だんだんニコニコ顔に。そのうち、なぜここに? というような場所で一時停止しました。「?」と私が運転手さんを見ると、「ここね、福山雅治さんの実家です。今はお母さんがお一人でお住まいです」 そう言われて見るとたしかに表札に”Fukuyama ”とあり、シンプルで感じのよいお家でした。私は、自分の友人に福山さんのファンが多数いること、雑誌などで、福山さんが地元やルーツを大切にしていると感じていたというような話をしてすっかり話が盛り上がり、大通りに出たときには、「東京に上京する前は、この先にある会社でサラリーマンをしていたんですよ」とまで案内して下さいました。地元の方も福山さんの活躍を誇りに思い、応援しているんだなって感じました。
私は前日、稲佐山のホテルには路線バスに乗って行ってみました。バスの中には高校生、お買い物帰りのおばあさん、おじいさん、私たちを除くと本当に地元の方がただけが乗っていました。昇るにつれて車窓の景色がとってもきれいでした。私は感激して車窓の風景に見入っていましたが、他のかたは外を見るということもありません。当たり前ですね、日常の風景なんですから。その時、こんな自分の生活圏内と離れた場所にも同じように日々の生活があり、私がそこに、突然、入り込んでいることに不思議さを感じていたのです。うまく言えないのですが、日本は広いなとか、自分の知っているつもりになっている世界なんてちっぽけなものなんだなとかそんな感じでしょうか。
そんなことを考えたばかりでしたので。かつてこの町、この地から大きな夢を抱いて東京へと旅立った福山さんの激しい情熱を思って、胸がジンとしました。
そして私はきよしさんファンですから、同じように福岡から東京へ旅立ったきよしさんの思いを重ねて想像し、またまた感動してしまったのでした。