今日は母の84回目の誕生日。

生きてくれていれば…


そして、その日私はたまたまチケットが余ったお友達からのお誘いで、野球観戦でした。


その座席は外野の比較的グラウンドに近い高さの指定席で、昔のクラシカルな球場をイメージして作られただけあって、私は初めて母に連れてきてもらった昔の球場のことを思い出していました・・・



私が初めて球場に入ったのは、おそらく小学校低学年。多分2年生の頃だったように思います。


半世紀前の当時はまだ試合の終盤7回あたりになると、ただで球場に入れてくれるような古き良きゆるい時代…


私は母と一緒に、その時多分ナイターで初めて外野入口から球場に入ったような記憶ですが、正直それは定かではありません。


ただ、愛想がよく当時はまだ若かった母でしたから係員にこっそり入れてもらえて、私は母と一緒に喜んで入場したような事だけはよく覚えています。


球場入口から中に入るとカクテル光線に映える芝生のグラウンドに、売店脇に置いてある空き瓶からのアルコールの臭い…


更に、鐘や太鼓の音と共に観衆の声援。


当時は紙吹雪も禁止されていなかったので、それが宙に舞う…そんな光景もあったかもしれません。


その後、少年期に一人でよく通ったナイター観戦の記憶と、母と初めて入った球場体験の記憶がごちゃ混ぜになり極めて曖昧なのですが…


母に連れられて球場に入ったのが初めてだった事だけは確かな記憶です。


お母さん。

今日はあなたの84歳のお誕生日だよね。

おめでとう。

そんな日に友達に誘われて野球観戦でしたが、とても穏やかに楽しい時を過ごせました。

きっと、あなたが球場に連れて来てくれたあの懐かしい記憶が無意識によみがえっていたからだと思うよ。

仕事ばかりで家庭を省みないお父さんの代わりに、幼少の頃の私をたまに遊びに連れ出してくれていたこと、今でもとても感謝しています。


やっぱり見えなくなっても、見守ってくれていると思って穏やかに生きていたいよ…


いつも見守っていてくれてありがとう…

ひろちゃんお母さん。