今年もとても蒸し暑い季節となりました。
曇ったり雨が降っていても蒸し暑いですが、晴れ間になるとうだるような暑さです。

この時期は更地を放置しておくとみるみるうちに雑草が背丈を伸ばし、あっという間に荒れ地と化してしまいます。

私はユニークな母を思い出す時、地面にしゃがみこんで草取りをしていた姿をよく思い出します。

昨年までの私は、母の実家の「草刈り」に年2回程度通うだけでした。

しかし、蔵を改修した今年からはたとえ母の姿は見られなくても、私のいない時には母が自分の実家に戻ってきているつもりで田舎の「草抜き」に励んでいます。

ところで草刈りではなく、地べたに這いつくばる草抜きに取り組んでいると、名も知らぬ雑草たちの種類が気になりだし始めました。

名前が全く分からないので、写真を撮って便利なアプリで調べてみるとそこに自生する雑草たちの名前は…

長刀茅(ナギナタガヤ)、茅萱(チガヤ)、ヨモギ、メヒシバ、矢筈草(ヤハズソウ)、虫取り撫子、松葉海蘭(マツバウンラン)…

これは抜いてしまう草、これは残す草という風に自分の好みに応じた草抜きの自由な選別が中々楽しく、体がきつくても時間が経つのもあっという間のように感じます。

背の高くなるカヤ系や地下茎で繋がっているヨモギ、スギナは見つけ次第根こそぎ抜きまくっていますが、可憐な花を咲かせているものや背が低くて葉っぱのかわいい広葉雑草などは残して更地の上に緑の潤いを保つように取捨選択しています。

夢中で草を抜いているとカエルや虫が逃げていき、抜き取らずに住みかとして残してやればいいのかも…などとも思いますがそこは心を鬼にして、少しでも油断して放置してしまうとあっという間に荒れ地となってしまうので…

ちなみに、生前の母から草抜きの楽しさを聞いたり教わったりしたことはほとんどありませんが、樹木剪定にも剪定後の趣があるように、草抜きにも自分好みに更地を仕上げる楽しさがあることに私もようやく気づきました。

きっと生前の母も、楽しみながら草取りに励んでいたことでしょう…

お母さん。
あなたを真似て手作業で草取りをするようになってから初めての夏だけど、雑草にも親しみが湧くようになりました。
この地で成長したお母さんとは思い入れも全く違うだろうけど、私も楽しみながらあなたの実家の手入れをさせてもらってるよ。
それから今日は、あなたの逝った翌年そちらに旅立った愛犬ななの命日です。
その日は雨がよく降っていた夜で、私が帰ると既にななは息絶えていました。
今思うと飼い主のあなたを守るために旅立ったかのような、番犬のように勇敢だったブラックタンのななちゃん。
きっと今でもあなたのそばについて居るね。

目を閉じるといつでも見える懐かしいみんなの姿。
ひろちゃんお母さん…