福井地方裁判所が、高浜原発3・4号機を再稼働しないように命じた今年4月の仮処分を取り消した。
これで、高浜原発3・４号機が再稼働することになった。
裁判所の判断基準が前回の樋口裁判長と今回の林裁判長では異なっている。
前回の樋口裁判長は、新規制基準に適合しても安全性は確保されていないとして再稼働を禁じた。
万が一にも事故が起こらないようにするため、絶対的な安全性を求めている。
今回の林裁判長は、絶対的安全性は想定できない、福島第１原発事故の経験なども踏まえ、
現在の科学技術水準に照らして、危険性が社会通念上無視できる程度まで管理されているかで
判断するとし、新規制基準に沿っており、合理性があるとし、安全性に欠ける点がないとした。
基準地震動を超える地震が起きる確率を「１万～１０万年に１回程度という極めて低い数値」とし、
想定の合理性を認めた。
福島原発に学ぶなら、想定外のことが起きて事故は起きている。
福島原発の津波の想定は7ｍ程度だったが、そこに想定外の1000年に１度の貞観大地震のような
大地震が起き10ｍを超える大津波が発生して事故は起きた。
今度は１万年に１度の確率だからよいというのだろうか。
それが明日、起きるかもしれないというのに。