藤崎ひろみのありがとうの扉 -1210ページ目

黒い扉。


藤崎ひろみのありがとうの扉
ありがとうございます。お元氣さまです。



昨日、とても考えさせられる出来事がありました。



昼間、師匠の清水英雄先生と外出した時のことです。

お勝手口から顔を出したおばあちゃまから「開けて」と声をかけられました。



ふと見ると、お勝手口のドアが全開しようとも、黒い鉄製の門扉にぶつかって、

開けられない状態です。



いったん外に出てからでないと、その門扉をスライドさせて開けるのは

不可能なのですが、

師匠は困っているおばあちゃまのために、快くその門扉を開けようとしました。



これがなかなか重くて、開けようとしてもかみあっている下のレールから

ずれてしまったりとスムーズに動かせませんでした。



やっとの思いで無事門扉を開けることができ、

おばあちゃまも外に出ることができました。



しかーし。

無表情なおばあちゃま。



ノーリアクションのおばあちゃまの反応が氣になりながらも、

私達は約束の時間に間に合わせるべく、歩を早めます。



ふり返るとおばあちゃまが私達と同じ方向に向かって歩いていらっしゃいます。



でもなぜか氣になる。



うーん、普通なら。



あの重い門扉をやっとの思いで開けられたのだから、

「ありがとう」とは言わないまでも、何かしらのリアクションをしますよね?



なーんにも反応がなかったのが、????



ひょっとしたら、認知症?



師匠とおばあちゃんのことについて推測・憶測。

時々ふり返っておばあちゃまのことを氣にします。

トコトコと歩いていらっしゃる。



どんどん距離は離れていき、曲がったのか途中で姿が見えなくなりました。



徘徊を防ぐために玄関から出られないようにしてあるから、

勝手口から脱出を試みたのではないか?



開けてはいけなかったのではないか?



もし事故に遭ったらどうしよう!!!



電車に乗っても心配、心配。



ものすごくネガティブな思考に支配され、目的地の駅に着くと、

師匠は奥様に電話しました。

かくかくしかじかで様子を見に行ってくれと。



しばし、奥様から連絡があり、おばあちゃまはやはり認知症で、

家族3人で探していたところ、姿が見えなくなった曲がり角付近で

無事発見できた模様。

ひたすら平謝りの奥様でした。



親切心があだとなった一件です。



会合でこの話をしたら、似たような体験をした人が。



とある施設の前で、おじいちゃまから「家まで送ってほしい」と頼まれたので、

車で送り届けたら、ご家族から大ブーイング。



その施設は認知症の老人収容施設だったそうです。



ご老人から頼まれると、親切に対応したくなるものですが、表情やリアクションなどの

状況判断をした上でないと、とんだ騒動に発展してしまう、という教訓でした。



ご老人がどんどん増える一方で、そうした出来事に遭遇することも増えるかもしれません。



親切の美徳も、時と場合によって氣転の美徳を発揮する必要があるという学びの瞬間でした。



ありがとうございます。