先月、日本橋三越から神田へ出る道すがら、
そうだ、ここらに「砂場」があった筈、
寄ってみよう、と行ってみました。




最後に来たのは、結婚する前、44年前です。
(そだ、今日11/9は結婚記念日だーw)
夫と母と、3人で来たのでした。


このお店は娘時代、よく母に連れてきてもらいました。
だいたい三越でのお買い物の帰りに、神田に出る途中に寄ったお蕎麦屋さんでした。


三越に行く時は、母は、地下鉄ではなく、国電の神田か東京から歩くのでした。
地下鉄に乗りかえれば、三越前という駅があるのでなんの問題もないのですが、彼女は必ず、日本橋室町あたりの街を歩いて行きました。

勿論、電車賃の節約もしたかったと思いますが、
それだけではなく、おそらく、
戦後、女学校を卒業して、数年間日本橋の会社に勤めていた彼女は、
ここらあたりはよく知っていて、
歩きたかったのではないかと思います。
瓦礫の山から恐ろしいスピードで復興していく日本橋の街を見ながら働いていた20代の母、
彼女にとって、この街は複雑な思いを抱く街だったろうと思います。


私は、小さい頃から日本橋三越はよく連れて行ってもらいましたが、
その最寄り駅など、道筋を覚えているのは、大学生の頃です。
(小学校の入学式のスーツも日本橋三越で買ってもらいましたが、大学の入学式のスリーピースもここで買ってもらったのだった、今思い出した!)


20代の若い母は、女学校時代に空襲で焼け出されて従姉妹の家に一家で居候していたのでした。
この街の、老舗のこのお蕎麦屋さんを、どんな思いで通りかがり行き過ぎたのでしょう。
おそらく、若い頃には入ったことがなかったでしょう。


今思うと、その頃の自分とあまり変わらない年の娘を連れてこのお蕎麦屋さんに入ることは、
彼女にとって意味のあることだったのかもしれません。




前置きが長くなりました。
室町砂場。



最後に私共が訪ねた40数年前から、改修、改装したかもしれませんが、
それでも老舗の風格は充分に感じられる店舗です。

中の間取り、設えもなかなか渋い。

小さなお庭に面したお席を奨められました。






天ざるをお願いしました。
こちらの天ざるは、更科の白くて細いお蕎麦です。
そして、天ぷらはかき揚げがつけつゆに浸った状態で供されます。




細いけれども、強いお蕎麦です。
喉越しで手繰る、そんな言葉が、ピッタリのお蕎麦。

美味しいです。
蕎麦の香りも結構強いかも。
でも量が少ない。
これは、こちらで蕎麦前で1本つけたお客さまが、シメに召し上がるお蕎麦、ということかしら。

いやいや、飲まなくてもお蕎麦で充分に酔える私ですわ。


ざるではなく、もりにすると、挽きぐるみのお蕎麦になるようです。

今度来る時はそちらをいただいてみようと思います。