悪役が魅力的な作品は?
必殺シリーズの主役の同心中村主水は正義を体現する人間かそれとも「悪人」(悪役)かが以前から気になっている。
彼の表の顔は身分は下級武士で幕府の治安組織を預かる奉行所の末端の同心。
でも裏の顔は金銭で人を殺すことを請け負う凄腕で冷酷な「仕事人稼業」。
ターゲットの人間(悪役?)は身分制社会の金銭的・権力的な強者で弱者を徹底的に収奪し、殺害をも辞さない「犯罪行為」を犯した連中である。
でも標的にされた彼らは何故殺されるのかが判っていない。この必殺シリーズの最大の欲求不満がここにある。
観客だけがその因果関係を知っているが、標的にされた人間(劇中の悪役)はそれを判らず、彼らには理不尽で無念な最期を迎えることになる。
仕事人の残虐な方法で殺される瞬間の苦悶の表情も自らが招いた「悪事の報復」とも知らず悔恨もない意味なき死でもある。
また仕事人は自らの正体を知った人間は殺すことを「掟」としている。だから殺しの依頼人は死ぬことが依頼の前提である。
そして稼業がないときは実に「庶民的暮らし」を徹底している。中村主水は職場では「昼行灯」であり、家庭では「駄目亭主(婿)」として徹底的に生きなければならない。
でも彼らの手は紛れもなく血塗れている。だから最大の悪人(悪役)は中村主水だ。
私は中村主水を筆頭とする「必殺仕事人」は「正義の仮面を被った最大の悪役」と思っている。
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