母親がお仕置に子どもに食事を与えない。あるいは幾日も

放置して自分は男に現を抜かす。父親が躾だといって、子どもを

厳寒に何時間も外に放り出す。今は、親の虐待と紙上を賑あわす。

 

 昔は親が子を、親方が弟子を厳しく責めたてて、大いに叱った

だけでは足らずに、叩いたり、つねったりの体罰を与える。

 これを「折檻」といった。芝居での継子いじめの典型に考え

られた。故事をしらないで「折檻」という文字を見て打ちのめす

ものと勘違いしたのではなかろうか。

 

 実際は、折檻とは、強く諫めることであって、諌言することである。

 

 前漢の成帝は張禹(ちょうう)という男を信用して政治を任せた。

いろいろの意見書を奉る者があっても、皇帝はそれを張禹に見せ

相談するから何にもならない。朱雲という硬骨漢が皇帝に拝謁

を求め「御物の斬馬剣を拝借して、佞臣ひとりの首をはねて、その

一党の見せしめにしようと存じます」といった。皇帝はたずねた。

「佞臣ひとりとは、誰のことか」「張禹でございます」皇帝激怒し

「師と仰ぐ張禹を、朝廷で公然と侮辱するとは、無礼至極、その

罪は死んでも許さん」と、どなった。家来が朱雲を御殿から引き

降ろそうとしたが朱雲欄檻にしがみつく。そこで欄檻が折れた。

「檻を折る」で、これが「折檻」のおこりである。という。

 

 一ヶ月近く巣ごもりをしてこの大変な時節に国会に出ない首相に

誰か諌言するものがいないものか。長期政権の過去の成果が

全て帳消しになる一大事。やる気がないなら早く引退すべき。

それが国民のためです。拗ねた子どものようにかくれんぼは

似合わないです。堂々として解散であれ、引退であれ国民は

待っています。

 

 

 

本日の絵手紙  「ガマ」

 

奈良時代から薬草、布団の芯、筵、灯心

火口、食用「若葉と根」など利用価値の高い

草であった。もっと古い話で古事記の中の

因幡の白兎の物語。

 

 

2020-08-05  lupinsansei