自分で決めてるから。
週イチ非常勤の私立高校。
今日の授業は?
NHK『プロフェッショナル』。
ビル清掃、新津春子さん。
羽田空港の清掃を担当。
500人の清掃員を指導するリーダー。
清掃技能コンテストで日本一。
道徳の教科書にも取りあげられる有名人。
自己PRに取り組んでいる3年生。
「わたしは、何者か?」
そのヒントにしてもらおうと。
で、新津さんは何者か?
「清掃の職人」
自他ともに認めるアイデンティティー。
しかし、最初から職人であったわけではない。
むしろ、仕方なく、清掃の仕事に。
1970年。
中国は、瀋陽生まれ。
お父さんは、満州育ちの中国残留孤児。
現地で中国人の女性と結婚。
新津さんは、日中ハーフ。
学校では、「日本人は帰れ」。
石を投げられ、イジメられる。
> このイジメが永遠に続くかと思っていた。
17歳の時、政府の帰還事業で一家は日本へ。
やっとイジメから解放される。
そう思ったのも、つかの間。
今度は、編入した日本の高校で、
「中国人は、帰れ。」
やはりイジメの対象に。
中国では、「日本人」。
日本では、「中国人」。
> 私は、何者なのって?
しかも、両親ともすぐには定職に就けず。
家計は、困窮。
新津さんも立派な稼ぎ手。
来日間もない頃、
ほとんど日本語は話せない。
唯一、雇ってくれたアルバイト。
それが、清掃の仕事。
いまでこそ、清掃は天職。
けど、当初は、それしか選択肢がなかった。
登校前の早朝。
下校後の夜間。
新津さんは、日々、清掃の仕事に。
家計の大きな支えとなる。
しかし、清掃の仕事でも。
> ああ、中国と同じだな。
> 社会の中では、地位が低い仕事なんです、清掃は。
トイレの清掃中。
札を立てても利用する人はいる。
作業の手を止め、「どうぞ」と声をかけても。
返事もない。
目も合わせてもらえない。
> 私の存在そのものが、目にうつってないんだな。
23歳から、羽田空港の清掃に。
そこで、運命の出会いが。
上司は、業界屈指のエキスパート、鈴木優(まさる)さん。
ノウハウを徹底的に仕込まれる。
いままであきらめていた汚れも取れる。
徐々に清掃の仕事におもしろさを。
新津さんは。決める。
> 私には、この仕事しかない。
> だったら、きわめよう。
> 私は清掃の職人になる。
それしかない。
自由がない。
けど、迷いもない。
選択肢が多くても。
決められなければ、
あれも、これも。
エネルギーが分散。
新津さんには、清掃しかない。
あとは、決めるだけ。
すべてのエネルギーを一点集中。
日本一の清掃の職人に。
中国人なの?
日本人なの?
中国人でもあり、
日本人でもある。
あなたは、何者?
私は、清掃の職人です。
私は、何者か?
外に答えを求めると見つからない。
「あなたは、〇〇だね。」
他人の言動に右往左往。
気の世界は、主観の世界。
私は、何者か?
決めるのは、私。
私が決めたものしか、
しっくりこない。
誰も見ないような
ウォータークーラーの足元の汚れ。
2時間かけて、ピカピカに。
そこまでやる?
誰も見なくても、私が観てる。
「清掃の職人」が観てるのだ。
さて、新津さん。
もう一度、訊きます。
清掃の社会的地位。
いまでも高いとは言えませんが?
> けど、私は気にしない。
> この仕事が好きだから。
さて。
あなたは、何者?
今日は、ここまで。
また、明日。
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