天井をなくす秘訣。
週イチ非常勤の私立高校。
職員室では、次年度の相談。
今年は、3年生を担当。
面接対策としてもプレゼンは有効。
けど、他学年の先生からもリクエストが。
グループ課題やイベントの成果発表も
結局、プレゼンになるからね。
ふとM先生から、
「授業の目標って、どこに設定されてますか?」
何だっけな?
たしか年間計画で、テキトーに書いて提出したな(笑)
正直言うと、ここ数年はないんですよ。
生徒ひとり一人、違っていいなと。
人前で話すのが大好きな生徒もいれば、
人前で話すなら学校休むという生徒まで。
視線や間の取り方を伝えたい生徒もいれば、
まずは、相手の目を見て話そうって生徒まで。
何を伝えるかは、ひとり一人異なるんですよね。
だから、希望者には、放課後個別に。
とはいえ、授業は一律。
「たしかに。うちは生徒間での差が激しいですよね。」
そうでしょ。
早慶を狙える生徒から、
一次方程式から学び直す生徒まで。
数学や英語は、レベル別で教室が分けられている。
けど、プレゼンは同じ。
一律に何を伝えるか?
悩ましいところ。
けど、思いとしては、あるんですよ。
「自分の意見に気づく。」
「ある」ことに気づく。
「表現」する前に「気づく」。
まずは、そこから。
だって、ほとんどの生徒は、何を訊いても、
「わかりません」「特になし」だから。
何も感じてないってことは、ないんだけどね。
あるんだけど、言いたくないってのもあるけど(笑)
ほとんどの生徒は、自分の内なる反応に
フォーカスしていない。
プレゼンでどう表現するか以前に、
自分には自分なりの反応がある。
まずは、そこに感覚として気づく。
次のステップとして、言語化する。
視線や間の取り方、多様な表現方法は、さらにその先。
着任当初は、最初からプレゼンの技法を。
ほんの一部の生徒にしか伝わらない。
自分が何を表現したいか?
自覚している生徒だけ。
教壇に立って11年。
やっと気づいた。
まずは、ここからだって。
自分の意見があることを自覚した先に、
「表現したい」がある。
だから、私自身が、心が動いたコトを伝えようと。
「聞いて、聞いて。」って言いたくなる内容に。
でなければ、生徒のココロにも響かない。
スルー確定(笑)
ということで、
「ピピッときたのを紹介」
私の授業目標。
提出できない裏目標(笑)
けど、M先生のおっしゃることもわかる。
目標を具体化しなければ、意識が散漫。
エネルギーを注げない。
ピピッときたのが、こちら。
作家の柚月裕子(ゆづきゆうこ)さんが、
将棋の藤井聡太さんの強さの秘訣を
> 「誰かに勝ちたい」でも
> 「何かを得たい」でもなく、
> 将棋自体と戦っているからだ。
「将棋自体」って(笑)
どうやって戦うんだ?
そもそも何をもって「勝つ」の?
> 目に見えるものと戦うと、
> 成長はそこまでになってしまう。
なるほど。
深いなあ~。
おもしろい観方だね。
将棋自体と戦っている人に
藤井聡太と戦ってる人は勝てないよね。
次元が違う。
けど、「戦ってる」のかなあ~。
藤井聡太さんは。
たしかに、対局中は真剣な顔つきだけど。
彼のコメントには、「敵を倒す」とか、
そんな気を観じないんだよね。
毎局、「将棋の神」の試練を味わってるというか。
目に見える相手と戦っているように見えて、
目に見えない「将棋の神」と戯れている。
対峙してないんだよな~。
雰囲気が。
融合しているっていうか。
「そのもの」になってる。
戦う気がない。
敵がいない。
「無敵」。
意識の焦点が違う。
並みいる一流棋士でも歯が立たない。
その理由は、そこに。
「将棋自体」を目標にした時点で、
何を得るかは、その時の自分により異なる。
しなやかだよね~。
明確な答えがない世界に身を投じられるのは、
器が大きい証拠。
つい確かなものを得たいって思っちゃうから。
光GENJIもびっくりの
「壊れそうなものばかり集めてしまうよ」。
過去記事でも登場の『ネガティブ・ケイパビリティー』。
「超」のつく一流って、みんな、そうじゃないかな。
プレゼンの授業に置き換えれば?
「伝えるとは?」
「わたしとは?」
「人生とは?」
こういう目標設定もありだね。
けど、問い続けないと意味がない(笑)
その問いが具象化につながる。
藤井聡太さんが、「AI」を選択したのも
「将棋とは?」の問いに対する具象化。
あなたにとっては?
今日は、これまで。