最期まで。
昨日の続きです。
午前11時21分。
呼吸が止まったと連絡が。
再び呼吸が戻ってから、
「13時8分。ご臨終です。」
2時間近く。
心臓が動き続ける。
ドクターの確認も3回目。
再び呼吸が止まってからも
消えそうで消えない母の拍動。
「こんなに強い心臓をお持ちの方は、初めてです。」
骨が浮き出た瘦せこけたカラダ。
どこにそんな力が。
強いのは、心臓だろうか。
母が時間をつくってくれたおかげ。
弟、叔父、孫たちに囲まれて。
ひとり一人、お別れの言葉を。
最高の看取りじゃないか。
救われたんだよ。
私は。
(もっと〇〇してあげられなかったか・・・。)
日に日に痩せこけていく母を見ながら。
いまさら後悔しても仕方がない。
わかっていても、胸がしめつけられる。
本当に幸せだったのだろうか。
祖父ともうまくいかず。
離婚したいと、実家に駆け込み。
そっけない息子。
これといった趣味もなく。
人付き合いも苦手。
外に出るのも好きではない。
唯一、父とは仲睦まじく。
「なんでこうなってしもたんやろ・・・。」
カラダが思うように動かない。
ため息とともに母がこぼす。
「なんでこう・・・。」
最期まで母がそう思っているのでは。
だったら、ツラいな。
看取りを前に。
ずっとそう思ってた。
残された時間。
できるだけ、一緒にいたい。
けど、顔を見るのがツラい。
いまさら、何もできない。
救われたんです。
私は。
母がほんとに最期まで。
人生を嘆いていたのなら。
一度止まった呼吸。
再び戻してくれただろうか。
いろいろあった。
いろいろあったけど。
最期は、すべて受け容れてくれたのではないか。
耳元でよびかけた時。
わずかに動く口元をみながら。
そう感じた。
感じさせてくれた。
最期まで、
息子の私に与えてくれた。
家族に囲まれて。
お別れの言葉を交わし。
穏やかに。
ほんとに穏やかに。
静寂のときを迎える。
ゆっくりしてね。
光の世界で。
ありがとう。
生んでくれて。
私は、幸せです。