点数以上に。
週イチ非常勤の私立高校。
学年末テストが終わり、
職員室では採点作業の真っ最中。
20代のイケメン、Y先生。
世界史を担当。
赤ペンを走らせ、黙々と作業中。
やってますね~。
おっ、○組のWさんの答案用紙。
・・・あー、派手に間違えてるなあ(笑)
追試決定だな。
Y先生、しかめっ面かと思えば、満面の笑み。
苦笑いでもない。
白い歯が見えてる。
豪快に間違えてるからですか?
「いえ・・・」
はい、ちょっと待ったーっ。
赤点のWさんの答案用紙。
Y先生がご機嫌なのは、なぜ?
これも衝撃だったわ。
なるほど、そこを観てるのかと。
正解は・・・
「空欄がないんです。」
えっ?
「すべて答えを書いてるんです。」
・・・あっ、たしかに。
ほとんど間違えてるけど(笑)
Wさんは、就職組。
出席日数もOK。
追試さえ受ければ、
卒業は大丈夫。
正直、学年末テストの成績は、何点でもいい。
実際、進路が決まると、ほぼ白紙の生徒もいる。
「テストをちゃんと受けてくれたことが嬉しいんです。」
世界史だけ、好きなわけではない。
というより、全教科得意ではない。
いつも授業開始5分で爆睡。
席、一番前なんだけど(笑)
勉強は苦手だが、人には誠実。
約束は守るし、義理がたい。
彼女なりのケジメだな。
Y先生への誠意とも。
赤点の答案用紙。
ほっとやすらぐ職員室でのひとコマ。
たまには、こんなのもイイでしょ。
今日はここまで。