ちょっとは、ゆるめたかな。
「なかなかバイト代がたまらへんねん。」
２年生のＡさん。
ファミレスのホール担当。
いろいろ欲しいものあろうだろうし。
ついつい遣っちゃうよね。
で、貯めて何が欲しいの？
「美容整形に行きたいねん。」
えっ。
高２でしょ。
アイドルでも目指してるの？
「ううん、自分の顔がほんま嫌いやから。」
そうなん？
彼氏いるって、言ってたやん。
「うん、それはいるんやけど。」
彼氏に何か言われたの？
「ううん、子どもの頃からずっと。」
鏡を見るたび、ため息。
早く高校生になってね。
アルバイトしたかったと。
さすがにプランも練られてます。
Ａさんの中では、段階があってね。
まずは、鼻。
次に、まぶた。
最後に、アゴ。
百万円以上、かかるんだって。
ご利用は、計画的に。
で、整形が完了したら、何が変わるやろ？
「うーん、自信が持てる。」
ってことは、いまは自信がないってこと？
「うん、全然。」
けど、落ち着いてるし、芯強いし。
「よお言われる。けど、自分のこと、嫌いやから。」
そっかあー、ほんまに欲しいのは「自信」やねんな。
美容整形はその手段ってことか。
「それしかないやん。顔が原因やねんから。」
まあ、そうなるな（笑）
ところで、「自信」って言葉な。
「自分を信○する」
の略やねん。
○には何が入ると思う？
「えっ、何やろ？・・・うーん、あっ「頼」や。」
おー、正解。
「信頼」やな。
けど、実はもうひとつ、あるで。
どんな漢字やと思う？
「えっ、何やろ？簡単な字？」
そうそう、５画かな。
「・・・あっ、「用」や。」
はい、正解。
「信用」もあるな。
じゃあ、「信用」と「信頼」の違いって、何やろ？
「えっ、同じじゃないの？」
同じっぽいよな（笑）
先生も似たようなもんやと思ってた。
けど、この違い知ってたら、お得やで。
特に、いまのＡさんには。
「うーん、あたし、国語苦手やねん。」
降参か（笑）
じゃあ、よお聴いときや。
・「信用」・・・これまでの実績に対しての評価。
・「信頼」・・・相手を信じるという自分のあり方。
信用は、実績が要るから、「条件付き」。
信頼は、自分で決めるだけだから、「無条件」。
過去記事もご参照してね。
「先生、それ、紙に書いて。」
ああ、はいはい。
写メるのね。
「もお、先生、字汚いわ。」
悪かったな（笑）
ああ、自分でスマホにメモるのね。
それがええ。
親指の動き、神技やな。
入力したメモをじっと見るＡさん。
ココロの中で反芻してる。
「・・・先生の言いたいこと、何となくわかる。」
おお、そうか。
何となくでもわかるか。
やっぱりあんたは、賢いな。
「けど、まだ気になるのは、しゃーないやん。」
うん、しゃーない。
「仕方がない」ってことね（笑）
けど、覚えてもうたやろ？
「うん、結構、覚えた。」
「結構」って（笑）
ココロに入ったのあったら、いつかつながるよ。
貯金、他のことに遣えるかもしれんで。
「そしたら、何かおごったるな。」
ああ、期待してるわ（笑）
あっ・・・ほら、チャイム鳴ったで。
これぐらいがちょうどいいなあ。
以前の私だったら、
「自分にダメ出ししてるから、自信が持てないんだ。」
とか、修造チックに熱く語ってた（笑）
真冬にウザいよね。
「教えよう」と気負うとね。
つい与え過ぎてしまいます。
「正したく」なるんだよねー。
まだ、これでも与え過ぎかも。
「する」ではなく、「なる」。
その場に「起こる」にゆだねる。
ボー観と同じ。
その身体感覚で日常を過ごすと、実践しやすい。
Ａさん、素直に受け取ってくれて、ありがとう。
私もいい勉強になりました。
そうなってもいいし、ならなくてもいい。
けど、期待してもいいよね。
何、おごってくれるんやろ（笑）
では、今宵はこのあたりで。
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