ご多分に漏れず、コロナ渦で新たにはじめた趣味が動画配信サイトでのドラマを観ること。
一昨年地上波で放映された韓国歴史ドラマ「不滅の恋人」に嵌って以来、韓流歴史・時代劇に夢中になっています。
韓国歴史ドラマと日本の歴史ドラマの違い
普段から現代ドラマにはほとんど触手の伸びない私なのですが、なぜ歴史ドラマ、中でも韓流歴史ドラマに嵌ってしまったのか考えてみると、やはり、誰もが生きることに命がけだった時代の切迫感に心が動かされたせいなのかもと思いました。現代では、仮にそういった緊迫した設定があっても、どこか絵空事のように見えるからなのかも知れません。
また、もう一つの決定的な要因としては、韓国の歴史ドラマと日本の歴史ドラマの描き方の違いが挙げられます。韓国の歴史・時代劇は、日本のそれとは大きく内容や描き方異なっていて、日本の歴史ドラマが、武将や偉人の活躍を、史実に準じた形で描かれた男性中心の物語なのに対して、近年制作された韓国の歴史ドラマは、中には例外もありますが、権力争いを繰り広げる朝廷の人間模様を、柱となる史実だけを残して、大胆な脚色を加えて描かれており、特に恋愛に焦点をあてたものが多い印象です。
日本の歴史ドラマがおっさん好みなディテールなのに対して、韓流歴史ドラマは、女性好みの要素がふんだんに織り込まれた雰囲気なのです。
そんな韓国歴史ドラマの中でも、私がもっとも感涙・感動したオススメの作品が「七日の王妃」。
普段、冷淡でひねくれ者の私が、最終話、いつまでも嗚咽が止まりませんでした。それどころか、この世界に生を受けてから今までの中で、ドラマをはじめ映画や小説などの他分野を含めても、ここまで感涙した経験はないと言い切れるほどの心を動かされた作品となりました。
七日の王妃は実話なのか・史実との違い モデルは誰?
ヒロインは16世紀李王朝に実在した端敬王后。11代朝鮮国王中宗の妻で、7日で廃妃となった悲劇の王妃です。
中宗の兄である10代国王燕山は、非情な暴君として権力を誇っていましたが、反旗を翻した朝廷内部の勢力によってクーデターが起こされ、中宗がいわば担がれる形で新たな王の座に就きます。端敬王后と中宗は、10代の早い時期から婚姻関係にあり、その夫婦仲は非常に良かったとされています。しかし、端敬王后の父親が燕山の側近であったこと、さらには燕山の妃が父親の妹であったことから、新勢力の反対に遭って、端敬は廃妃となり、二人は離縁させられてしまうのです。
最後まで廃妃に反対していた中宗は、王宮を去った端敬王后が暮らす実家の仁王山を、一人しばしば眺めていたと言います。その話を知った端敬王后が、山の岩に自分のチマをかけておいたことから、今でもその岩のことを人々は「チマの岩」と呼んでいます。
二人は、その後、中宗が亡くなる1554年まで38年間、二度と会うことはなかったと言われていますが、古文書には、中宗がいまわの際に一人の尼を枕元に呼び寄せられたという記述が残されており、それが端敬王后であったのではないかという説が長く語り継がれてきました。
物語は、この軸となる史実のみを残して、大胆なアレンジを加えて、二人の運命を叙情的に描いていきます。
七日の王妃のあらすじ
当初はその計画に反発していた晋城大君ですが、次第にチェギョンの温かい人柄を知るにつれ、深い愛情を感じるようになり、政略結婚ではない互いの意思での結婚を誓い合います。
しかし、先王の残した「弟の晋城大君が20歳になった際、王座を彼に譲るように」という遺言の存在に疑心暗鬼に駆られた兄の燕山の策略によって、無実の罪を着せられ、晋城大君は流刑地に送られてしまいます。さらには、出世をもくろむ燕山の臣下の一派に襲われ、瀕死の重傷を負うことに。
5年後、竹馬の友らと密かに反乱組織を立ち上げ、自分を死の淵に追いやった復讐心と、人民を苦しめる悪政を続ける兄燕山の打倒を胸に晋城大君は密かに都に戻って来ます。
死んだはずの晋城大君のことを思い続け、独り身でいたチェギョンと再会を果たすのですが、兄の忠臣である父親を持つ彼女に、自分が都に戻ってきた本当の理由を話せない晋城大君は、冷たい態度を取ってしまいます。
しかし、胸に秘めた彼女への思いをついに隠しきれなくなった晋城大君は、燕山の前に現れ、二人の婚姻の許しを請うのです。
やがて二人はめでたく結ばれます。しかし、晋城大君らの反乱の計画は続いており、徐々にその事実が露見し始めます。兄の忠臣であるチェギョンの父親に諭された晋城大君は、一旦は計画を中止し、田舎で朝廷から距離を置いて夫婦二人での生活を送ることを決意します。しかし、さらなる悪政で民衆を苦しめる兄の姿と、自分の身代わりに反乱軍のリーダーとして親友が処刑となったことをきっかけに、再び反乱軍を率いて、晋城大君は兄の燕山と対決することになります。
結果は晋城大君側の勝利に終わり、兄燕山に代わって彼は中宗として王位に就きます。しかし、クーデターの最中、反乱軍によってチェギョンの両親は殺害されます。さらには、そんな前王の重臣だった父親を持つチェギョンを王妃に据えることに新たな朝廷の重臣達は一斉に反対の意思を示します。
懸命に説得を試みる中宗でしたが、反発の声は止まず、ついには力で王妃の失脚を目論む臣下までもが現れ始めます。
絶対に別れたくないと涙を流す中宗に、チェギョンは靜かに語りかけます。「別れることで王様をお守りしたい。何としても生き抜いてくださいと」と。「一緒にいられなくともこれから1日生きぬくことで、1年生きることで、10年生きることで、100年生きることで、相手を愛している証になる」と。
王宮を靜かに去っていくチェギョン。やがて、38年の月日が流れ、中宗危篤の知らせに、宮殿に招かれるチェギョン。
若い頃の姿に戻った二人は並んで手を取り合います。
「よく一人でがんばられました。おつらかったでしょう」と中宗を慰めるチェギョンに、「ようやく戻ってこられた。お前がどこにいるか知っていたからこの座を守れた」そう穏やかなくつろいだ表情で言ってチェギョンの膝の上に頭を置く中宗。「ここがあなたの家だからゆっくり休んでください」とやさしく語りかけるチェギョン。
ストーリーはこんな形でラストを迎えます。
七日の王妃 キャスト~子役が今ひとつ~
正直、ドラマの前半は、さほど好きな作品には思えませんでした。
理由は、チェギョン役の子役のキャラクターと成人してからの彼女のそれとがあまりにも乖離していたからです。
少女時代のチェギョンのキャラクターは、がさつで無知な一本気な少女、という立ち位置だったのですが、後半の成人後のチェギョンは、聡明で思慮深く、深い愛情に満ちた非常に魅力的なキャラクターに変貌を遂げていました。過酷な運命の中で磨き上げられた人格ということなのかも知れませんが、同一人物とはどうしても思えない変化なのです。
七日の王妃の主なキャスト
シン・チェギョン役(後の端敬王后) パク・ミニョン
晋城大君役 ヨン・ウジン
燕山君役 イ・ドンゴン
シン・スグン役(チェギョンの父・燕山君の忠臣) チャン・ヒョンソン
クォン氏役(チェギョンの母) キム・ジョンヨン
慈順大妃役(晋城大君の母) ト・ジウォン
ソノ役(チェギョンと晋城大君の友) ファン・チャンソン
ユン・ミョンヘ役(晋城大君の恩人でチェギョンの恋敵) コ・ボギョル
シン氏役(チェギョンの叔母で燕山君の妃) ソン・ジイン
チェギョンの少女時代役 パク・シウン
晋城大君の少年時代 ペク・スンファン
七日の王妃 相関図
七日の王妃 最終回
しかしながら、晋城大君が生還し、婚姻を経て、宮中での権力争いの渦に巻き込まれながらも、互いを命がけで守り合う晋城大君とチェギョンの姿に、真実の愛を見ている思いでどんどん引き込まれていきました。
特に、最終回、チェギョンと別れて寂しさに耐えられなくなった中宗が、彼女の家を訪れるシーンは印象的でした。庭先で物陰に隠れ、会いたい思いを必死にこらえて、「もう約束をお忘れですか」と彼を諫めるチェギョン。
王にならなかった中宗とチェギョンが二人の邸宅で暮らし、子供が生まれ、賑やかで幸せな日々を送り、夜は手をつなぎ合って眠る。
そんな夢を見て豪華な宮殿で一人目覚める中宗の落胆と寂しさ、悲しさ。
一緒にいた頃の記憶を頼りにチェギョンが縫い上げて贈った上着を着て、一人星空を眺める中宗。その空を違う場所からチェギョンも見上げています。
そして、ラストシーン、いまわの際の夢の中で、チェギョンの膝に頭を置いて眠りにつく中宗。
強さと包み込むような愛情に満ちたチェギョンに対して、そんな彼女を一途に思い続ける晋城大君は、勇敢さや優しさの中に、少しだけ情けなさを感じる人物として描かれていて、そこにフィクションでありながら、生き生きとしたリアリティを感じました。
女性は、私自身も含めて、いつの時代も、完全無欠な聖人君主ではなく、少しだけ情けなさを持った男の人に惹かれるものかも知れません。もっとも全くの情けないだけの男は問題外ですが(笑)
史実でも、端敬王后は、晋城大君より1歳年上の姉さん女房で、クーデターで味方の兵士が館を取り囲んだ際には、兄の燕山が兵を送り込んできたと勘違いして怯える晋城大君を、端敬が冷静に落ち着かせたとあります。
まとめ 七日の王妃は泣ける切ない物語であるとともに人生について気付かせてくれるドラマ
この最終回を見終えた日の夜、涙が止まらないまま床に就いた私の中で、様々な過去の思い出がよみがえってきました。
叶わない思い断ち切った時の涙。やがて出会った相手を長く愛しながらも、思わぬ事情で二度と会うことのない別れを迎えた時の悲しさ。深く傷ついた心が何年も癒されなかったこと。
今はもう、すっかり一つの過去として、しっかり乗り越えられたと思っていたそれらの感情が、不意に胸の奥からあふれ出て、自分の人生にはもう何も残されていないように感じられて、深い哀しさと寂しさに襲われました。
このドラマの二人のように、一途に相手を思い合う出会いはもう今世でないとしたら、なんと空しい人生なのだろうと。
しかし、しばらくして、はたと気がついたのでした。
それもこれも、確かな経験なのだと。
喜びも悲しみも、寂しさも、全てが経験なのだと。
だからこそ、自分には、この物語の、そしてこの世界に生きる人々が味わう寂しさや切なさが、理解できるようになったのだろうと。
「七日の王妃」は、そんな様々な思いと気付きを私にくれた素敵な物語です。
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