こんにちは院長の中島です。

運動することは体にいい事であるということは皆さん、ご存じだと思います。

 

  • これは古代ギリシャの医師ヒポクラテスの言葉でも

”Walking is man's best medicine ”(歩くことは人間にとって最良の薬である)

 

  • 1950年代におけるロンドンバスの運転手と車掌の心臓病の発症を比較したコンフォート研究

身体活動の不足は心身の健康に悪影響を及ぼす

 

  • 身体活動の頻度と健康について

weekend warrior(週末戦士):1~2日/週の実施頻度であっても推奨される基準を満たす者

国際的な身体活動ガイドラインでは中高強度の身体活動を週150分以上実施することが推奨

 

この推奨値を満たす活動パターンは

1.      30分/日の運動を毎日、実施する場合

2.      100分/日の運動を週2回実施する場合

身体活動を実施する頻度に関わらず推奨量を満たすことは総脂肪やがん死亡循環器疾患の死亡率を低下させる

 

  • 週1週間の歩行パターンと死亡リスクの関連を検討した研究

 

➡週に一度程度でも目標歩数一日8000歩を達成することが健康に良い影響をもたらす。

 

➡定期的な運動が困難な場合であっても、週に数日でも運動をまとめて実施することで疾病リスクの軽減が期待できる

 

  • ウェアラブルデバイスが進歩普及し、身体活動の客観的な評価が可能

➡日常生活に存在する低強度の身体活動や細切れの身体活動の評価が可能 

 

1.      中高強度の身体活動時間は一日の中でわずか45分から75分程度(覚醒時間に占める5~7%程度)

 残りの時間は座位行動と低強度の身体活動に占められていた

 

2.      低強度の身体活動は総死亡やがん死亡、心血管疾患の発症リスクを低下させる

 

3.      中高強度の身体活動量の多寡に関わらず、低強度の身体活動が多いことは死亡率の低下と関連している

 

4.      低強度の身体活動の効果は中高強度の身体活動のレベルが低いものでより大きい

 

★ ★ 5.      特に加齢に伴い身体機能が低下した高齢者では中強強度の身体活動だけでなく低強度の身体活動によっても健康効果が期待されています

 

6.      “Every Move Counts”(ちょっとした動きにも意味がある)

身体活動の強度や継続時間にかかわらず、今よりも少しでも身体活動を増やすことが健康づくりにつながる

 

中高強度だけでなく、低強度の身体活動も健康長寿と関連があるということでした。

どんな些細な事でも動いて身体機能を向上させましょう

 

参考文献 

  • 天笠志保:身体活動と健康長寿:強度別の身体活動に着目して Anti-Aging medicine.2023 oct.vol.19 No.5: p23-27