小田原文化財団 江之浦測候所 ~杉本博司の世界~ | Arte, arquitectura y espacio-tiempo conectados a España.

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美術、建築、空間が好きです。それらに触れられる時間が愛しい。そして何故か、私の感性はスペインに繋がる。

小田原文化財団 江之浦測候所

 

へ?どこ?!と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

写真家・美術作家 杉本博司氏が設立した美術展示施設

 

相模湾が一望できます。

 

1年以上前の話になりますが、

2018年12月表参道スパイラルガーデンで開催された建築家田根剛氏杉本博司氏の対談の中で、

江之浦測候所が話題に挙がり、お二人は盛り上がっていました。

建築・アートは時間(時代)を超えるものという共通の考えがある様子。

(対談内容の記述はありませんが、当時展示されていた田根剛氏のインスタレーションについてのブログはこちら☆

 

ここの特徴は、春分・夏至・秋分・冬至に太陽光が観測できる場所が設けられていること。

 

これは海抜100メートル地点にある長さ100メートルのギャラリー。

夏至光遥拝100メートルギャラリー

大谷石の壁面には杉本さんの写真作品が展示されています。


夏至の朝、海から登る太陽光がこの空間に数分間駆け抜けるそうです。

先端は屋外展望スペースになっています。

 

 


こちらは光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席⬇️

⬆️左側の海に突き出た錆色の直方体は冬至遥拝隧道


観客席はイタリアのフェレント古代ローマ円形劇場遺跡を実測して再現している。

⇒小振りな劇場でした。

 

冬至光遥拝隧道は長さ70メートル。

冬至の朝、陽光がこの隧道を通り手前に置いてある石を照らすそう。

 

 

光学硝子舞台

檜の懸造りの上に光学硝子が敷き詰められた舞台。

懸造り(かけづくり)とは、京都清水寺の舞台で用いられている床組の方式。

冬至の朝、硝子の小口に陽光が差し込み輝くらしい。

 

などなど・・・・。

建築の他、茶室や庭園、石造などが配されています。

じっくり回ると観賞時間は2時間~2時間半。

 


 

杉本博司氏。

かつての対談イベントでは、お喋りなおじ様という印象でしたが、作品は大変シンプル。

ここに蒐集された作品から、その感性が伺い知れたように思います。

 

素材の質感そのまま。色や何かを加えていない造形が集まった中にいると、

研ぎ澄まされた何かがチクリと刺さるような感覚を覚えました。

 

そんな中、時折現れる自然にホッとします。

 

 

晴天に恵まれてよかった。

 

 

▼見学概要とアクセス

見学は日時指定の予約・入れ替え制となって、サイトから入館チケットを購入します。

(当日券もあるようです。)

施設の特性上(安全性の考慮により)、中学生未満は入館できません。

 

公共交通機関で行くには、

小田原駅からJR東海道線で10分足らずの根府川駅から無料シャトルバスが利用できます。

バスを利用する場合、チケット購入と同時に予約が必要です。

 

可愛い無人駅。

 

駅の反対側(海沿いの国道)で、海鮮料理を頂きました。

お刺身はもちろん、天ぷらもとても美味しかったです。

野菜も魚もフワフワに揚がっていました。

お店からは海が臨めます!

斜面を下って海岸沿いに行くので、帰りの登りはキツかったですが、

国道沿いには干物やみかんの販売所があり、楽しめます。