五、我執を無くすこと
ところで無明とは原始仏典である「法句経」に、
「無明(無智)こそ最大の汚れである。比丘(出家者)たちよ、この汚れを棄てて、汚れなき者となれ」と書かれています。
すなわち、真理を悟れと言うことなのです。
それには三昧(精神統一)によって自我の働きを棄て、自己の如来(佛性)の働きに任せるだけですが、そのまかせると言うことにも捉われないことであると説かれているのです。
無明とは何も解らないと言うことであり、無知と言うことです。だから真理を学べと説いているのです。
しかし人間は我執(自己本位の考え)を無くすことは出来ないのが現実です。
人間が生存するのには他の生あるものを食べなければ生きていけないのです。
人間は体に入ってきた細菌という生物や体に合わない物質は捕食し排除しているのです。
このように考えてみると人間から我執(自分本位の考え)を取り去ることはなかなか難しいものであることは間違いない事実です。
同時に人間と言うものには善悪を知る智慧、すなわち、佛心(良心といってもよい)と言うものの存在も認めないわけにはいけません。
もしそれが無ければ、人類の秩序もなにもなくなって、人類は消滅してしまうでしょうからです。
人類が消滅しないのは心の何処かに善なるものが存在して悪に向かう心を制御しているからにほかならなのです。
だから人間は常に修行しなければいけないとお釈迦さんは言っているのです。
修行と言うと、苦行をしなければならないように思われますが、悪業を創らないように努力することも修行なのです。
正しい智慧(菩薩の知恵)を得るように努力しなさいと言っているのです。
それは各自の能力に応じて行うことであって、それは自分自身で決めることです。
即ち、「自燈明。法燈明。=自ら(自分)を頼りとし、法(自然の法則)を頼りとせよ。」と言うお釈迦さんの最後の教えが示しているようにです。
お釈迦さんは決して神や佛の助けを借りて自己の目的を遂げなさいとは言っていないのです。
人間は極楽にもいれば地獄にもいる存在です。
その何れを生きるかの選択は自分が選ぶより仕方のないものです。
大酒飲みは肝臓を悪くし、贅沢によりおいしいものを腹一杯食べて脳血管や心臓疾患になるのも正しい智慧の欠如からなのです。
解らないことは知識を得ることによって少しでも理解し、理解が出来ればそれによって自分自身の心が少しでも明るくなれるのです。
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戦中=軍隊(旭川―釧路―東京=東京大空襲―長野―終戦)
戦後=昭和21年(神戸=MPと遭遇)-昭和22年(東京=進駐軍の横暴)
戦後海外で活躍した旧軍人など。