我妹子に 恋ひてすべなみ 白栲の
袖返ししは 夢に見えきや
(万葉集2812)
「男」
あなたに逢いたくて恋しくて、白栲の袖を
折り返して寝ました。あなたの夢に見えた
でしょうか。
我が背子が 袖返す夜の 夢ならし
まことも君に 逢ひたるごとし
(万葉集2813)
「女」
あの夢はあなたが袖を返して寝た夜だった
のですね。まるであなたに直にお逢いして
いるようでしたよ。
万葉の時代には、袖を折り返して寝れば
好きな人に夢で会えるという、おまじない
のようなものがあったようです。
それにしても、女の応えは、漫才としか
思えない。