セーラームーン世代の私は14歳くらいまでは本気で自分にはセーラー戦士になる運命がある(またはその可能性がある)と思っていました。言葉がしゃべれる不思議な猫にその数奇でロマンティックな運命をいつどこで告げられてもおかしくなかった。ところがそうじゃないらしいと気付いてからはSF小説、特にタイムトラベルものにハマった。大人になってしまってもある日突然自分だけ時空の歪みに気付いてしまう可能性がある、と思っていたのかもしれない。(今も)

そして私のなかで今また第二次タイムトラベル小説ブーム。
タイムトラベルものといってもいろんな種類がある。過去へ行く。未来へ行く。18年がループする。25年がループする。24時間がループする。10分間がループする。人類全員が巻き込まれる。自分一人だけがリプレイする。親友がタイムトラベルするのを、横で見ている。
ケン・グリムウッドの『リプレイ』は何度も読んで何度も人に貸してもはや今手元にないけど、次また買ったら何冊目になるんだろう。母親も何度も買い直してるらしい。

映画も好き。最近『LOOPER』と『ミッドナイト・イン・パリ』を観ました。どっちもタイムトラベルするけど全っ然違う。共通しているのは、タイムトラベルのシステムのドラマティックさより主人公の日常の精神性の描写が重要なこと。小説でもそうだけど、SFだけど、エッセイのような、私小説のような、繊細な恋愛小説のような、そんな物語の延長線上に異世界が存在するところに夢がある、つまり、やっぱり、自分の生活感のある日常にもそんなことが、あるかもって思ってるのかしら?

ああ、もし将来結婚して、子どもができたら、はやいところタイムトラベルものに夢中になってもらって、夏休みの自由研究では一緒に各作品のタイムトラベルの種類を表にして模造紙にえがきたい。