明治時代、
精工舎が発売した高級機の座敷時計シリーズに
「小角丸」
というのがあります。
当時、よく売れていた商品のようで、
明治期から、座敷時計の生産が終了する
昭和初期に至るまで、
消えることのなかったロングセラーモデルです。
実際、アンティーク時計として売られている
今日の市場でも、よく見受けられ、
不思議なことに、今も良く売れています。
本日ホームページを更新いたしましたが、
モデルチェンジをしてきた、
この 「小角丸」 の全機種が入荷いたしましたので、
(といっても、3機種だけですが 笑)
その変遷をご紹介したいと思います。
明治時代の小角丸、
一番の特徴は文字盤がホーローであったこと。
ぶつけたりすれば、クラックとなって、割れたり欠けたりしますが、
扱い方さえ誤らなければ、半永久的に白いです。
何より、高級感がありますね。
そして、この、ホーロー文字盤を搭載しているケースに限って、
サイドは、細長いガラス窓。
デザインにも一役かっています。
さらなる量産に至った大正時代から昭和初期、
ホーロー文字盤を搭載した機種は、
すべて生産中止になったようですが、
小角丸は、その後の代用部品、
メタル文字盤になってからの座敷時計シリーズにも
唯一名前を残し、継続販売されています。
ケースの印象が、かなり変わったように思います。
サイドのガラス窓も、小さくなりました。
そして、こののち、わずか数年後のことだと思いますが、
最後のモデルチェンジ、
文字盤は、メタルに、白のペイント製となります。
ケースのデザイン、サイドのガラス窓も
まったく同じです。
ちなみに、
「小角丸」
というぐらいですので、
その名の通り、 これより大きなモデルで
「角丸」
という商品もありました。
こちらは、ホーロー文字盤。
ホーロー文字盤での生産が中止となった時、
その名も消えてしまいました。