和魂洋才 タテめし文化とヨコめし文化
 
日本でイタリアン料理店が流行りだした1980年代であったか、芸能人特にミュージシャンの方々が使っていた業界用語。ほら芸能人がよく、ものの名前を単語を逆にに言ったり省略したりするあれ。和食のことを「タテめし」、洋食のことを「ヨコめし」と言っていた。横書き文字の料理、縦書き文字の料理ってことからであろう。
 
「和魂洋才」は明治維新の頃、日本人が本来持つ日本文化・伝統の精神を尊重しながら、西洋の文化・技術を修得しようとして言われた言葉。
 
時は流れて、インターネット・スマホ文化が開花した平成・令和の現代、自分が感じた考えた「トリセツ」の話を書きます。
 
割りと以前から思っていたのは「SONY」の取り扱い説明書のたぐいって、横文字文化的だなということ。戦後しばらくして世界中に日本製のトランジスタ・ラジオを売り歩いたことで会社を大きく発展させたソニー。英語文化・ヨコめし文化に早くから親しんでいた会社になる。
 
日本語の小説などの書籍・本は普通縦書きだ。だがコンピュータの画面では日本語を横書きで表示する。中国語も本来縦書きであろうがこれも漢字を横書きでコンピュータ上で表示する。一方英語の文章はコンピュータ上でも元から横書き表示だ。
 
縦書き文字文化と横書き文字文化、それは話す言葉・単語の並び方、使用文法の語順語彙、「てにをは」がちがっていたりすることからの違いがあるだろう。漢字は「表意文字」漢字一文字に意味を表す。アルファベットは表音文字。ひらがな・カタカナも表音文字。日本語は表意文字の漢字と、表音文字の平仮名・カタナカの両方を使って表記する。
 
コンピュータが発達した現代、SONYの商品やゲーム・ネットコンテンツの取り扱い説明書・仕様書を自分が読んだ時、ヨコめし文化的だなと感じる。英語の文章のような説明の流れ、手順なのだ。
 
一方楽天のWebページを見るとき、なんだかスーパーマーケットのチラシみたいって思う。サイトの仕様がとってもタテめし的。一般の個人商店などが集まって出来ているショッピング・モール的な楽天市場は日本人の商店主さんの感覚を尊重しているからだろう。
 
アマゾンのWebサイトの方が自分は見やすい。わたしの地元小田原にはAmazonの巨大倉庫があるのだが、アマゾンの商品はアマゾン・ジャパンが管理して売っている品と、楽天のような個人商店が出店しているマーケット・プレイスの二つから出来ている。だから地元Amazonの巨大倉庫に管理されている商品は届くのが早い。世界的な規模で各国・各地でネット通販サイトを展開しているAmazonのWebサイトの仕様・トリセツは、その表示の仕方が日本語サイトであってもよく練られている。
 
日本にGAFAのような巨大IT企業が誕生しなかったのは、コンピュータのヨコめし(横文字文化)のせいなのかなと一寸想う。
 
自分がこのAmebaブログが好きなのはトリセツがコンピュータ本来のヨコめし文化と日本的なタテめし文化の両方をバランス良く表示してくれているところ。「はてな」の会社がエンジニアの横文字・プログラミング臭が強いのとは違って、日本人の「ミーちゃんハーちゃん」が使用することをたくさん意識して作っているアメーバの方がおばんさんの自分には馴染むのだ。
 
LINEも世界展開しているアプリだけど、これはタテめし文化の日本人が、西洋式ヨコめし文化を意識してタテからヨコへと上手く寄せながらバランス良く作った感がある。
 
昭和前期の生まれの純粋日本人であるおばさんのわたしはGoogle日本法人のトリセツがとっても苦手だ。FacebookとInstagramも得意じゃない。ヨコめし臭が私には強すぎるから。
 
「おもてなしの国」ニッポンが、これからグローバル化の世界で生きていくときに「和魂洋才」の気持ちは忘れるべきではないだろうと想う。タテめしの良さをヨコめしと上手くマッチさせながら、日本の文化を売り込んで行くべきであろうと想う。
 
それにはコンピュータの中にある洋才(ヨコめし)をたくさん学習して修得をして、それに和魂(タテめし)の良さをバランス良くハイブリッドすることから始まるのだと想う。
 
若い人の奮起に期待する。