早く逝ってくれ
楽にさせたいと願う妹
期日までに終わらせたいと思うみろく
動機は違えど
願いは同じだった。
引き寄せてみるか。
動機不純とは言え、自己の中に入って考えている。
いつ、何を、どのくらい(どうやって)
条件は揃っている。
潜在意識をコントロールして、母の旅立つ日時を引き寄せてみよう。
先日、なかなかやってこないタクシーを引き寄せた。
引き寄せる自信もあった。
意識を集中させた。
でもさすがに人の命はコントロール出来なかった。
こんな時に何やってんだ。
「帰ろう」
数日もつか分からない。そう言って、なんとか休暇をもらったものの、会社だっていつまでも休む訳にはいかなかった。
「俺、帰るね。」
最後は看取りたかったが、その願いも叶いそうにない。
「お兄ちゃん、すぐ帰ってくるよ。」
能天気な弟が空港まで送ってくれた。
行きの機内では「生きていて欲しい」と思っていたのに、帰りの機内では、メンターに会えるか、そのことが気になってくる。
母の最後を迎える日とメンターに会える日を天秤にかけている。
自分がクズとしか思えなかった。
妹や弟から、母の報告がある。
苦しくて、辛そうではあるが容態は安定している。
母の意地悪ではないか。そんなことすら考えてしまっていた。
今まで一生懸命支えてきてくれた母
そんな恩すらどこかに忘れ、自欲に走る息子
そんな自分が許せなかった。

