わたしの頭の中を
図書館に例えれば
機能しているのは
おびただしい数の本のうち
わたしが読んだことがある本
くらいに
ほんのわずかに違いない
知らないことが
多すぎて
まごついてしまうけれど
少しでも
頭を使いたいから
氣になった本を毎日時間をとって
読んでみようと思った
名前はもともと知っているのに
その作家の本は
はじめて手にとった
本そのものが古いため
漢字が古い字体で
仮名遣いも違って
読めるかどうか
自信がなかったけれど
内容は深く
趣があって
栄養を吸収するように
読み始めたら止めるのが
難しくなった
戦後すぐの作品でも
いいまわしが
古風で
会話文も
美しい
まるで古典を読んでいるように
錯覚しそうになるけれど
さすがに
意味はわかるところが
ありがたい
ファウストや
狭き門も
とても好きだけれど
翻訳のフィルターを
通していない
日本語で書かれた本は
多くのことを
教えてくれる
どうして
いままで
そのことに
氣がつかなかったんだろう
これから
日々文豪に
直接教えを乞おう
書かれた文字のおかげで
時間を
超越して
作品はいまに残る
そして
文豪との
対話を
可能にしてくれる
