香りが
忘れていることを
運んできてくれて
ふわっと
蘇ったとき
わたしの中の
子どもが
泣いて
笑って
ジャンプする
ネズミモチの
白い可憐な花が
決して主張しない
ほのかな香りを漂わせ
湿度を増していく
この季節の
大氣と
絶妙なハーモニーを
奏でる
どんなに
小さな
子どもにも
ありとあらゆる
記憶が
刻まれていて
蘇るタイミングを
何年も
何十年も待っている
せっせと蜜を集めていた
蜂もネズミモチの香りがして
お花がおわってから
かわいい緑の実をつけて
そのなかには
白いスプーンが
入っていたことも
