桜が咲く頃

 

はじめて会ったのに

 

ずっと前から

 

知っていた人のような氣がして

 

どこかで見たことがある

 

情景のような氣がして

 

いまがいつで

 

自分が

 

いまどこにいるのか

 

わからなくなった

 

ちょっとした

 

時の間に

 

落っこちて

 

いまも変わらない

 

匂いのする

 

駅に着いた

 

ああここは

 

半世紀くらいのときが

 

いくつも交差して

 

いつでも

 

行き来できるように

 

なっているのかもしれない

 

古い公民館の階段を上がると

 

いつもの待ち合わせの

 

図書室が

 

そのままあって

 

わたしはまだまだ

 

学びたくて

 

本を借りる

 

それは古びていて

 

わたしの生まれる前の本だった