冷え込んだ朝

 

ホーム横の信号で

 

トラックが

 

停まった

 

ぶきゃーと小さな悲鳴が上がる

 

小さな駅のホームは道より少し高いから

 

思わず振り向いた

 

その荷台には

 

ぶたさんが

 

ぎっしり

 

よろけても

 

転ばないくらい

 

ぎっしり

 

裸んぼうで

 

トラックの揺れに合わせて

 

押し合いへし合いしていた

 

寒そうだけど

 

ぎっしりだから

 

寒くないかな

 

丸々と太ったぶたさん

 

満載のトラックの

 

行き先は

 

誰に

 

聞かなくてもわかる

 

わたしは

 

どのぶたさんでもいい

 

目を合わせて

 

感謝を伝えようとしたが

 

みんな

 

みんな

 

目を閉じていた

 

もう

 

わかっているんだね

 

今日あなたたちの

 

身に起こることを

 

わたしたちは

 

みんなみんな

 

あなたたちの

 

いのちを

 

いただいているんだね

 

わたしは

 

ぶたさんたち全員に

 

愛と

 

平和と

 

感謝を

 

できるかぎり

 

念じた

 

通じたかどうかは

 

わからないけれど

 

信号が変わり

 

ぶたさんたちは

 

みんな行ってしまった

 

今日も

 

わたしはちゃんと

 

生きます

 

いのちを

 

いただいて

 

生贄は遠い過去の話じゃない

 

こうやって

 

毎日毎日

 

どこかで起こっていること

 

生きていくことは

 

いのちをいただいて

 

繋いでいくこと

 

ありがとう

 

ありがとう

 

ありがとう