メキシコの山あいの街で

 

年越しとなった

 

普段は

 

キャンプ生活をする

 

わたしたちも

 

年越しくらいは

 

ホテルステイ

 

することになった

 

結局ほとんど

 

夜中まで

 

出かけるわけだから

 

あんまり意味はないけれど

 

テントをたてる

 

手間暇がいらないのは

 

ちょっと特別感があるし

 

スプリングがきかないとはいえ

 

ひさしぶりに

 

ベッドで寝るのは悪くない

 

水洗トイレが部屋にあるのも

 

最高だ

 

トイレットペーパーを流してはいけなくて

 

ごみ箱に捨てる暮らしにも

 

すっかり

 

慣れたところだ

 

気分が高揚し

 

すっかりラグジュアリーな

 

ホテルステイのつもりで

 

くつろぐ

 

すると

 

ホテルの部屋の地面を

 

何かが動いている

 

何の生き物かな

 

近寄ってみると

 

小さなボディの

 

カニのようなムカデのような

 

それはしっぽの先にしっかりと

 

毒針を持っていた

 

サソリの英語ってなんだっけ

 

そうそう

 

スコーピオ!!!

 

と叫ぶと

 

同室のボビーがまたまた~みたいなノリで

 

覗き込む

 

え!

 

ほんまやんか(イン イングリッシュ)!!!

 

サソリは

 

戦闘態勢ではなさそうで

 

てくてくどこかへ歩いていなくなった

 

けれどけれどけれど

 

 

ここは超安宿って感じでもない

 

普通の宿だけど

 

メキシコの宿って

 

普通に部屋にさそりが出るわけ???

 

他の人にきいたけど

 

だれの部屋にも出ていない

 

その後

 

さんざん酔って帰って

 

バタンキューだったけれど

 

わたしはベッドにもかかわらず

 

寝袋に入って口を

 

ぎゅうぎゅうにしばって

 

眠った

 

顔は半分くらい出るが

 

呼吸のため

 

しかたなし

 

リッチなステイから

 

恐怖の館ステイへ

 

人生最初で

 

おそらく

 

最後の

 

野生のサソリとの出会いを

 

蠍座シーズンになるたび

 

思い出す

 

あれはあれで

 

とてつもなく

 

貴重で

 

意味のある

 

ものだったに

 

違いない