キンモクセイが

 

10月8日に咲いて

 

かぐわしい

 

秋の香りで

 

世界を塗り替えた

 

そのあと

 

嵐が来たわけではなく

 

大雨にさらされたわけでもないのに

 

あっさりと花が

 

終わってしまった

 

別れを惜しむ間もなく

 

あっという間に去ってしまった

 

年に一度のお楽しみに

 

ちょっと肩透かしを食らったような

 

氣持ちでいたけれど

 

一週間ほどたって

 

何もないはずの

 

木から

 

再び香りがするようになった

 

返り咲きにしては

 

間隔が短すぎるし

 

不思議におもっていた

 

すると

 

あれよあれよという間に

 

実のようなものがたくさんつき

 

よく見たら

 

やっぱりそれは

 

キンモクセイの

 

小さなつぼみのようで

 

本当に

 

二度目の開花をするのだと知った

 

復活と再生を遂げた

 

二度目のキンモクセイは

 

一度目よりも多くの花を咲かせ

 

いまが満開

 

自然は

 

驚くほどの

 

賢さで

 

自分らしく

 

おのれを

 

表現する