きんもくせいが
今年も
そっと
花をつけた
満月を含んだ
神聖な
香りをまとって
近くで
その懐かしい
香りに包まれようとすると
さっとどこかへ
行ってしまうけれど
離れようとすると
どうぞ
と香りを
差し出してくれる
この季節に
生きる幸せを
味わう
わたしと
金木犀
ずっとずっと
一緒にいたいけれど
ほんの一瞬なんだね
まるで
流れ星のように
でも
毎年
帰ってきてくれる
あなたの香りで
忘れてしまった
大切な
何かを
思い出せそうな氣がする
何かの
約束か
誰かからの
メッセージか
いまという
かけがえのない
ギフトを
受け取る
最後の機会
