意識
動き
言葉
ずっとずっと
ことばとの
付き合い方が
わからなかった
誰かを傷つけることを
ひどく
おそれて
おどおどと
口ごもるか
逆にちゃらちゃらと
おどけてみせるかで
その場をしのいで
あとから
自分の言ったこと
言われたことを
牛のように
反芻して
ぐるぐる
余計なことを
思い悩んで
大人になってしまった
そして
言語造形に
であった
そこで
口を
酸っぱくして
言われたこと
意識がまず向く
そして指をさすなどの動きが出て
そこに言葉が乗るんだよ
と
意識があるから
舟が動く
その上に
ことばが乗ることで
はじめて
相手に
届く
そして
奇跡的に
贈り物になるかもしれない
だから
ことばが
先に出る
営業トークや
マニュアルトークには
人間味がなくて
心が感じられないんだよ
と
いまなら
AIがそうなのだろう
心の動きのない
人間のトークなら
まだ
AIの方がまし
そう思ってしまうくらい
意識の動いていない
ことばは
しんどい
人間にしか
できない表現
人間だからとれる
間合い
口ごもっても
噛んでも
言い間違えても
待つことができる
表情だって助けてくれる
それでも
いまだに
書き言葉の方が
心地いい
何度も
何度も
見直しできるから
そして
遅ればせながら
こうやって
ことばへの
感謝をなんとかして
伝えたいと思ったときに
伝えられる場が
与えられる時代に
うまれたことに
深く深く感謝して
世界を
抱きしめる
希望を
名前を
詩を
ありがとう
ありがとう
ありがとう
