ここではないどこかへ
とか
もっともっとよくなろう
上へ上へ
とか
思いすぎていると
いまいるところ
いまある暮らし
いまあるしあわせ
いまある豊かさ
ここにしかないもの
そういったものすべてへの
感謝に欠けていたことに
氣付かされる
毎日寝る場所があって
毎日食べるものがあって
レコードやCDをもっていなくても
毎日きくことができる美しい音楽があって
だれかが育てた美しいお花が売られていて
それを買って家でいけることができて
郵便を受け取ったり
出したり
そういった手作業もまだまだあって
庭でスズメが草の実をつつき
シジュウカラがネクタイしめてやってきて
久しぶりにかわいらしい声を
きかせてくれたり
ヒバリが空で歌い
ウグイスは
歌の練習に余念がない
みんなちゃんとちゃんと
自分のやるべきことを
やっている
私はどうなんだろう
さくらが満開で
一年分の穢れを一掃し
空氣を一新する
さくらもここのさくらと
別の土地のさくらは
全然違う顔をしている
でも惜しげもなく
その花を
散らすのは
同じ
