かぐつち

 

かぐや

 

おつきさまへ

 

親しきなかにも

 

礼儀あり

 

不老不死を

 

たまわろうとなさるも

 

やんごとなきお方は

 

ふじのやまで

 

燃やしてしまった

 

そうなってしまうだろうと

 

わかっていたのかもしれない

 

そうするだろうお方だからこそ

 

人智をこえたものを

 

託すことができたのでしょう

 

受取った側が選べるように

 

うけとるばかりで

 

ありがとうと

 

いえば

 

それだけで

 

十分だとおもう

 

もののいかに多いことか

 

こまったときだけ

 

助けを求め

 

その後どうなったのか

 

報せもせずに

 

しらっとしている

 

もののいかに多いことか

 

口から出るのは

 

おのれのことばかり

 

人の話もきいているふりだけで

 

自分の話にもっていくための

 

つなぎだと思っている

 

もののいかに多いことか

 

人に期待してはならぬ

 

絶対にならぬ

 

必ず

 

裏切られるから

 

けれど

 

かぐやと

 

みかどは

 

どこかでまた

 

文を交わしたのでは

 

なかろうか

 

転生は

 

悪くないもんだ